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いいようのない何か  作者: 桜井 薫
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料理

 今まで食について気をつけていたが、一人暮らしになって食べ物の調達を「宅配」に変えたのは活動報告に書いたかもしれない。

 特に私は、親の遺伝的に胃腸がどうも弱いらしい。二十歳近くから揚げ物は苦手であまり食べないようにしている。

 主に野菜を摂ることが多く、生野菜より温野菜が好きだったりする。健康志向ではないけれど、自然とその方向にシフトしていることが多かった気がする。

 一人になると食べ物は自由だから、好きなものを食べることができる。野菜でも基本ねぎ系が駄目で、長ネギも「白髪ねぎ」しか食べれないし、玉ねぎも生のスライスしか食べない。カレーとかシチューには甘み出しで入れたいけれど、わからないように薄切りで入れたりする。

 昔は仕方なく入れていたものも入れなくてよくて、嫌いな味付けは食べなくてよくて、無理して調味料を駆使して中華作らなくていいし、現実は簡単に入れればできるやつしか使わない。以前は無理してたんだ。

 元夫が料理人崩れでさ。何でもこだわっていたし、料理も美味しかったけど、その分私が作る料理に自信が持てなくて。私自体は普通よりできる方。自分を自慢したいわけではないし、寧ろ料理はコンプレックスなんだよね。

 幼い頃からずっと料理を作っていてさ、でも一度も家族に「美味しくない」「薄味」と言われ続けた。いろいろ試して調味料の工夫や出しの工夫とかしてみたんだ。焼き方、煮方とか変えてみたりしたりもしたんだ。でも何も通じなくて、いつも親の二番手。それ以下かな。

 毎日作っていたのに、一つも美味しくなくて疲れてしまった。一度は救われたんだ。二十代前半の時、職場にお弁当を持って行ったことがあって。本当に美味しくないのかなって疑問だったんだ。

 意外と美味しかったらしい。何回か作って行ったんだけどみんな美味しかったってお弁当洗ってくれたりして返してくれた。

 大学生男子の多い職場でね、当時二十二歳ぐらいだったんだけれど、みんな同い年か年下で、「美味しかったっす」とか言ってくれんの。嬉しくないか?男の子の方が素直に美味しいって言ってくれるから嬉しいよね。女だと「あざとい」とか言われるよね。やだ女子社会。

 ともかくそれでご飯を作れるようになったんだよ。いろいろアレンジするのも好きだし、自分の創作料理とか勝手に作る。ただ食べたいものを勝手に買って食べたい味付けで食べたり。

 当時は白菜が安くて、パスタに白菜と鷹の爪とニンニク入れてペペロンチーノ的なもの作っていた。白菜は鍋にしたり、炒め物、煮物、もちろん鍋物にも使うから重宝するんだよ。保存効くしね。

 パスタは得意料理。ソースから手作りしたりする。楽しいんだよ。オリーブオイル、生のニンニク、鷹の爪などは一式買い揃えていつも常備していたね。うん、パスタは好き。今でも適当過ぎるくらいなパスタは作る。カルボナーラは好きだけど、クリーム系は嫌い。何回言っても元夫が作るから仕方なく美味しいって言って食べていたな。あれも我慢の一つか。パスタは塩味がいいとか勝手に思っている。もちろんそんなことはないけれど、当時は元夫が作るパスタの後、何かしょっぱいもの食べていた気がするもん。人の意見は聞いてほしかったわ。

 実は苦手とか言いながら料理にもこだわりがあるのかもしれない。食べたい味は譲らないけれど、作るものは基本雑だ。三日間ポークソテーの日とかあったり、食べたくなるものが「スクランブルエッグご飯」だったり。

 この「スクランブルエッグご飯」というもの、解説する必要もないが、ご飯をどんぶりに入れて、その上からいり卵を乗せる。しかも作り方雑なやつ。そこに醤油をぶっかけるだけの味付け。これが母の味。私がよく子供に作っていた唯一のご飯。なんだよこれ。

 あとは「生うどんぶっかけ」。袋のゆでうどんをどんぶりにそのまま入れて、顆粒だし、醤油、冷たい水、氷を入れるだけ。

 これはそうめんでも代用できて、海苔とか入れる。でも茹でるの面倒だから生うどんが美味しいし好ましい。これも私が作った母の味だ。ひど過ぎる。

 いやぁ、違うんだよ。完全に言い訳だけど、凝ったものを毎日作られるとどうでもいいものが食べたくなるじゃん。カップ麺とかさ。でもカップ麺は体に悪いからよく作っていたのがこれというわけ。他に納豆使うやつとか即席系はかなり得意だ。時短というやつ。

 やっぱり料理苦手なんじゃんと言われそうだけど、勿体ぶって得意料理は「ペスカトーレ」と言っておく。

 ペスカトーレはね、トマト煮込みにハマっていた時に出会った料理でね、ニンニクとか常備していた時に話なんだけど、鶏肉と野菜、パプリカというものが美味しくてうまく食べる食べ方を考えた時にペスカトーレよくないかと思って、今まで作ったことなかったんだけど、レシピとか研究して作ったのが初めてかな。あの時が一番料理していて楽しかったんだけどね。

 まだ子供が離乳食の頃だから、私が凝って作っていたミートソースぐらいしか食べてないんじゃないかな。しかも覚えてないから母の味は上記のものになる。泣けるわ。

 離乳食は凝っていたんだよね。密かに。毎回手作りでしかも働いていたから冷凍保存で美味しく食べれて手軽で栄養満点とか考えた。それも覚えていないくらい子供は偏食なんだけどね。小さい頃から野菜を食べる習慣をつけておくのが大事だからって手作りしたのに、全くもって意味をなさなかった話。無駄なことを努力しても意味がない話に繋がるわ。

 後期に入るとパスタ食べれるようになるのは大きかったね。特に下の子の時は重宝したんだ。下の子はパスタ作ってやると喜んで食べてくれたな。ケチャップが好きで、トマトベースが好きだったよ。

 駄目だな。子供の話になると膨大になってしまうわ。取り止めがない。


 まぁ、何が言いたいかって、「宅食」かなりいい。全然結びついていないようだけど。野菜が多くて、肉や魚などの「タンパク質」も補える。そして買い物行かなくていい。楽すぎる。

 でも実は欠点もあって、調味料が高い。これはお金が入ったら近くのスーパーに調達しに行きます。近くにあるんかいって話なんだけど、外で買うと目移りが激しくて何でも欲しくなるからかえって高くなるんだよね。だから調味料程度揃えて買った方が計算しやすいメリットはある。腐らせないで済むからね。

 普段食べない野菜も入っている。この間はラディッシュ入っていて美味しかった。人生初ラディッシュだった。美味かった。どこかでは食べたことあるだろうけど、自分で買ったことはないな。


 やばい、ページが限界だ。そろそろ終わりにしときます。


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