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鍼使いとドラゴンの子  作者: 琵琶まるお
一章 鍼使い
8/96

レア

なんだか女の子の声が聞こえる。


『#$%"#$%')%~=』

「紬?俺まだ眠いよ…なんかすげー疲れる夢みたんだよ…。」

『!!?? ~(=$"'(#%#』


声の主が驚いたような声を上げている。

そして小さい手で俺の身体を優しく叩き、起こそうとしているようだ。

「気づいた?起きた?おじさん?おにいさん?」

ん?紬の声じゃないな。小さい女の子の声だ。

身内にもこんな小さい女の子はいなかったはず。

あれれー?おかしいぞー?

ゆっくり目を開けてみた。


木で作られた家、天井が見える。

ふかふかとは言えないが大きめのベッドに寝ていた。

身体がやたら重く感じる。さらになんだか全身あちこちから痛みがある。

ここは…どこだっけ?なんでこんな身体が痛いんだ?

寝ぼけた頭は正常に働いていない。

寝ながら周りを見回してみる。

ベッドの左側にはやや大きめの窓があり、日の光が入って室内を明るくしてくれている。

西日という感じの日の強さではないのでちょうど昼くらいだろうか。

天井にはランプがぶら下がっている。

そして右側には…女の子がこっちをニコニコしながら見ていた。

頭にぴょこぴょこと動く熊?犬?の耳のように丸くかわいい耳がある女の子が。


「………。」

「起きた?」

「…ん?んあ!!??」

ガバッと字のごとくベッドから飛び起きた。

身体が重い、痛いなんてそんな感覚や意識はどっかにすっ飛んだ。


「きゃっっ!!」

俺が急に起き上がったせいで女の子はなんともかわいらしい声をだしてドテっと床に倒れた。

「もー急に起きたら危ないでしょ!私が!!」

怒りながら言っているがその表情はなんとも嬉しそうな感情が見え隠れしている。

「あ、ご、ごめんね。えーっと、俺はなんでここに…というか耳が…」

10歳くらいの少女には見覚えがあった。

だんだん記憶がはっきりしてくる。

確か家の扉を開けてくれた子だ。

「耳?耳は誰だってあるでしょ?あなたは人間。私は…あ、亜人だから。」

女の子が照れたように言う。

「亜人?あーもうここ俺のいた世界じゃなさそうね…。」

「なにいってるの?おじ、おにいさん大丈夫?」

「おじさんでいいよ。おにいさんってほど若くないし。」

「おじさん!んーでもなんかそれもやだな。名前は?」

泰雅たいが。藤枝泰雅」

「タイガ!おなかすいた?」

初対面で年上に呼び捨てってずいぶん馴れ馴れしい子だな。

まあこれくらいの子はそんな子もいるかな?

かわいい女の子から呼び捨てされるというのはそんなに悪い気はしない。


「う、うん。そういわれたらお腹…すいてる気がする。」

勢いに飲まれてついそう答えてしまった。

まだ見慣れない頭についてる獣耳が気になって空腹かどうかなんかわからない。

「だよね。タイガね、おとといの夜に来てから寝っぱなしだったんだよ。」

「え!そんなに?…1日以上ねてたのか…。ありがとね。助けてくれて。」

「ううん、ここはお客さんがいつきてもいいくらいちょっと大きい家なんだー。だから全然大丈夫!」

「それでもベッドに寝かせてくれたのはうれしいよ。本当にありがとう。…えーっと…」

「レア。」

「れあ?」

「レア!私の名前だよ!」


レアと名乗る女の子は年齢は10歳くらい。

肩まである艶やかなまっすぐに伸びた髪、前髪は眉の上で綺麗に揃っている。

ぱっつんってやつだな。

くりっとしたお目目に熊か犬かよくわからないがかわいい獣の丸い耳が頭についている。

実に特徴的な女の子だった。

特徴的すぎるだろ…。


「レアか。わかった。ところでレアはお嬢様なの?お客さんがいつきてもいいくらい部屋があるなんてすごいね。」

今の日本じゃ来客用の部屋がいくつもあるなんてあんまりないよな。

「別に普通だよ。お父さんがここに住むっていうから。お金持ちってことでもないよ。」

「ふーん。いまお父さんやお母さんは?」

「お母さんタイガのご飯準備してるよ。起きれる?リビングに行こう。」


2020年1月18日 一章完結。

           登場人物紹介を少しずつ書いています。大きなネタバレはなし。

           興味があれば是非お目通しください。

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