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運命(上)

初めての恋愛物です。

僕の物語を楽しんで貰ったら嬉しいです

9月残暑が残る今年の秋、決まらない志望大学、多数の行事、波乱の私たちの高3の2学期が始まった。

最初の授業はホームルームから始まった。

「よーしお前ら席替えだ、席は1学期の成績とかで先生が考えた。後で教卓に紙置いとくから見とけよ。」

「えー」

「くじとかが良い!」

クラスからは不満の声も出てきたが先生は、一言で笑いながらクラスを黙らした。

「うるっせえな、推薦書、書かんぞ。」

(まじすか!先生がそんな事言って良いのか)

クラス中がそう思いながらクラスが静まった。

「後さえ、お前はクラストップの春樹が隣だ勉強教えてもらえ。」

(まじすか!)

先生の一言と共にクラス中が私を笑ったり、茶化してきた。たった一人を除いて、しかしさえは、その事を気づく余地もなかった。

私は葉月さえは、成績もそして隣の席もどん底からのスタートです。

ホームルームも終わりみんな、席を移動し始めた。

「よろしくな。これも何かの偶然...いや必然だったのかもしれん!」

「よ、よろしく。」

彼は那珂春樹なかはるき、先生の言った通りクラストップ、それなりにイケメン、ただ少し訳も分からない言葉を使う。多分中二病ってやつだと思う。私は、あまり得意な人では無かった。

(てかなんだよ、偶然いや必然かもしれないって。先生が決めたんだもん必然に決まってるじゃん。あぁなんで先生はこの人を...)

そんな愚痴を思いながらも時は過ぎ、今日の最後の授業そして、私の一番苦手な数学の時間になっていた。

数学の時間、私の頭の上には、はてなマークがいくつも浮かんでいた。すると先生は

「ここ中間、出すからやっとけよ後こっちも出すかもしれんから。」

と言い黒板に黄色いチョークで問題番号を囲った。

(え!やばい、やばい、全然分からん。)

そんな事を思いながらもノートには一様写し教科書に載ってる解説を探したが一向に見つかる気配がない。

(仕方ない隣に聞くしか....また変な言葉で返されるんだろうな。もう少し考えてみよう聞くのは最終手段だ。)

さえはそんな事を思いながらノートと、にらめっこしたが

「春樹くん、この問題分かる?教えて欲しいんだけど。」

顔をしかめながら、さえは春樹に救援を求めた。

聞くのは最終手段と考えていた私だったが、あっけなく手を出した。

さえにはもうプライドなんてものは無かった。

二人の間に少しの沈黙が流れたがすぐに春樹が切り出した。

「ふふ、ここ?良いよ。」

「なんで笑うの?」

「顔しかめながらお願いしてくるのなんて初めてだったから、つい。ごめん」

春樹はしっかりと謝った。その口からは一切の中二病を感じ取られない。さえはそれを気付かないまま、問題の解説へ移った。

「ここが、こうなるのはわかる?」

「う、うん」

私は少し戸惑いながらもコツコツ理解していった。

「よし、それじゃあ、この問題も同じ要領でやってくの。」

「わかったよ。理解できた!」

つい大声で叫んでしまった。

「おい、さえ、うるさいぞ!」

先生に怒られてしまったが

「すみません。マスター」

春樹が代わりに謝った。

「春樹、マスターじゃない師匠と呼べ!次からは気をつけろよ。」

そんな春樹に周りは笑い、先生はふざけながらも許した。そのまま授業を続けようとしたが終わりのチャイムが鳴り授業が終わった。

帰りホームルームを済ませるとみんな一斉に帰り始めた。

「春樹くんさっきは色々ありがとうね。」

さえはさっき言いそびれたお礼を言った。

春樹は無言で手を軽く上げそのまま帰っていった。

明日香あすか帰ろ?」

「ごめん。さえ、今日図書当番で。先帰ってて。」

いつも一緒に帰る友達、明日香。帰ろうと誘ったが委員会。私は今日、一人で帰ることにした。


時はたち中間テスト1週間前になっていた。

夕日が少し入ってくる教室。さえは、1人苦悩していた。

「やばいよ全然わかんない。」

さえは放課後、教室で問題が分からず一人で頭を掻きむしりながら嘆いていた。

「さえ帰る?」

明日香が帰るのを誘ってきたが私は今あまり帰れる状況じゃなかった。

「ごめん今日勉強してくから。先帰って。」

「わかった、勉強頑張って。バイバイ。」

手を振り明日香は教室から出て行った。私は机の上にある問題と向き合ったが。

(やっぱり分からん。先生に聞いてくるか)

さえは意外と行動が早く、そう思うと席を立ち職員室へと向かおうとした。

「さえさん、まだ残るの?」

「う、うん。春樹くんもまだ残るの?」

さえはびっくりしながらも相づちを打ち。そして春樹に質問をした。

「俺は先生に日誌を届けようとしたんだけど先生居なくて帰ってきた所だよ。さえさんは何をしてるの。」

春樹が質問に答えた。すぐに返されて少し言葉が詰まった。

「あ、えーと。数学の分からない所を先生に聞こうと思ったんだけど。先生居ないんだよね。だったらもう帰ろうかな。」

私は春樹くんと二人きりだと少し気まずかったので帰ろうとした。

「数学?なら俺が教えてあげるよ。」

「えっ、でも帰るとこでしょ。帰り遅くなるよ。」

「いいよ別に。」

嫌そうな声色でもなくそのまま話を続け、そして続け様に少し低めな声で言い放った。

「まぁこの俺の力だったら全教科教えれるぞ。まぁ椅子に座れ。」

(あー来たよ中二キャラ。めんどくさいよぉ)

私はそう思いながらも椅子に座り、彼に問題を渡した。

春樹はしばらく問題を見た後に紙に書きながら説明を始めた。

(毎回こうやって教えてもらってるけど私何も出来ないなぁ)

さえは春樹に対して申し訳ない気持ちが出てきた。

「おーい。聞いてるか。」

「き、聞いてるよ。ここまでは分かるんだけど、この(2)からが全然わかんない。」

「ok!どれでも教えるよ。」

(いかん、いかん。しっかりと聞かないと。)

少し上の空になっていた自分を引き締め、もう一度問題と向き合った。

「この問題はこの公式を使って解くと良いよ。計算してみて。」

解説されながら、私はそれをノートに書き写し、解き始めた。

「これで良い?」

「正解だ!次の問題も...」

キーンコーンカーンコーン

春樹の話の途中、最終のチャイムが鳴った。さえ達の通ってる学校はこれが鳴ると帰らないといけない。

「やっべ、こんな時間か。さえさん帰る準備しよう。」

さえは急いで荷物をバックにしまい、教室から出ようとした。

「鍵は俺がやっとくから。」

「いや、私がやる。春樹くんになんでもさせちゃうのは申し訳ない。春樹くんは先帰っていいよ。」

さえはせめてもの手伝いをした。

「失礼しました。」

職員室に鍵を返しに行った。扉を閉めて外の廊下に置いてあるバックの側を見ると、そこには一緒に春樹が待っていた。

「なんで?帰っていいよって言ったよね?」

さっき言った事が伝わっていなかったのか心配になった。

「あぁ、言われたよ。だけど女子1人で帰らすなんて...最近物騒だし。」

「そ、そう。ありがとう。」

急な紳士ぶりにびっくりしながらも一緒に帰ることにした。


ガタンゴトン

2人は電車に揺られながら沈黙の時間を過ごしていた。

これが起きるほんの少し前。

「あれ?一緒の方面なの?」

「そうみたいだな。」

私は驚きながら改札にicカードを読み取らせた。一方春樹は冷静に答えた。

電車に乗ると中には、ほとんど人が乗っておらずほぼ2人きりの状態だった。

(やばい。話す事が見つからない。とことん気まずいな。何か話さないと。)

「「あの!」」

2人の発した言葉、タイミングがぴったりと合わさった。

「えっと。さえさんからいいよ。」

春樹が先を譲り、さえから話す事になった。

「あ、あの春樹くんは降りる駅どこ?」

志井しい駅だよ。」

短い返事が帰って来た。

「春樹くんは何を私に聞こうと思ったの?」

私は春樹くんにさっきの事を聞いた。

「いや。同じ事を聞こうとしてた。」

春樹は少し恥ずかしげにさえに質問した。

「はっ!すごい偶然だね。私は絵伊えい駅だよ。だから春樹くんの2駅前だね。」

少し笑みを浮かべながら頷き、春樹は新しくさえに話しかけた。

「勉強わからないんだったら、毎日授業後、教えよっか?」

春樹から提案が来た。しかし

「気遣いありがとね。だけど私の家、弟がいてさ早く帰らないと行けないんだ。今日はお母さんが休みだから残ったんだよ。だからそんな事までしなくてもいいよ。」

さえは断った。

「それなら俺がさえさんの家に行こうか?」

「!」

春樹から、斜め上の提案にさえは、目を丸くした。

「悪いよ。いいよそこまでしてもらわなくて。」

さえは両手を横に振り柔らかく断った。

「え?でも勉強しないと大学どころか高校卒業出来るの?それと俺はさえさんに勉強を分かってもらいたい。」

「うっ!」

春樹が痛い一言を言い放った。

「でもいいの?本当に私出来ないよ。」

「あぁ。いいさ。それが俺の使命だからな。」

春樹は胸を、ぽんと叩き、首を縦に振り少し低めの声で了承した。

ガタンゴトン

(やばいよ。明日から春樹くんが来る!?部屋の掃除しないと)

さえは、少し別の心配もしていた。そっと春樹の顔を見みると、傾いた夕日のせいもあるが春樹が輝いて見えた。

その後数分揺られ、さえの降りる駅に着き、電車のドアが開いた。

「春樹くん。また明日ね。バイバイ。」

笑顔で春樹に対して手を振りながら外へ出た。春樹はそれに対して無言で手を振り返し、電車のドアが閉まり始めた。さえは電車がホームから出て行くまで春樹をしっかりと見送った。

十数分の下校が、さえはこの電車での会話が数十分にも感じた。


次の日の授業後

ガチャ

けい、ただいまぁ」

「お姉ちゃんお帰り、そっちのひとは誰?彼氏?」

慧は少し警戒気味に姉である、さえに話しかけた。

「な、なに言ってるの?!、この人は同じクラスの春樹くん。ほら挨拶は。」

「こ、こんにちは。」

恥ずかしそうに春樹に挨拶した。

「はじめまして。春樹です。」

春樹は笑顔で慧に挨拶した。家に上がり、そして成績向上と称し私の家で(弟もいるがほぼ)2人きりの勉強会がリビングで行われた。


「我(なんじ)を指南す。しっかりとついて来い!」

「了解!今日から頑張るぞ!」

春樹が少し低い声で言いそれに続いてさえが少し大きく言った。

この時さえは春樹が中二キャラなのを気にせずに言葉を返してた。

「今日はテストが近い英語だな。俺たちの先生は小テストの内容しか出さん。だからこれをしっかり覚える。」

春樹が今までやってきた満点の小テストの紙を机の上に置き問題を厳選していった。

「よし!これと、これと、まぁここら辺が出そうだな。」

「これを全部...頑張ります...」

さえは少し心の中で後ずさりしたが、しっかりと問題と向き合った。

「これってどうしてこうなるの?」

「haveプラス過去分詞。完了形は分かる?」

「うん」

「それに過去のニュアンスが入った文だよ」

「ほー」

さえは少し気の抜けた返事をしながらも着々と理解していった。それからも分からない問題を聞きながらだんだんと一つ気になることが出てきた。

(あれ?なんか違和感があるなと思ったら、教えてもらう時、中二キャラで話さないな。

てかめっちゃ優しいんだけど。春樹くんが隣に来る時なんか胸の奥が...『好き?』いやいや、それは...)

この不思議な感覚を考えながら、さえは横目で春樹の事をじっと見つめた。春樹は何かの視線を察知したかのようにさえの方を向いた。2人目が合い、さえは恥ずかしくなりすぐに目を机の方に逸らした。

(やばい。目合った!?)

さえはどうか春樹の事を見たのを気付かれないよう願った。

「どこ見てたんだ?問題分からん?」

どうやら春樹は気づいていなかった。

「ご、ごめん。ぼーっとしてた。」

さえはそれなりの言い訳をしその場を乗り切った。

「少し休憩するか。てかもう7時半か。今日はこれでおしまいだな。」

「えっ。もう帰るの。」

「そりゃそんな夜遅くまでいたら迷惑だろ。」

ガチャ

扉の開く音がした。

「お帰り、お母さん。今日は早いじゃん。」

「今日は仕事が少なかったのよ。あら、お客さん。いらっしゃい。」

さえの母は笑顔で春樹に挨拶をした。

「こ、こんばんは。お邪魔してます。」

春樹は礼儀正しく挨拶を返した。

「それじゃあ。俺は帰るよ。」

「あら。もう帰るの。ついでに、ご飯食べてって。」

さえの母が春樹が帰るのを聞き、ご飯の誘いが来た。

「いや、悪いですよ。」

「いいの。この子(さえ)のお礼もしたいから。さえ!あなたも手伝いなさい。」

「はーい。」

「じゃあ。」

春樹はさえの母に根負けし、夜ご飯を一緒に食べることとなった。さえも一緒作るようで、それからすぐにご飯の支度をし、夜ご飯となった。さえが野菜炒めを盛ったお皿、そしてお茶碗に盛られたご飯を机の上に置いた。

「頂きます。」

春樹は野菜炒めを口に運んだ。

「!」

「どう?おいし?」

「うん。美味しいよ。」

さえは春樹に味を聞きニコニコしていた。

「春樹くんだっけ?ありがとうね、さえを教えてくれて。」

「いえいえ。提案したのは自分ですし。」

春樹はそんな謙遜な言葉を言いながら野菜炒めをそして白米をパクパク食べていった。

「ねぇねぇ春樹くん。さえとはどう言ったご関係で?」

「ちょっ!お母さん何聞いてるの?」

さえは顔を少し赤らめて母の制止を行おうとした。だが

「この子最近いつも春樹くんの事話すのよ。『春樹くんは頭がいい。』とかね。小学生か!って思っちゃうわ。」

少し笑みをこぼしながらさえの母は満足そうに話し終え、それに代わって、さえは顔が林檎りんごの様に顔を赤くしていた。しかし春樹はさえの事を気付かずに野菜炒めを食べながら淡々と話し始めた。

「あっ、そうですか。そんなに褒めてもらってるとは、しかし、さえさんはいい人ですよしっかりと話は聞きますし、真剣に勉強してくれるしで。」

「まぁ」

それを聞きさえの母は驚きの声を出し。そして、さえは更に顔を赤くしたが、春樹はそれを関係なく話し続けた。

「まぁ少し理解が遅いですがね。野菜炒め美味しかったです。ごちそう様でした。」

「はっ、春樹くん。私が持ってくから置いといて。せっかくのお礼なのに手伝わせちゃいけないよ。」

春樹は自分が使った食器をシンクに持って行こうとしたが、さえは赤い顔をうつむけ、春樹の皿を受け取りシンクに運んだ。

(やばいよ。褒める所ない私をなんであそこまで褒めれるの?優しすぎでしょ。あんなに言われたら...ああああああ)

さえの心の中では、わちゃわちゃ状態に。シンクで1人で、さっきの言葉を自動再生し、更に顔を赤くした。

十数分後

「ご飯ごちそう様でした。お邪魔しました。」

「また明日ね。今日ありがとね。また明日もお願いします。」

さえは両手を合わせお願いをし、玄関で春樹を見送った。

「もう8時半か。お風呂入ろう。」


さえは身体を一通り洗い湯船に浸かった。

(前までは全然気にならなかったのに...最近気になってしょうがないんだけど。あれ?なんで?)

ブクブク

そんな事を自問自答しながら湯船に口まで浸らせた。

「よし今日教えて貰った事の復習だ!」

お風呂から上がり春樹から教わった事を復習した。

「やっぱり春樹くんの教え方、分かりやすいな。できる、できる!」

独り言を呟きながら復習に励んだ。

そしてさえの1日は終わった。










話的にはまだまだですが読者さんに楽しんでもらえるよう頑張って書いていきます。今後ともよろしくお願いします。

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