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やどりぎ  作者: あおい
Sub episode
28/31

lost


 学校にアンジェリカが在籍していた頃の事である。

 校内にて。


「ねーねー、アンジェリカ~。あんたの親しくしてる後輩くん、カッコいいよねぇ~」


 ――え、後輩? どいつだ? カッコいい奴とか居たっけ?


「今度誘っちゃおっかな~? あんたの友達だって言ったら、少しくらいはお話聞いてくれるよねぇ?」


「誰の事を言ってるの?」


「ん~、あの目付きの悪い子ぉ……確か〈ユージン〉とか言ってなかったかな?」


 ――マジか……こいつも物好きだな。




 その夜。

 ユージンは気分の悪さを覚え、自室のベッドで目を覚ました。

 室内は暗く、窓からの月明かりが薄っすらと照らしている程度。


 ――うう、気分悪い……飲み過ぎたかな。いや、それだけじゃないカンジが。怠さの種類がいつもと違うし、アルコールだけの影響じゃないよーな?


 ユージンの意識の中で、アンジェリカにもらったシガーがピックアップされた。


 ――あぁ、アレか。体質に合わなかったかな。あの女、オリジナルの葉っぱ配合しやがるから……。


 はぁ。と寝返りを打ったユージンの、息が止まる。


 目の前に、あの女が居たのだ。

 アンジェリカ。


「ひぃあっ?」とノドが音をたてるほど強く、息を吸い込む。


 彼女はゆっくりと目を開け、ニタリと笑った。


 思わずブランケットを剥ぎ取ると、ふたりとも全裸であった。


「う……うわぁぁぁ!」


「うるさい」


「先輩酷いっ! 先輩レイパー! 先輩強姦魔っ!」


 ユージンはブランケットに顔を押し付け、号泣する。


「あのねぇ、こっちだって初めてのドヘタクソとか欲しくもなかったし、あんたに興味もなかったの。だから泣き叫ぶのやめてくれない? 迷惑なんだけど」


「じゃ、なんでどうしてっ!」


「うっさい。お前メンドクセェ」


「ちゃんと納得出来るように説明してくださいよっ! だいたい……あ、あれ?」


 ユージンは真顔になり、顔を先輩の方へと向ける。


「なに? 今度はナニよ」


「おっ俺、なんかケツから腰が痛……あっあんた、俺にナニしたんだよ……?」


 ユージンは青ざめ、小さく震える声で言った。


 アンジェリカはその顔を数秒眺めてから息を吐き、ポツリと呟く。


「それは――まぁ、知らない方がいいんじゃないの」


 アンジェリカにそう言われたユージンはブランケットを頭からかぶり、シクシクと泣きながら夜明けを迎えた。

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