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怪談
ヴィヴィアン達と巡り合う前。
ある夏の日の夕方。自宅リビングにて。
「遥斗、ただいま~」
「おかえり」と言って、遥斗は悠真をジッと見つめた。
「ん、なに?」
「いや。お前ちょっと髪伸びたなと思って。そろそろ切りに行くか」
「そっかなぁ? でも遥斗がそう言うんなら、切った方がいいのかもなぁ」
自分の髪を指先で摘む悠真。
その仕草を、遥斗はマジマジと眺めた。
「お前さ、〈生き人形〉って話知ってる?」
「えっナニそれ! もしかして怖い話っ? なんだよ突然、そんなの聞かないからなっ。絶対聞かないからなっ!」
悠真は半泣きで自分の部屋へと逃げて行った。
遥斗はひとり残されたリビングで、ポツリと呟く。
「あいつ、自覚無いんだなぁ~」と。




