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これから親子

作者: 七草せり
掲載日:2014/05/08

突然我が子に 「あなたは、お父さんの子供ではないの。 お母さんが、お父さんと結婚する前にお腹にいたの。 お父さんの子供として

生んだ。 そして、私達は愛情を持って、あなたと、あなたの妹を育てている」


小学校高学年。男の子の我が子に対して、苛立ちを感じていた。


どう接すれば良いのか分からない。

私の心が蝕まれ、揺さぶられ。怒りを覚え。


だとしても、決して言ってはいけない事。

怒り任せにブチまけた言葉は、消える事なく

空中に漂う。


「……」


無言の我が子。

言葉は発しない。


聞かなかった事として、処理しようとしているのか。


他の質問に答える。他の言葉は発する。

しかし、その事に対しては。


触れない。


信じていない。 畳み掛ける様に私は続けた。


「あなたはお父さんに似ていないから、おかしいと思っていたの。 でも。 お母さんも分からない……。 だけど、お父さんに似てないあなた。 段々腹が立って。 我慢できない」



己の曖昧な苛立ち。ぶつけ様のない思い。

ダメだと分かっている。

確信のない事だし、言う必要などある訳ないのに。

感情に任せてしまった。


「愛情を持って」


とって付けた言葉は、虚しいだけ。


子供は難しい。

私だけなのか。


不器用で、未完成な人間が、子供を生み育てるなど、浅はかな事。


反抗期。


そんな子供に対して、どう接する?

完全な反抗期ではないが、いちいち腹立つ言動が許せない。


寛大に、心広く浮く入れられたら。

でも人間同士、ぶつかる。


私が親になり切れていないだけ。甘いだけ。


酷い言葉を言葉にぶつけるなんて、言い訳すらできない。


けれど、私も。人間だ。 余裕などない。

毎日毎日、子供の喧嘩。親の面倒。生活の不安。

自分の不調……。


人は言う。

誰しも同じ。 だから大丈夫とか。

みんなそんなもの。

でも、そういう言葉は子供に言ったらいけないよ。

親のセリフじゃないよ。



批判を受ける。


人の気持ちも……。 知るわけない。

その人の気持ちは知るわけない。



「学校行ってくる」


「自分のワガママ、 分かってる?」


「……」



さっさと用意し、学校へ行った。


逃げ場なのか?学校……。


窮屈な家にいるよりましか。


下の子は無言。

兄に着いて行く。



あなた達がお互いを批判したり、喧嘩したり、バカにしたりしなければ。


そんな言葉が宙に浮き、消えた。


誰のせい?私のせい?


でも、確信のない事を、言う必要なかった。

傷付けたかった。


私の悪意……。


それ程追い詰められていた。我慢の限界。


信頼していた親の裏切り。


立ち直る?

分からない。


素直になれない私。今日も意地悪だ。


別にせいせいとかしない。


ただ、許せない。色々許せない。


我慢しても、 爆発するだけ。

精神科的に追い詰めても、意味はないけど。



「ただいま。 宿題するね」


無表情の息子。宿題をし出す。


四時半から、習い事あるからそれまでに色々準備して欲しい。


口うるさくなる。

意地悪的に言ってしまう。


妹に対して、厳しい息子。

反発する娘。


自分が損をするのを嫌がる。

少しでも、自分が損だと思うと、激しくたてつく。

小さな事に対しても。


それが許せない私。

損とか得で、世の中生きても。きっと詰まらないよ。

犠牲になれとは言わない。でも、人に対して、自分が損になろうが手を差し伸べる人になって欲しい。


私にはないから、無いものはやはり教えられないけど。

だったら、これから一緒に学ぼう。


だけどぶつかる。



「お父さんの子供ではない」


言い切った私に対して、息子はどう感じたか。

酷い親だ。

発展途中の親子。


歩み寄る事を願う。

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