89
店の中は、モダンな雰囲気ではあるが、ナチュラルな雰囲気を醸し出していた。桧垣は、カウンターの中に入ると、そのまま奥の部屋へと入っていく。
「ねぇ、みんなチャレンジしてみない(笑)」
「何を?」
「ラテアート(笑)」
そういって、ニコッとしながら双葉はマグカップを手にしていた。
コーヒーの豆が挽かれ、ペーパーの中に入れられていく。少しずつ進む工程をじっと見つめる優奈達。
「ちょ、そんなに見られたら恥ずかしいって(笑)」
恥ずかしがる双葉に「だってすごいんだもん!」と返す葵。優奈と実理にいたっては開いた口がふさがらなかった。
数分後
カップの上に白いキャンパスが広がる。その横に液状のココアと木のスティックが置かれていく。そして、みんなのラテアート体験が始まった。カウンターで真剣な顔でスティックを動かしていく女性陣。そこに香ばしい香りが・・・
「できた~!!」
優奈の一言で空気が一変する。みんなでそのカップを見るのだが・・・
「ちょ・・・これ・・・犬?」
「違うって、猫だって!」
「うそだ~!犬だって!」
「いや猫だって!」
優奈の腕前に犬猫論争が開始されてしまった。そこに香ばしい匂いを漂わせながら桧垣がやってくる。
そして、例のラテアートを見て・・・
「お前、相変わらず・・・これなんだよ(笑)」
と言うなりゲラゲラ笑い始めた。
「いいですよ。どうせ下手ですから(悲)」
シュンとしょげてしまった優奈に桧垣は「これ食べて元気出せ(笑)」と言って、焼きたてのクロワッサンを渡した。




