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“名倉、大丈夫か?”
“お前面白い奴だな。”
“なんでそんな顔すんだよ?”
“名倉、ごめんな。俺は、その気持ちに答えられない。だから、俺のことは忘れてほしい。”
“じゃあな。また明日な。”
「先輩!」
深夜2時
双葉は、桜井との思い出とあの日の事故のことを夢で見てしまった。怖くて目が覚めると、たくさんの汗をかいていた。風呂場に行ってシャワーを浴びる。その時、ふと桧垣のことを思い出す。
“名倉・・・”
“俺・・・名倉のことが好きだ。”
「先輩・・・どうしたらいいの?」
泣きながらシャワーを浴びる双葉。気持ちが心の中でぐちゃぐちゃになっていくのを、身を持って感じていた。
その頃・・・
プルルル・・・
「は・・・い・・・」
「あ、あの・・・編集長?」
「霧島か・・・って、霧島?」
葵は、木暮の携帯に連絡を取っていた。ぎこちなく言葉を発する葵に、動揺しまくっている木暮・・・
「ど、どうしたんだ!こんな時間に?」
「あ・・・あの・・・編集長とお話したいことがあって・・・」
「話?」
「はい・・・この前のことで・・・。」
その言葉に、木暮の心臓が速いペースで鼓動を打ち鳴らすのを実感する・・・
「直接・・・お会いしたいんですが・・・。」
「直接・・・いいけど。」
木暮と葵は、この後、会うことになった。
木暮は、電話を切ると、襲ってくる呼吸困難と闘いながら少しずつ服を着替えていく。その頃、葵も身支度を整えていた。服を着替え、メイクをし・・・
件名:ありがとう
内容
双葉、優奈、実理
今まで、いろいろありがとう。
やっぱり私、編集長のことが好き。だから、今から気持ち伝えてくるよ。
桧垣先輩と加賀美さんと風馬さんにもよろしく伝えてね。
じゃ、行ってきます。
携帯から双葉達にそうメールを送った葵。送信完了の表示を確認すると、携帯電話をバックの中に入れて、玄関のドアを開けて部屋を出て行った。




