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「榊さん・・・私どうしたら・・・いいかわかんないことがあるんです。」


泣きながら、そう話す葵の様子を見て、榊は少し驚きながらも「何々?何の話?」と優しく明るい表情で葵に問いかける。


信号が青に変わり、車のアクセルを踏み込む。重い空気が流れていく車内・・・



「実は・・・編集長から“もう一度やり直さないか”って・・・」



榊は、それを聞いて動揺し、どう言葉を返していいのかわからなかった。

彼らのすぐ近くで行動していた人間だった榊。もちろん彼らの恋愛事情もほぼすべて知っていた・・・。だから、どう言葉を返したらいいのかわからなかった。



「怖いんです・・・私が恋をすれば、相手も、その周りの人も傷つけちゃうかもって・・・」



「まぁ・・・あんなことがあったらね・・・あの時は、編集部もパニックになったしね・・・私でも怖かった。誰も愛せなくなるのわかる。」



その話をしている時に、車は葵の家の下に到着。榊と葵はそのままマンションに入っていった。


家に入ると、葵はキッチンに行きお茶を用意しようとしたが、榊はそれを断った。葵は「申し訳ないです。」といって引きとめようとするが・・・

「ごめん、夕方から編集会議があるからすぐ帰らないといけないから。」ということで部屋には上がらなかった。


「葵ちゃん・・・。」


榊は、玄関で葵を呼び止めるとこういった。


「とにかく、今は木暮のこと忘れて早く風邪治すこと。それと、少し落ち着いたら、気持ちを棚卸しよう。ずっと同じことで苦しまないようにね。」


榊は出版社へと帰っていった。葵の心は、榊のその言葉ですこし軽くなっていった。そして、重く熱い身体を引きずりながら寝室のベットで眠りについた。


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