大きなかぶ ―十五の人間の悲劇―
昔々あるところに、おじいさんとおばあさんと(以下略。多すぎて紹介できない。)がいました。ある日、おじいさんが庭に出て見ると、雑草が生えていました。それを見て、おじいさんは激怒しました。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!!!庭の手入れは毎日欠かさずやれと言っとろーにぃぃぃぃぃぃ!!!!」
おじいさんは激怒しながら雑草を全て根から引き抜き、たくさんの生命力を破壊しました。
*
一月ほど経った頃、おじいさんが庭に出てみると、キノコが生えています。おじいさんはまた激怒しました。
「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!こんな所にキノコがぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
おじいさんは怒りに任せてキノコを絶命させました。
*
また一月経った頃、おじいさんは庭に出てみると、いかにも邪悪そうな株が生えていました。おじいさんはこの上ないほど怒り狂いました。
「株を抹殺せよぉぉぉぉぉぉぉォォ!!!!!」
それを見ていたおばあさんは、三月連続の激怒でとうとう頭がおかしくなったのかと心配しました。
「ぶっ壊す!!!」
おじいさんは株を引き抜こうとしましたが、邪悪なオーラに包まれて力が出ません。仕方なく、おじいさんはおばあさんを呼びました。
「おい!早く来い!」
「はいはい」
おばあさんはおじいさんの後ろに経ち、思いっきり引っ張ります。
「「うんとこしょ、どっこいしょ」」
邪悪な株は、抜けません。
仕方なく、おばあさんは孫を呼びました。
「おいてめえ早く来い!」
「うっす」
「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」
それでも株は、抜けません。
仕方なく孫は、兄を呼び出しました。
「兄者!こっち来てくれ!」
「何用だ」
「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」
まだまだ株は、抜けません。
仕方なく兄は、友を呼びました。
「おーい、ちょっと来てくれ」
「なんだ?」
「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」
株は抜ける様子を見せません。
仕方なく友は、チャラ男を呼びました。
「おーい、早く早く」
「ちーッス!呼び出してくれてさんきゅ~でぃーーっす!!!」
「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」
しつこい株は、抜けません。
仕方なくチャラ男は、オタクを呼びました。
「おーい、ちょっとこっち来てちょ☆」
「何何?新しいグッズ?しかも限定販売?行く行く!」
「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」」
株は生意気にも抜けません。
仕方なくオタクは占い師を呼びました。
「おーい、水晶はここだ」
「あたるも八卦、当たらぬも八卦」
「「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」」」
株は全然抜けません。
仕方なく占い師は、力士を呼びました。
「ここに来れば昇格できるでしょう」
「早く横綱になりた~い」
「「「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」」」」
早く抜けろよこの株めコンチクショー!
仕方なく力士は政治家を呼びました。
「おーい、こっち来い」
「我が政党は、日本をよくするための政党である!」
「「「「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」」」」」
株はいつ抜けるのだろうか。
仕方なく政治家は、SPを呼びました。
「おーい、日本のために尽くしてくれ」
「おう」
「「「「「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」」」」」」
何故だか株は、抜けません。
仕方なくSPは、ニートを呼びました。
「おいニート!いい加減に働け!」
「はーい」
「「「「「「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」」」」」」」
株はなかなか布団から出ません。
仕方なくニートはお祓い師を呼んできました。
「邪気を祓ってくれ」
「おお、邪悪なる株だ!取り付いた霊を祓わねば!」
「「「「「「「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」」」」」」」」
まだまだ株は、起きません。
仕方なくお祓い師は、巫女を呼びました。
「おーい、邪悪なる株の霊を祓うため、来てくれー」
「は~い」
「「「「「「「「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ」」」」」」」」」」」」」」
邪悪な株は、抜けません。
仕方なく巫女は、近くにいた旅人を捕まえました。
「株を引き抜いて!」
「何だよ急に!」
「「「「「「「「「「「「「「「うんとこしょ、どっこいしょ、うんとこしょ、どっこいしょ、うんとこしょ、どっこいしょ、うんとこs―――うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」
邪悪な株は抜けました。しかし、その株はあまりにも邪悪すぎて、株を引っ張った十五人の人間を祟り殺してしまいました。
「ふへへ、これで世界は私のものだ」
世界は魔王(邪悪な株)に支配されてしまいました。おしまい。