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傍観  作者: 54
第一章 崖の上の傍観者
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魔王

 XX09年、世界は謎過ぎる魔王に支配され、謎過ぎる闇に包まれたみたいになってしまった。


 勇者は、その魔王を倒すため、長い長い長い旅に出ているつもりであった。実際はどうだかわからな……くはなかった。本当に旅に出ていた。多分。


 勇者は今、金が無い。食い物を入手するため、日々、魔物ではなく警察やレストランの店員達と戦っていた。残念ながら、それらと戦っても貰えるのは罪人としての経験値だけで、人としてのレベルが下がるばかりであった。しかも金など貰えるはずも無い。それに敵(警察)は集団で尚且つ物凄いスピードで追い駆けてくるため、振り切るのは困難。毎日体力と精神力を1にして生きていた。


 ある日、勇者は一つの城を見つけた。此処に魔王が居そうだ、と、勇者みたいな勘を頼りに、城の内部を探索しては魔物に遭い、探索しては罠にかかり、と、訳の分からんダメージを受けながら、着々と進んで行っているつもりだった。


 勇者は最後の部屋に辿り着いた。此処には間違いなく魔王が居る。というか居た。勇者は果敢に魔王に挑んだ。だが、人としてのレベルがマイナス99以下のクソ人間ごときがRPGのラスボスなどに勝てるはずもなく、当たり前のように教会に連れて行かれた。


 勇者は殆ど死に掛けた状態で棺桶から抜け出し、魔王へのリベンジを計った。だが当然の如く一撃で勇者は死に絶えた。



 =====



「おお勇者よ、死んでしまうとは情けない」

 だが現実的に考えればそんな声は死んでいる勇者の耳に届くことも無く、世界は魔王によって滅ぼされた。

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