8ー3 やってみてからにすればいいじゃん!
8ー3 やってみてからにすればいいじゃん!
「それじゃ、『サク』は?あれは、どうするんだ?」
俺が問うと婆さまがぐっと顔を上げる。
「すべての責任は、わしにある!」
婆さまがかたい決意を秘めた眼差しを俺に向ける。
「わしの命を捧げて神には鎮まっていただく!」
その時!
小屋にコーザが駆け入ってきた。
婆さまのすぐ側に膝をついたコーザに向かって婆さまが冷ややかに告げる。
「なんだ?人払いを申し付けておった筈だがな」
「俺が!」
コーザが震える声で婆さまに訴えた。
「俺が、ライザを殺す!」
「ばかなことを!」
言葉とは裏腹に婆さまがコーザを見る目は慈しみが込められていた。
「言った筈だ。お前は、ライザのもとに行け。この山から遠く離れた場所で2人幸せに暮らせ」
「嫌だ!」
コーザがだだっ子みたいに婆さまにすがりつく。
「俺もライザもここから離れて幸せになんてなれない!それぐらいならライザを殺して、俺も!」
「愚か者めが!」
婆さまがびしりと言い放つ。
「お前にライザが殺せるわけもあるまい!あれは……何百年にもわたって神を封じてきた物ぞ!普通の人間に殺せるものではない!」
「でもっ!」
涙ぐんでいるコーザに婆さまは、優しく笑いかける。
「すべてわしに任せて、お前は、ライザのために生きよ。わかったな?コーザ」
コーザが鼻をすする。
盛り上がっているところを悪いと思ったが俺は、そっと挙手した。
「あの、ちょっといいですか?」
「なんだ?」
コーザが俺を睨み付ける。
俺は、びびっていたがなんとかへらりと笑いながら告げた。
「要するに『聖女の心臓』なしで神(魔王)を封印できればいいんですよね?」
「余所者が口を出すな!」
コーザが怒鳴ってくるので俺は、ぎょっとして半歩下がる。
婆さまが俺をうかがうように見つめて問いかける。
「あなた様には、それができるとでも言われるのですかな?」
「それは……わかりませんが」
俺は、おずおずと答えた。
「とにかくやってみるだけやってみてもいいんじゃないかと思うんですが」




