7ー8 これからのこと
7ー8 これからのこと
食事が終わると俺は、すっかり眠くなってしまった。
子供の体には、今日あった出来事は負荷が大きすぎる。
あくびをしている俺のために巫女たちが寝所を用意してくれた。
ふかふかの布団に潜り込むと自然と目蓋が下がる。
俺は、気絶するように眠りに落ちていった。
翌日、俺が目覚めたのは昼前のことだった。
慌てて起き出した俺にいつの間にか側にいた巫女が水と桶を差し出す。
身支度をすませると食事が運ばれてくる。
朝食は、暖かな卵粥だった。
まあ、もう、朝食という時間でもなかったんだが。
優しい味わいが嬉しかった。
そして、ゆっくりとお茶を飲んでいるとアネッサとアイダさんが入ってくる。
「どうなってるんだ?」
俺の側に腰を下ろしたアイダさんが小声で訊ねる。
「山の民が外の人間をこんな風にもてなすことがあるなんてきいたこともないんだが」
「私は、別にかまわん」
アネッサが平然と応じる。
「あやしい動きがあれば皆殺すだけだ」
俺は、ははっと乾いた笑いを浮かべる。
ぜひとも平和にいきたいものです。
俺は、2人に今までにわかったことを話した。
イームス布のこと。
精霊を崇める山の民。
俺の魔法が精霊魔法に近いと思われていることなど。
頭の回転が速いアイダさんは頷くと俺に訊ねた。
「つまりイームス布は、精霊の世界から来た植物から作られている、ってことか?」
「ああ」
俺は、頷く。
それから、これからどうするかを話し合った。
俺たちのとりあえずの目的は、アイダさんを救いだすことだったしな。
しかし。
山の民がいったい俺たちをどうするつもりなのかがわからない。
それに。
あの神、だ。
あんなもの、今まできいたこともなかった。
俺は、あの禍々しい姿を思い出して身震いした。
あれは、いったい何なのか?
精霊を崇める山の民が神と呼ぶ存在だ。
もしかしたらあれも精霊の一種なのかもしれない。
俺は、魔鏡を取り出すと問いかけた。
「あの神……あれは、精霊なのか?」
『あれは……精霊といえば精霊なのかもしれません』
珍しく歯切れの悪い魔鏡を覗き込む。
魔鏡は、続けた。
『おそらく太古に精霊界から別たれたものなのでしょうが……あんなにも歪んでしまっていては、もう、もとが何なのかもわかりかねます』




