3ー3 断罪
3ー3 断罪
「喜べ、クロウズ」
俺の父、セフィール辺境伯は、酒の入った杯を手に告げた。
「能無しのお前をこのハウエス神官長様が引き取ってくださるそうだ」
「それは……」
俺は、すぅっと息を吸い込むと下腹に力を入れ、声を張った。
「お断りさせていただきます!」
俺の返事に一瞬、広間がしん、と静まった。
そして。
間を空けて父が低い怒りに満ちた声を発した。
「この私が決めたことに逆らうつもりか?能無しの分際で!」
「まあ、クロウズにも意見はあるでしょう。ここは、最後ですもの。きいてやってはいかがです、旦那様」
ハウエス神官長の横に腰かけていた義母が扇をヒラヒラさせながら口許を緩める。
「クロウズ、薬草は、どうしました?薬草が手に入るまで戻るな、と父上は仰ったでしょう?まさか、薬草も手に入れずにおめおめと戻ってきたのですか?」
俺は、むっとしているラザニエルさんとアネッサを押さえて顔を上げるとポケットからハンカチで包んだロズスの花を差し出す。
「薬草なら、ここにあります。明日にでもローザに頼んで薬師様に渡してもらおうと思っていました」
「なんですって!?」
義母がぎょっとした表情になるが、すぐに取り繕った笑みを浮かべる。
「お前が薬草を手に入れられるわけがないでしょう?どうせ、適当に雑草を抜いてきたのでしょう?」
「いいえ。間違いなくこれはロズスの花です!」
俺は、ハンカチの上の薬草を指で摘まんで持ち上げて見せた。
「確かに、これはロズスの花のようですな」
ハウエス神官長が目を細める。
「これをどこで手に入れたのです?クロウズ」
「最果ての森の奥で見つけました」
俺が答えるとその場にいた連中がみな笑いだした。
「お前のような能無しの子供が森で生き残れるわけがないでしょう?」
「どうせ、その後ろの女たちに騙されて操られているのだろう。愚かな」
父に言われて俺は、イラッとしていた。
いつものことだ。
でも。
今の俺には力がある。
俺の前にステイタス画面が浮かび上がる。
『『下克上』しますか?』




