17ー7 復学
17ー7 復学
秋が終わる前には、ロシナンテへの教会からの正式なオファーがそれとなく俺の耳にも入ってきた。
いわく。
教会は、聖女ロシナンテを許し、その身の安全を保証するとか。
俺は、ロシナンテに訊ねた。
「教会に戻って聖女になるつもりはないの?」
ロシナンテの家族たちも教会の許しと共にロシナンテの捜索を始めた。
教会は、俺がロシナンテをかくまっていることを薄々知っていながら家族には、知らせてはいなかった。
温室での作業の合間にアネッサがいれてくれたお茶を飲みながら俺は、ロシナンテと話した。
ロシナンテは。
「私は、聖女にはなれません」
彼女は、お茶の入ったカップの温もりを味わうかのように両手で包み込んで俺に話した。
「かつて私は、聖女となるしか生きる道はないと信じていました。でも」
ロシナンテは、顔を上げて俺をまっすぐに見つめる。
「あなた方によって聖女でなくても生きることは許されているのだと知りました。私は、できるのならこのままここでアネッサ様の助手として聖女の花を育てたい。そして、多くの病や怪我で苦しむ人々を助けたい」
俺は、ロシナンテの青く澄んだ水底から射す光のような瞳を見つめて頷いた。
「わかった」
それでも俺は、ロシナンテを自由にしてやりたかった。
このまま隠れ住むような生活を続けさせたくはない。
だから。
教会に多額の寄付とともに手紙を送った。
その中で俺は、ロシナンテをセフィール辺境伯領のとある町で見つけたこと。そして、ロシナンテ自身がもう、聖女の力を失ってしまているということを伝えた。
『できればロシナンテは、学園に戻って勉学に励みたいと望んでいる』
俺の手紙が届いてからすぐに教会からロシナンテを正式に許す旨が世間に発表された。
俺は、学園に多額の寄付と共にロシナンテの復学願いを出した。
それは、すぐに受理されロシナンテは、来春から王立フロストール魔法学園に戻ることになった。
もちろん前と同様というわけにはいかなかった。
というか。
俺は、ロシナンテを俺と同じ普通クラスに編入させることにした。
ロシナンテもまたそれを望んだからな。
「私は、もう伯爵令嬢ではありませんし、聖女でも聖女候補生でもありません。ただの1人の女子生徒として学園で学びたいのです」




