16ー10 領主のパーティーへ!
16ー10 領主のパーティーへ!
『星の子』一座がクーリアムの町に来てから2週間が過ぎた頃、領主の館での講演が決まった。
「いいかね?相手は貴族。気をつけるんだよ、みんな」
領主の屋敷からきた迎えの馬車に乗り込む前に座長のヌルさんが口を酸っぱくして俺たちに言い聞かせる。
「わかっていますわ、座長」
アルフェがいつもと変わらない様子で応じた。
「私たちに失敗はありませんから」
「なら、いいんだがね」
アルフェとヌルを先頭に俺たちは、2台の馬車にわかれて乗り込んだ。
俺とラザニエルさんとアルトが後発の馬車に、前の馬車にはアルフェとヌルさんが乗り込む。
領主の屋敷ということで選ばれた役者は、4人だけだった。
俺は、どうしても俺を連れてくるようにというミリィの希望があって選ばれたらしい。
後は、ラザニエルさんいわく見た目らしい。
確かにアルフェもアルト、ラザニエルさんもかなりの美形だ。
それは、貴族が役者に接待係のようなことを求めているからだった。
「接待って?」
俺が問うとラザニエルさんがふん、と鼻を鳴らす。
「接待は接待でしょ?クロウズ君は、ミリィがいるから大丈夫よ。安心なさいな」
そこまで聞いて俺は、はっと気付く。
もしかして夜のお相手とか、そういうやつ?
「そんな……みんな、大丈夫なの?」
「大丈夫だ、クロウズ」
アルトがにっと笑う。
「俺もアルフェもそういうの慣れてるから。うまくあしらえる。たぶん、ラザニエルも、な」
そうなの?
俺は、嫌な予感に胸が高鳴る。
だいたい貴族のパーティーなんてあまり参加することがないし!
馬車が10分ほどクーリアムの町を進んでいくとすぐ目の前にレンガ造りのちょっとした要塞のように堅牢な屋敷が見えてくる。
「さあ、始まるわよ!クロウズ君」
ラザニエルさんがにぃっと笑みを浮かべる。
「聖女と『ネクタル』を巡る一幕がね!」
屋敷の前で馬車が停まる。
待ったいたらしいミリィとその侍女ロマ、それに何人かの使用人たちが俺たちを出迎える。
「いらっしゃいませ、クロウ」
馬車から降りる俺にミリィが駆け寄ってきた。
「今夜がくるのをとっても楽しみにしてたのよ!」




