14ー4 断頭台へ!
14ー4 断頭台へ!
ロシナンテの処刑は、春まだ浅い水の女神の月の最初の救済の日に行われることとなった。
救済の日というのは、要するに日曜日みたいなものだ。
その日、王都の貴族街の中央にある広場には、ギロチンが用意されてたくさんの物見だかい貴族たちから平民たちまで集まっていた。
なにしろ聖女にもっとも近いといわれていたロシナンテが断罪され処刑されるのだ。
社交の季節の終わりを飾るのに相応しい事件に王都の人々は、ざわめいていた。
「あのロシナンテ様が……」
「なんでも悪魔と取引していたんだとか」
「これでリトリアーナ子爵家は、終わりだな」
「聖女の家系だとか言って王国内のポーションを一手に扱っていたがこれでもうお仕舞いだな!」
俺とラザニエルさんは、この騒ぎを少し離れた塔の上から見ていた。
地上には、グレンアイヒとロリス、それにアネッサが待機している。
連絡用の小精霊がふわふわとラザニエルさんのもとへと戻ってくるのを俺は、ちらっと見た。
ラザニエルさんは、見つめて問いかけた。
「ほんとにやるのね?クロウズ君」
俺は、頷いた。
「みんなを巻き込んですまない。でも、こんなわけのわからないことでロシナンテを死なせたくはないんだ」
ラザニエルさんは、ふっと微笑んで俺に何か白いものを手渡す。
それは、仮面だった。
「それとこのマントを使って」
それは、青色のマントだった。
「認識阻害の魔法を組み込んでいるから。きっと役にたつと思うわ」
「ありがたい」
俺は、マントを羽織ると仮面をつけた。
武器は、短剣が2本だけ。
不意にラザニエルさんの周囲をふよふよと漂っていた小精霊が震えだす。
『ロシナンテを連れた騎士たちが到着したよ!』
ロリスの声だ。
「わかったわ!」
ラザニエルさんが答えるともう一度俺と向き合う。
「ほんとに後悔しないのね?クロウズ君」
「ああ」
俺は、塔の上から体を乗り出すと空中へと身を踊らせる。
「いちおう、婚約者だからな!」
俺は、風を切って空を飛んだ。
目指すは、断頭台にいるロシナンテだ!
待ってろ!
俺は、マントを翻して空から民衆の上空へと飛来した。




