11ー3 フロストール魔法学園
11ー3 フロストール魔法学園
「クロウズ君、フロストール魔法学園に入学しなさい!」
ある日、突然、ラザニエルさんに言われて俺はキョトンとしてしまった。
フロストール魔法学園。
それは、俺の義兄たちも通っていた貴族のための学園だ。
このアダムズ王国のほとんどの貴族の子女が通うという学園だったが俺は、興味もなかった。
なんでも卒業すれば王城で役人遣えしたり、騎士団に入団したりする道も開けるらしい。
しかし、義兄たちは、どちらも選ばず親類の商っている商会の手伝いをしている。
俺は、兄たちが学園を卒業したと同時に仕送りを止めたので母方の親類を頼ったようだ。
俺は、役人になりたいわけでもないし、騎士団に入りたいわけでもない。
だから、学園には通うつもりもなかった。
そう、ラザニエルさんに告げるとラザニエルさんがにぃっと笑った。
「知ってる?例の聖女様もフロストール魔法学園に入学するんだって!」
俺は、ラザニエルさんの考えていることがピン、ときた。
学園でなら嫌でも顔を会わさざるをえないし!
「わかった!俺も学園に入学する!」
フロストール魔法学園は、15才から入学ができるが大抵の貴族の子女は、17、8才から入学し3年かけて卒業するんだとか。
「そう思って入学試験に申し込んでおいたわ、クロウズ君」
ラザニエルさんが悪い笑みを浮かべる。
「3年かけてゆっくりと聖女を攻略すればいいわ」
魔法学園の入学試験は、新年に行われる。
俺には、ほぼほぼ受験勉強する時間がなかった。
俺の勉強を見てくれていたカイさんとラザニエルさんが満面の笑みで絶対大丈夫って言ってくれたけどなんだか心配だ。
試験は、座学の試験と実技の試験に分かれているんだとか。
俺の剣の師匠であるテイルズさんと魔法の先生であるロベルタさんも合格を保証してくれた。
「感慨深いですね」
ロベルタさんが涙ぐむ。
「いよいよ私の大事な教え子が世界に放たれる時がきたのかと思うと嬉しいやら不安やらで胸が締め付けられそうです」
俺も複雑な気持ちだ。
剣はともかく、魔法は、力を押さえる訓練ばかりしてきた。
おかげで繊細な魔力操作には自信ができた。
でも、自分の本当の力がどれぐらいのものなのかは不明なのだ。
今まで、本気で魔法を使ったことがないからな。




