雨降りの日
掲載日:2026/03/12
雨が降っている。
あたりに灯る光が、熱が、
消えていったような気がした。
水滴が肌をなぞる。
そして、溶けていく。
冷たかった。
それと同時に温かさを感じた。
鞄に忍ばせてある折り畳み傘。
それを取り出すことはしなかった。
空から落ちてくるそれを、
ただただ眺めていた。
やまない雨はないというけれど、
それはきっと、何か一つ、
これが自分だと胸を張って言える宝石があるから。
その場にとどまり続けることができれば、
いつか、雨は止んでくれる。
僕はいつも探してる。
これが自分だと誇れるものを。
僕に雨は付いてくる。
僕は雨について行く。
行く先々、
そこで見つけた石たちはいつも輝いていた。
本当は、大した石でもないのに。
雨に晒され、きらきらと。
「雨が降っていてよかった。」」」
空から落ちてくるそれを、
ただただ眺めていた。
お読みいただきありがとうございます。
雨降り模様の日は、一人でいないようで一人でいる。
不思議な感覚です。




