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第三話 心霊サークルの真実

本作は、日常の違和感がじわじわ積み重なるタイプのホラーです。

昨日、聞こえた「バン」という音......


俺は夢だと思い込んでいた。

まさか現実だったなんて......


俺が動揺していると


「おい、どうしたんだ?」

と、翔太が心配した口調で言った。


「ううん、なんでもない......」

「ちょっと驚いただけ」

と言いながらも、心臓がまだドキドキしていることに気づいた。


その後は、再びくだらない話をして過ごした。


午後になると、急な眠気に襲われ、

授業中に寝てしまっていた。


チャイムが鳴ると、俺は目を覚ました。


どうやら授業は終わったようだ。


「やっべ、ずっと寝ちゃった......まぁ、いっか」


俺は、あまり気にせず、教室を出た。


心霊サークルの教室へと向かう。


教室の前に着き、ドアを開けた。


「お疲れー」


「お、ちゃんと来たな」

「待ってたよ」

翔太が笑顔で言った。


「来ないと、また怒るだろ」

と、俺は笑いながら返した。


他のメンバーも、このやりとりを見て笑った。


そして、俺は純と目が合った。

昨日のことがどうしても気になり、思い切って聞いてみた。


「純、なんで昨日遊んでるときに俺の顔見てたんだ?」


純は、微笑みながら言った。

「お前が、みんなの顔見てたからだけど」


「あ、そういうことか......」

俺は息を吐き、少し安心した。


しかし、次の瞬間、純の目つきが鋭く変わった。

「お前も気になってるんだろ?」


その視線に、胸の奥がギュッと締め付けられ、思わず呼吸が乱れた。

「え、何を......?」


「心霊サークルなのに、心霊系のことをやらない理由だよ」


「え......」

「うん......気になるけど」


俺がそう言うと、

純は翔太を見て言った。


「翔太、もう隠すのはやめないか?」

「このまま黙ってたら、モヤモヤが消えないぞ」


次の瞬間、翔太は動揺を見せた。

手足が震えていた。


「まさか、純がそれ言ってくれるなんてな!」

信也が笑顔で言った。


「翔太、すごい震えてるけど大丈夫......?」

心が、心配そうに言った。


翔太は、一度だけ深く息を吸い、覚悟を決めた顔で言った。

「分かった......」

「話すよ」


みんなは、静かに次の言葉を待った。


「ほんとにいる」

——この学校には。


「......」


その一言で、沈黙が走った......


聞こえるのは教室にある時計の針と、

自分の鼓動だけだった。


沈黙の中、

純が最初に声を出した。


「なんで分かるんだ?」

冷静な口調だった。


「......聞いたんだ」

「誰に?」


翔太は、指をさした。


その指の先は......


俺だった......


みんなが一斉に俺を見た。


「え、俺......?」

そんなことを言った覚えは、なかった。


「なになに?どういう展開?」

信也が、楽しそうに言った。


「心霊サークルに入った翌日」

「孝也が、友達と話してるのを聞いたんだ......」

「この学校は、ほんとにいる......って」


それを聞いた心が、口を開いた。


「た、孝也......ほんとなの......?」

震えながら聞いてきた。


俺は、必死に思い出そうとした。


でも、思い出せない......


ちらっと正面に目をやった。


俺は鳥肌がたった......


純が、あの鋭い目つきで、

俺を......見ていた......


喉の奥が、ひゅっと鳴った。


「おいおい、孝也どうなんだよ?」

「黙ってないで教えてくれよ~」


信也が、笑いながら近づいてくる。


「いや......思い出せないんだ......」

「俺、そんなこと......言ったのか?」

俺は、体を震わせながら言った。


「言ってたよ!」

「......というか、あの日だけじゃない」

「いつも友達に話してるだろ!」


翔太が怒り気味に言った。


「あー!」

「確かにいつも楽しそうに話してるの見るわ!」

「でも、今日のはちょっと本気っぽかったけどな」

信也が笑いながら言った。


その横で、

純は、鋭い目つきではなく、

目を閉じたまま、口元だけが、わずかに吊り上がっていた。


それを聞いた瞬間、

それ以上、思い出そうとするのをやめた。


その瞬間、すべてが繋がった気がした。


「翔太、確認するけど」

「俺は、よく友達とそういう話してるんだよな?」

俺は、冷静な声で言った。


「あ、ああ」

「毎日のように話してるの、見てるぞ」


翔太は一瞬、言葉を詰まらせた。

俺の顔を見たまま、ゆっくりとうなずく。


俺は、我慢できなくなった。


「......はは」


「あはははははは」


翔太の必死な顔が、どうしても面白かった。


こんなに真剣に、的外れなことを言っているなんて。


その時......


俺の笑いに、重なるように。


「ぷっふふふふふふ……」


俺以外の、笑い声が聞こえた。


教室の、どこからともなく。


「え、なになに!?」

「誰の笑い声......?」

心が、怖がりながら言った。


「やっぱ......ほんとにいるんだ!」

翔太の顔がみるみる青くなっていく。


信也だけが、くすっと笑った。

「幽霊も、この会話面白かったのかな?」


俺は怖くなかった。


もう、気づいていたからだ。


その笑い声の正体に。


「笑うなら堂々と笑えよ」

「......純」


教室の空気が、凍りついた。


その名が落ちた瞬間、

全員の視線が、ゆっくりと純へ向いた。


「いや、もっと状況味わいたかったから」

「そうか、やっぱお前も気づいてたんだ」

「あぁ」


俺と純の会話に、翔太がぽかんとした。


俺は、翔太に指摘した。


「翔太、お前は勘違いしているぞ」

「この学校にほんとにいるかなんて知らない」


「え、でも言ってたじゃん......」


「俺は、普段怖い話をするのが好きなんだ」

「だから毎日のように友達に話してるだけだ」


「じゃあ俺が聞いたのって」


「ネットの怪談の一つだよ」

俺は、わざと肩をすくめながら言った


「なんだ、ただの翔太の勘違いかよ」

信也は大笑いした。


「す、すまん......」

翔太は、気まずそうに笑った


「絶対寿命縮んだ……」

心は息を吐きながら言った。


「なんか疲れちゃったし」

「今日は解散」

「じゃあお先に」


翔太は言うだけ言って、

教室を出て行った。


「あいつ、気まずくて逃げたな」

俺は笑いながら言った。


「あはは、でもずっと勘違いしてたのウケる」

信也は爆笑した。


「もっと早く言えばよかったのにな」

純が冷静に言った。


「じゃあ俺も帰るね」

「翔太と孝也には、罰として明日奢ってもらうからね......?」

「純、怖いから一緒に帰ってくれない......」


「あぁ、わかった」

「じゃあ、孝也、信也。また明日な」


そう言うと、純は心とともに教室を出ていった。


「なんで俺も奢らないといけないんだか」

俺は、ため息をついた。


「あはは、完全に巻き添えだな」


「お前は、ずっと楽しそうで羨ましいぜ」


話をしながら俺たちは教室を出る。


「でも、さすがにこれで帰るの物足りないな」


信也は顎に手を当てた。


「じゃあさ、心霊スポットにでも行かね?」

「心霊スポット?」

「そうそう、この近くにもあるんだぜ」

「え、でも実際に行くのは苦手なんだよな......」


俺は少し声を落として言った。


「ホラー好きのくせに?」

信也は笑いながら言った。


「好きでも、ネットや動画で見るのと」

「実際に行くのは違うんだよ......」


それを聞いた信也は、考え出した。


「あ、いいこと思いついた!」


そう言うと信也は、カバンの中からお守りを取り出した。


「お守り?」


「そ、お守り」

「俺の手作りだぜ!」

信也は自慢げに言った。


「え、すご!」

「お前こんな器用なんだな」

俺は驚いた。


「だろ!?」

「しかもここ見てくれ」

信也は、文字を指さした。


見るとそこには「厄除けお守り」と書いてあった。


「これを持っていると、お前を危険から守ってくれるんだ」

「願いを込めて作った」


「本格的だな」

「ありがたくもらうよ」

受け取ると、、さっきまでの不安が嘘みたいに消えた。


信也は満面の笑みをした。


「これなら、心霊スポット行けるだろ?」

「あぁ、行こうぜ」


俺たちは、心霊スポットに向かった。


「ここだ」

「これが、怖いって有名なトンネルか......」

「さ、行こうぜ孝也」


信也は、何のためらいもなく歩いた。


「待ってくれよ」

俺は、追いかけた。


トンネルの中は、想像以上に暗かった。

スマホの明かりが、闇に吸い込まれていく。


足音だけが、やけに大きく反響した。


俺は、震えながら信也の横を歩く。


信也を見ると、

笑顔ですごく楽しそうだった。


(こいつ、なんで怖くないんだよ......)


進むにつれ、体が重くなっていく感じがした。


しばらく歩いていると、信也が急に止まった。


「え、どうしたんだよ......?」

俺は、震えながら言った。


信也はこっちを振り向き、笑顔で答えた。

「行き止まりだ」


「え、行き止まりなの?」

「うん、だから引き返そう」


俺たちは、来た道を戻った。


そして、トンネルの外へ出た。


「はぁ、怖かった......」

「そうか? 怖いことは起きなかったじゃん」

「そうだけど......」

「楽しかったけどな」


信也は終始笑顔で、怖がるそぶりを見せなかった。


「じゃあ、俺はこっちだから」


一刻も早くこの場所から離れたかった。


「わかった!またな孝也!」

信也が笑顔で手を振った。


家が見えてきた。


「今日は早く寝ようかな」


家に入り、お風呂を沸かした。


風呂が沸くまでの間、いつものインスタントラーメンを食べた。


「なんか寒いし、早く風呂に入ろ」


俺は、沸いてすぐに風呂に入り、今日を振り返った。


「明日から、ちゃんと心霊系やるのかな」

「楽しみだな」


俺は、初めてサークルが楽しみになった気がした。


風呂を出て、寝室に行く。


俺は、信也にもらったお守りを思い出し、カバンから出した。


「......これのおかげ、か?」

「ん?」


お守りが一部黒くなっていた。


「トンネルの中で、ずっと手に持ってたからか?」

「擦れたのか......?」


俺は、胸の奥が、少しだけ重くなった。


「明日、信也に謝ろう」


俺は、お守りをカバンにしまい、ベッドに入った。

すぐに、眠りに落ちた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


四話目からは、もっと面白く怖くなっていきます。



次回は、きっと驚くことになると思います。


よければ続きを読んでください!

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