3級冒険者トム
「ギルド内会議の結果、
トム様は3級冒険者からのスタートとなります!
おめでとうございます!」
みなさんこんにちは、トムです。
絡んできたごろつきをサクッと倒した僕ですが、
強さが認められ、3級冒険者からのスタートとなりました。
普通は5級からのスタートですが、今回は特別のようです。
ありがたいですね。
さて、僕の当初の目的。
身分証を入手する、を達成することができました。
それでは、次の計画を進めましょう。
「リリーさん、こちらのクエストを受けたいと思います」
僕はとあるクエストを指さしました。
「えっと……え! 薬草集め!? どういうことですか!?」
ザワッ……
「薬草集めだって? 聞き間違いか?」
「そんなまさか……」
「あんなに強いんだぞ?」
「聞き間違いだろう……そうに違いない……」
「それと……これとこれも同時に受けたいですね」
「え……ええっ! 町の清掃に下水道掃除!?」
ザワザワ……
「何っ! 聞き間違いじゃなかったのか!?」
「そんなバカな……」
「雑用クエストばっかりじゃないか!」
「いったいなぜ……」
「トム様! いったいどうしてしまったんですか!?」
フフフッ……その質問を待っていたんです。
その答え……聞かせてあげましょう。
あえて、ギルドのみなさまに聞こえるように……ね。
「僕は……冒険者になったばかりの新入りです。
だからこそ僕は率先して!
先輩方のやりたがらないクエストを受けたい……
そう思ったんです」
「トム様……」キュンッ
ザワザワザワザワ……
ガタッ!
「うおぉぉぉ! 俺は今! 猛烈に感動しているぅぅ!」
「いや、アツいアツい。お前アツすぎるって」
「負けたよ、新入りには……1人の男としてな……」
「ズビッ……感動したよ……俺……」
「俺、新入りが困ったら助けてやるんだ……」
「俺も……」
「私も……」
……実は本当の目的がある、とは言えませんね……
3級冒険者として活動を始めたトム。
本来であれば5級からのスタートのため、かなり時間を短縮できたようだ。
またトムが何か企んでいる。
本当の目的とは何だろうか?




