ダンの後悔
??「クックック……あのお方の考えなど貴様には分かるまい……」
??「すべてはあのお方の手のひらの上で転がされているのじゃ!」
??「君達はあのお方を怒らせた。消えていただきます」
あの日、全世界に衝撃が走った。
あらゆる有名人が、あのお方という人物に操られていたことが
発覚したのだ……
誰も想像できなかった世界の真実。
陰謀と暗躍の歴史が今、表へと引きずり出される。
…………
「すべては……」
ー計画通りー
これは、あのお方ことダンジョンマスター、
ダン・ジョン三世が、
世界を巻き込む騒動を引き起こすまでの物語である……
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「やっぱりそうきたか!」
計画通り! 最高の気分だ!
増田ダンこと私は、ゲームが大好きだ。
15時間連続でプレイできるほどのゲーム好き。
そのおかげなのだろう。
世界的に有名なオンラインゲーム、
ダンジョンマスターオンライン(GMO)の
世界大会に出場することができた。
「勝った! 勝ったぞ!」
ついに! ついにたどりついたんだ!
そして優勝した。
世界的に見ても注目度が高い大会で優勝したことで
「ダンさん! おめでとうございます!」
「現在のお気持ちはいかがですか!」
世界中のマスコミが殺到した。
……俺は、やり遂げたんだなぁ……
ただのゲーム好きだったはずの私が、
いつの間にか世界の頂点へとたどりついていた。
「ダンさん! 優勝された今のお気持ちを聞かせてください!」
おっと、待たせすぎるのもよくないな。無難に答えよう。
「はい、今までやってきたことが今に繋がっていると感じています」
そして私は、取材に答えていったのだが……
ん?頭がクラクラしてきたな……
私は異変を感じ始めた。
「ダンさんは毎日どれほどゲームをしますか?」
「え? あぁ、15時間ほどでしょうか。昨日もそれぐらいしましたね」
「15時間!? 体調などは大丈夫でしょうか?」
心配そうに質問してきた。
「大丈夫です、慣れてますので」
そう答えたものの体の異変が強くなってきたのを感じた。
これはまずいかもしれないな……あっ……
バタッ……
「ダンさん! 大丈夫ですか!」
「しっかりしてください!」
「きゅ、救急車を呼べ!」
あぁ、私は倒れたのか。
やっぱり毎日15時間はダメだったみたいだ。
私は死ぬのだろうか……
……思い返せば私の人生はゲームだけだった。
友達という友達もいなかった……
異性にモテたりすることもなかった……
青春なんて文字も私の人生にはなかった……
けれど私はゲームが好きだから……大好きだから……
今の今まで考えることもなかったんだ、って気づいた……
あぁ
もっとゲーム、やりたかったなぁ……
世界一まで上り詰めたダン。
ゲームが計画通りに進んでいくことが楽しかったようだ。
その頭脳を活かしたプレイを、異世界でどのように魅せてくれるのだろうか?