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光が少ないところ。そして、人が一人で、もしくは極小数でいるところを走り回って探す。
さすがの私も少し息が上がる。
『あっ!』
電話口から何かあった時の声。もしかして見つけてくれたのかもしれない。
今どこに居るのか聞こうとしたけど、すぐ近くに居た。
駆け寄って、突っ立ったままの少女に声をかける。
「どうしたの!?分かった?」
「この時計、ズレてるんだ」
「時計?」
「スマホの時計は35分。この時計は5分。こんなにズレてれば修理が入るはず」
「壊れたてとかは?」
「ないと思う。だって、この時計少し揺れて見える!」