プロローグ
「はぁ、まただめかぁ」
俺は、村田宇一。25歳。就活浪人生。いままで受けた面接の数26回。
もちろん全部落ちてる。そして、今回で27回目。また落ちた。何がダメなんだろう。自分では、なかなか優秀な方だと思う。ただ、極度のあがり症なだけで。・・・そのせいで落ちてるけど。
「はぁ、帰るか」
この憂鬱な気持ちのまま眠りたくないなぁ。何か気持ちの上がることしよ。
※ ※
「ただいまぁ」
「あ。おかえり〜」
「テンション高ぇな」
こいつは、村田夏華。19歳、学生。そして、俺の妹。なのに、美少女。凄くモテる。俺告白なんてされた事ないのに。神様は不公平だ。
「また、落ちたの?」
「見れば分かるだろ」
「あはは〜!いつも通りだね〜!」
「うるさい。とりあえず飯にしてくれ」
いつも通りハイテンションで、頭に響く。もっと静かに出来ないのかな。
「これでも、静かにしてる方だよぉ。落ちた事気にしてるだろうなぁて思って」
「なぜ分かる!?」
「ふふーん、うーにぃの事がすきだからね♡」
「はいはい。ご飯どこ?」
「もぉ〜。ご飯は冷蔵庫に入ってるよ」
「ありがと。美味しくいただくわ」
はぁ、飯うめぇ。これだけは、至福の時間と言っても過言じゃない。
「じゃあ、帰るね〜。寂しくなったらいつでもおいでよ♡」
「行くわけねぇ」
こいつは、俺の住んでるマンションの1階102号室に住んでいる。
俺は、4階の407号室に住んでいる。このマンション、とてつもなく安い。なんと、どの部屋も家賃100円。その他諸々何もない。だが、人気がない。その理由は、多々ある。安すぎて怪しい、もあるが、1番の理由は、このマンションが異世界マンションと呼ばれているからだ。何故そんな風には呼ばれているか、簡単だ。変な奴しかここには住んでいないから。
俺も、妹も変な奴だ。俺は超絶あがり症。妹は、完全なブラコン。さっきのは、ものすごく抑えていた。いつもは、もっとすごい。
ーはぁ、溜め息が止まらない。
気分転換にちょっと運動してこよ。そして、寝よ、明日のためにも。また明日も面接かぁ。




