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月夜譚 【No.1~No.100】

影法師 【月夜譚No.43】

作者: 夏月七葉

 影法師には、もう一人の自分が宿るという。

 影は光があるところでは実体と共に行動し、行く先々で同じように振る舞う。それは当然のことで、「何故影が存在するのか」や「何故同じように動くのだろう」などといった疑問を抱くのは、ほんの少数だろう。

 だが、光のない場所ではどうだろう。建造物の影の中や雨の日、街灯のない夜道。そういった場合において、生き物の影は鳴りを潜める。その時、その者の影はどうなっているのだろうか。

 大きな影の中ではその影と一体になる。光源がなければそもそも影は生まれない。――そう考えるのが普通だろう。しかし、そうであると誰が証明できるだろう。自分の影が足下にない時、別の場所で何か他のことをしていないと誰が断言できるだろう。

 影法師には、もう一人の自分が宿る。密やかに囁かれる言い伝えは、今日も何処かで一人歩きをしている。


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― 新着の感想 ―
[一言]  断言は、科学的にできるけど、そうであっても良いな、そんな感じで読みました。
[一言]  ぞくりときました。もしかすると、私の影も、何処かで密やかに企みごとをしているのかもしれませんね。  ありがとうございました!
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