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この回は残酷な描写、エグい描写があります。苦手な方は回れ右でかまいません。
後、ご注意ください。
この回はだいぶエグい内容になります。
実は今から5、6年前くらいになるでしょうか。私がまだ20代だった頃です。この年の6月頃に夜中に道路を歩いていたんですが。その道の端っこに何かがとぐろを巻いていたんです。何の気なしにそいつの尻尾を踏んづけてしまいました……。そしたら、「シャアア」と声がして。右足の踵辺りをがぶりと噛まれてしまいまして。驚きのあまり、目を瞑ってしまったんですが。んで見たらそいつは鎌首もたげながら「シャアア~」と再び唸りながら側溝にジャンプして逃げていきました……。
私、そいつの正体がヘビだとはわかったんですが。それでも片手にはカバンがあったので「とにかく家に帰らなければ」と思いつつ帰宅。家には両親がいて。すぐに私は「ヘビに咬まれた」と言いました。その間にも足は痺れてくるし何だか息が苦しい。父が「お前。ヘビに咬まれるなんてどんだけトロいんや」と怒ってました。
でも、「足が痺れてきた」と言うと父の様子が一変します。「え。じゃあ、わしが送って行ってもかえってあかんな」と少し考え込み……。
「……うーむ。しゃあない。救急車呼ぶぞ」
父はそう言い、救急車を呼んでくれました。電話で症状も言い、家の門近くで救急車が来るのを待っていたんですが。私の症状は徐々に酷くなる一方でした。何せ、右足が全体的に痺れるし痛いし。うまく歩けないんです。父に手を差し出されて支えてもらうもその場にへたり込んでしまう始末で。救急車が来る頃には座り込んでしまいました。担架に乗せてもらい、いざ救急車の中へ。隊員さんにヘビの種類など聞かれたんですが。黒っぽいヘビとしか答えられません。救急隊員さん達は困惑してました。それでもとりあえず、救急車は走り出します。
その間、ご近所さんが大勢で「何事?!」と出てきていたのは後で両親が教えてくれましたが。
さて、救急隊員さんはヘビはヘビでも毒があると判断はしてくれたようで血清のある病院を電話をかけて探してくれました。けどなかなか見つかりません。その間にも私の足は毒が回るし時間は経っていきます。
……15分くらいは経ったでしょうか。やっと近くの病院に血清があると連絡が入りそちらへ向かいます。その病院に着くと夜中だったので当直医の先生と看護師さんが待っていました。担架で運ばれ、病院の中に入ります。その後、検査や処置に先生と看護師さんは大わらわです。検査がひと通り終わると処置がされますが。先生に「君、短パンで道を歩いとったやろ」と怒られました。
「……こんな夜中に短パンを履いて歩いとったら危ないで。街中よりも田舎の夜道の方が危険やしな」
処置をされながらそう注意されて。私は「今後は二度と短パンで出歩かんとこ」と決めたのでした。
処置が終わり点滴を打ってもらい。先生は父に「夜中やからわからんらしいけど。まむしと違うか思うんや。お父さんはどない思いますか?」と処置後に聞いたらしいですね。
父も考え込みつつ、「たぶん。まむしや思います」と言ってくれたとの事。それを聞いた先生はまむし用の血清を打とうと決めたらしいです。その後、血清を打ってもらい、一晩痛みと戦い?ました。
汚いですが。この一晩の間に一時間に一回は尿検査を受け、激痛と向き合いつつ、薬を飲み。そうする内に半月近くが経ちました。やっと入院して17日目に退院を許可されました。この時には足の腫れや痛みも引き、元気になっていました。この時、既に6月も中旬を終えようとしていました。両親に迎えに来てもらい、久しぶりに帰宅。
でも帰宅してからが大変でしたね。足の腫れが引かなくてスニーカーが履けず、出掛ける時はサンダルでして。夏場だから良かったですが。んで化膿止めのお薬を3カ月近くは飲み続けなければなりませんでした。その間、ずっと入院していた病院に通っていました。先生が「もうええよ」と言ってくれたのは8月も終わり頃でしたね。
今は完治して元気で過ごしています。本当に治療してくださった先生に看護師さん達、病院のスタッフさん達には感謝したいです。もちろん、両親にも。
それではここまでにしようと思います。お読みいただきありがとうございました。