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転生王女、魔法を求めます。
こうなったきっかけは2ヶ月前に遡る。
自分が転生する前の記憶を思い出したあの日ー
「つまんない…前世の記憶って一体なにに使えるのよー…この世界ゲームもネットもないし…覚えてたって暇なの変わんないじゃない…」
あれ?待てよ。
「この世界が…あの乙女ゲームなら…魔法があったはず…
そうよ。魔法があるじゃないっ!」
はい、なんとも単純明快な考えでございます。
だがそれには乗り越えねばならぬ壁がある。
そもそもこのゲームでは魔法を使うための条件が作られていないのだ。ゲーム内では一種の奇跡、または呪いとして話されていた。
そこでファンが立てた一つの仮説である。
「術者の心の傷…」
このゲームの魔法を使うキャラクターは心に深い傷がある。まぁそれを乗り越える手伝いをして友情を深めるから当たり前っていえば当たり前…
それよりも、だ。
「私に心の傷ってあるの?」
それが一番の問題だった…