僕は君の感情を全てコントロールする。
『私はこの人! 大大大嫌い!!!』
突然、言われた男性は物凄い動揺をしてその場から立ち去った。
彼女の名前は 『桐岡 ルカ』現在22歳の彼氏募集中の大学生。
そして僕は彼女の感情を全てコントロールする操縦士だ!
僕の名前は 『ブレイン』
【本部は彼女の脳にある。】
あぁ! 先の話が何故? こうなったかと言うと......?
以前から、先の男はルカの事が物凄く好きだったらしい。
そして...あの男から告白された。
しかも!? 人だかりが多いところで告白されたのだ!
そこには、ルカがずっと好きだった男性もいたのに......。
この男! ルカの気持ちも考えずいきなりこんな事を言ってきた。
『俺、ずっとキミの事が好きだったんだ! キミを幸せに出来るやつは
俺しかいない! キミの相手に相応しい男は俺なんだ! だから当然の
事だと思うけど...キミは俺と付き合う運命にある! こんな素敵な事は
ないだろ~ 俺には自信があるよ~ キミをずっとこの先、好きでいる
自信をねぇ~! キミは俺を選ぶべきだ! 他のやつにはキミには釣り合
わないよ~ さあ~俺と一緒に行こう!』
その後、ルカに向かって手を差し伸べてきた。
好きな人なら未だしも...コイツは絶対ない!!!
だから、とっておきの一言をコイツにぶちかましてやったんだ!
そしたら...? コイツ焦ったんだろうな? まさか!? そんな答えが
返ってくると思ってなかったのか......?
冷や汗がドバっと出て動揺も半端ないし! そそくさと立ち去って行ったよ。
ルカは、キョトンとしていたけどな~ まぁ本人の意思で言ってないし。
何より好きな人がそこに居たんだから。
真っ先に、ルカの目線がそこにいっていたのを僕は見逃していないよ。
あのね? 僕だってルカの事、オモチャみたいに好き勝手に弄ぶみたいな
事したい訳じゃないよ~!
ちゃんと、ルカの気持ちも汲み取って大切に考えている!
だからこそ! あの場で相手の為にも断った訳だし......!
勿論、あのやり方で良かったのかは...僕にもわからないけどね?
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じゃ~ 何時から僕がルカの感情を全てコントロールするようになったのか?
それはルカが5歳の時だった。
もともとルカは 『優柔不断』ではっきりしないタイプだったんだ。
だから親からも友達からも凄く言われていたよ。
【親からは】
『ルカ! ハッキリしなさい! 何故? あなたは自分で決めれないの?
本当に優柔不断な子ね!!!』
【友達から】
『ルカちゃんハッキリしないし、優柔不断だから~ きーらいー!!!
ルカちゃんなんかー何処か行ってよ~! 仲間に入れてあげない!!!』
僕は元はルカの中に居たんだけど...? あんまりにも周りの人たちから
酷い事を言われているルカを助けてあげたいと思った。
そりゃ~ それがいいのか? 悪いのか? 僕には正直分からないけど?
ルカの為なら何だって出来るよ。
僕もルカの一部なんだから!
だからどんな事があっても、ルカの好きな人と上手くいかせるよ。
あんなに誰かの事を好きになるルカは初めて見たからね。
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でもまさかの展開に......!?
ルカの視線の遠くで、ルカの好きな男性と彼女らしき女性がイチャイチャ
しているのを見てしまったからだ。
ルカはその後、コンビニに寄って食べ物を爆買いして家に帰り部屋で
ひたすらに食べまくっていた。
何もせずにしてフラれたようなものだ!
それからと言うモノ...ひたすらに食べに食べてイイ感じにぷっくらと
した頃、1人の男性と出逢う。
でも、本当は彼がルカにとっての 『運命の人』だった。
彼とは、スムーズに告白→付き合うとまぁ~ 今では...?
本当に幸せな生活を手に入れている。
実は彼? 『少しぽっちゃりさん』 が好きとかでルカがタイプだったらしい。
『ルカ、本当に良かったね!』
僕の役目も...これで終わりだ。
最後までお読みいただきありがとうございました。