08 やっぱりお前だろー死神、早く俺を殺してくれよ!!
・・・・そこには大きな橋があった。その橋を渡った、先には別の町があった。
その町には、赤いじゅうたんに人が乗っていて、そのじゅうたんは空に浮く物だった。
それに、その町の人達が乗って町中を飛び周っていた。
それを見た俺は、どうしてもその町に行きたかったので、その町を目指していた。
だけど、その橋は遠い所にあった。俺は、海の砂漠にいた。その砂漠を駆けて行こうとしたが足が前に進む事が出来なかった。そして、
その足が何だか沈んで行ったので・・・なぜだろう?・・・と思い下を向いたら、そこは辺り一面沼になっていた。
そして俺は、沈まないよう足をもがいていたが、更に沈んでいった。それでも、もがいていたが沼が手の所まで来て、肩とか首まで沈んで行き、もうダメだと思いながらも、もがいていた。
そして、顔まで沼に沈んでたので苦しくなった、
だけど、なんだか楽になった気がした、・・・・俺は急に目を見開いた・・・・その横には死神がマジマジと、俺を見ていた。やっと俺は、死ねたのか?
辺りを見わたすとそこには、真っ白の壁と水色のカーテンがある病室だった。俺はベットの上に眠っていた。そして、左腕の静脈に針がさされていた。そしてその、針についているチューブで赤い血を、その腕に送っていた。
それを見て死神に言った。
なんで俺を死なせなかったんだよ?
俺は楽になりたいんだよ!!
もう嫌なんだよ、この世界にいる事が
・・・そして自然と涙が出てきた。
何で俺が死ぬ事を止めるんだよ!!お前死神だろー!!早く俺を死なせてくれよ!!
「命があるだけでいいじゃん、ぼくなんて、もう命は、ないんだよ。」
「そうやってまた俺をじらすのか、たち悪いぜ!!」
俺は、またこの死神に死の悪戯をされた事を根にもった。そして、お袋や姉貴に、自分がこういう状態と言う事を知られたくなかったので、死神に俺が病院にいるっていう事をお袋と姉貴には言うなよッと念を押して言った。死神は、その話しを聞いて軽くうなづくだけだった。
数分経って看護婦が俺の意識が戻っているのを確認するかのようにやって来た。
「大丈夫ですか?意識が戻られましたか?」
と聞かれたので俺は、「はい。」と頭を上下に揺らした。そして、その看護婦が今から先生を連れて来ますのでと言い、その場を離れた。そして、医者がやってきた。
その医者は、頭中白髪だらけの年老いた、年配の人だった。そして、
重々しく俺の顔を見て言った。
「君、自殺したかったの?」
俺はあまりにも唐突過ぎた言葉だったけど、すんなり首を縦に振りうんと、うなずいた。
「そうか、何か悲しい事があったの?」
優しい口調で医者が聞いてきた。俺は答えるのに困ったけど、
「この社会が悪いんだ。」とだけ言って後は、もう何も言わなかった。
そして、医者が親に報告しないといけないね。と言っていたので俺は慌てて親にだけは、話さないで下さいと必死になってお願いした。でもその医者は、こういう事は、また繰り返すからと言ってちゃんと親とも話し合わないといけないと言った。
それでも俺は、言うのを拒んで黙って口を閉じ喋るのを、自ら止めた。