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18 もろタイプな自殺希望者 

 今日の空は恐ろしいほどに澄み切っていた、雲一つなく真っ青な空は所々ビルに隠れていて、その青さを失わせていた。

俺は、ずっと上を向ていて、(何てこの世は、平和なんだよ。)と

小さな声で呟いていた。それと同時に心の中は、一寸の闇で覆い隠されている何故?こんなにも差があるのだろう。

人1人の生き方は、全然違うし生まれもって環境が違えば裕福の度合いも変わってくる。ボンボンのヤツが英才教育を受けて、良い大学に行かせてもらえれば人生も何かと変わってくると思う。そう

考えていると・・・駅の中からまばらに人が次々と出て来た。すると。・・・ポケットの中に入っていた、ケイタイ電話のバイブが作動した。

スグにケイタイのメールをチェックすると、〔今、駅の外に着きました。〕と言う文章が打たれていた。

(確か赤いチェックのカバンに水色のスカートをつけているんだったなぁ)

そう考えていると、駅の少し遠くの入り口に一切目立つ、中くらいの赤いギラつかせた。カバンを持っている女性が姿を表した。

俺は、とっさに手を上げた。すると、その女性は、ニッコリと笑顔を浮かべた。一瞬、心がドキッとくるのが伝わった。(モロ俺のタイプじゃん!!)心が

かなり動揺していた。すると彼女は柔らかく優しい口調で喋りかけてきた。

「小倉さんですか?」

俺はあまりにも心がドキドキしていたので喋る拍子を失っていた。少しの間、ま

があいた、が

それを無理矢理にも修正し立て直し、紛らわすように会話を続けた。

「それじゃあ行こうか。」

「はい。」

そう言うと俺たちはレンタカーで借りた軽自動車へと歩きだした。

車が走り出したと同時に彼女は

「くしゅん。」と

小さく可愛げなくしゃみをした。すると彼女は、恥ずかしそうに頬を赤らめ、ごまかす様に言った。

「誰か私の噂をしてるのかな?」

「そうかも知れないね。」

俺は彼女の言葉に合わせていた。すると、

段々と緊張が解けて、会話が続くようになっていた。

「まだメシ食べてないでしょう?どっかで食べようか。」

そういうと、ここから近いファーストフード店へと立ち寄る事にした。

店内に入ると、それなりの数の客が列になってレジ前へと並んでいた。

「チョット混んでるね。」

「そうですね。」

そうこう話してるうちにあっという間にレジ前で並んでいた、お客さんの数は減っていた。多分、彼女と話していてるうちに過ぎる時が一時的に早く感じられたのだろう。俺たちは、注文したハンバーガーのセットを取り少し遠くの席へと座った。

車の中ではあまり見られなかった。彼女の顔を真正面から会話をしていたので俺は、堂々と見ていた。

(まじカワイイな。)

俺は何だか心移りしそうで、たまらなくなったが、彼女を見ていると、何だか今からこの人と必ず死なないといけないという使命感が脳裏にこびりついていた。

「小倉さんの趣味って何ですか?」

「趣味か、う~~ん?」

正直、何も思いつかなかった。というより無いというに等しかった。

(学生の頃テレビゲームやら何やらしていたが、今は、AV鑑賞って言うにもいかないしな。)

「なんでも良いんですよ、家の中でやっている事とか、それかやってみたい事とか。」

「家の中で・・・・か。」

「何かありませんか?」

「う~~ん・・あっ!?子供の時ならケーキ丸ごとワンホール食べて見たいなぁと思う事は、あったけど・・・まぁ気がついて、大人になったら、結局は、やらずじまいで終わってしまったな・・・」

「そうですよね、子供の時思っていたことって、大人になればなかなか出来ないですよね。」

「あと、子供の時って対戦カードゲームあるでしょう。2人で勝負する、それで、相手が強いカード持っていて、やられちゃうんだよ。だから、もっと強いカード欲しいなって思うんだけど、お金が無くって買えないんだよね。」

「はぁ。」

「だから、思うんですよ大人になったら絶対大人買いするんだって、でも、結局できないんだよなぁ大人買いって・・・あれって何なんだろうなぁ。」

「う~~~ん私も分かる気がします。人形の着替え服とか、あれも買いたい、これも買いたいと思うんですけど・・。」

「そうそう、結局大人になると、一体あれってなんだったんだろうって思うんだよね。」

「そうそうそう。」

そう話していると多分、周りのお客さんは、俺たちの事を普通のカップルだと思うだろう。とても、今から自殺しようと企ててる者だとは、思わないだろう。でも、

実際は内に秘めた暗闇が光を遮断しているのだ。

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