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11 死神がエリをおちょくる死神はいたって、そう言うツモリではないんだが 

 たかしの母は、住宅街から街に出て駅から数分歩いた先の少し大きめの本屋でパートとして朝の7時半から夕方の4時半まで働いていた。フルタイムで働かなければ最低限の生活は保護できないのだ、

たかしの母は、売れた本のリストを手に取り台車に数種類の売れた本を載せて、本棚に補充そしていた。

その時、お客さんに(虹色の玉)と言う舟木一雄が書いた、有名な小説が無いか?と訪ねられた、そして、急いで本棚を調べたが見当が見当たらなかった。

そして、お客さんにもちょっと待ってくださいねと言って裏の倉庫に行って探したが、見つからなかった。そして、

そのお客さんにちょっと在庫も無いですねと言うと、そのお客さんはどこの本屋を探しても無いんですよねと言っていた。そして、それならば、注文をした方がいいとお客さんに説明して、お客さんも、どこの店にも置かれていないのならばと、その注文にのった。


 たかしの母が淡々と仕事をこなしていると、少し不審な人がいた、その人はやけに静かな足取りで、辺りをすごく警戒している様に思えた。それで、その人の動向を隠れて見ていると、手に取った本を自分のバックの横につけている感じがした、たかしの母は、確信して、その人は、万引きをすると思い、急いで店のチーフにその事を言った。

そうするとそのチーフは、その挙動不審の男を店から出たのを確認して一気に、その男にちょっと待って下さいと言い店の中の事務所に呼び出して問いただした、

「あなた店の本を取ったでしょう!?ここに取った物を出して下さい。」

と言った、でも男は、おどおどしながらも、店の本は取っていないと言い張って、それじゃあ見て下さい、良いですよと震える声で言いカバンの物を全テーブルの上に出した。

そこには、本らしき物は一切入っていなかった、それを見たチーフは、少し黙って勘違いでした、すいませんと言い、その男の人に謝った。

そして、その挙動不審の男に、頭を深く下げて、店の外まで送り出した。それを見た、たかしの母は、そのチーフにどうでしたか?と言ていた、するとチーフは、少し不機嫌そうに人を見かけで判断したらいけないと言いたかしの母を注意した。

それでも、あの時の光景を思い出し、本をカバンに入れたようにしか見えなかったと思ったでも、それだけで人を判断するのも悪いなと思った。そして、仕事を終え帰り道。少し考えながら道を歩いていたら、

「おかあさ~~ん!!」と呼ぶ声が聞こえて来た、前を見るとそこには、死神と呼ばれている子が愛着のある笑顔で大きく手を振って合図を送ってきた。それを見たたかしの母は、何だか肩の重荷が抜けたように、心を落ち着かせた。そして、作りかけた笑顔でこう言った。

「あら、ボウヤ私を迎えに来てくれたの?」

「うん。」

死神と呼ばれている子は軽くうなづいた、そしてたかしの母は、不思議そうにいった。

「でもどうして、私がいる場所が分かったの?」

「目をつぶって考えたら何でも分かっちゃうの。」

そう言うと、死神と呼ばれている子は、たかしの母の手を取り、喜び一緒に街中を歩いた。


 家に着くとたかしの姉が不機嫌そうにリビングの椅子に手を組みながら座っていた。そして、

死神と呼ばれている子に指をさして自分の母に言った。

「もうこの子最悪なのよ、この前の夜のディナーも台無しになるし、彼のプライドに傷をつけるし!!もうどうにかしてよ!!」

「エリ僕の事嫌いなの?」

「そうよ当たり前じゃない!!幽霊のようにどこからも出て来るし、もううんざりよ!!」

たかしの母は死神と呼ばれている子をかばうようにして言った。

「エリやめなさい、この子がかわいそうじゃない。」

「だって~~私の身にもなってよ!!」この子を早く近所に返してよ、どこだか分からないけど。」

「どこだか分からなくないよ、僕は子の家の子だもん。」

「また訳の分からない事を言う、それじゃあ話は変わるけど今度からは絶対、私と彼の前には顔を合わせないで!!分かった!!」

「う~~~ん、イヤだ、だって、おもしろくないんだもん。」

「何よそれ!!私の事オチョクってるの?」

それを聞くとたかしの母は、なだめる様にして2人に言った。

「二人とも、もう止めなさい。」

「たかしは、どうなってるのよ、アイツが連れてきたんでしょ、この子を・・」

「そう言えば最近たかしから連絡ないわよね・・・携帯に電話しても繋がらないし。」

「どこにいるのアイツ、あなた分かるんじゃない?」

たかしの姉がそう言うと死神と呼ばれている子は、考えるようにして口を閉めた。

その様子を見ると、たかしの姉が勘付いたようだ、「ちょっと!!あんた、アイツがどこ、にいるか分かるんでしょう!?」

と死神と呼ばれている子は、たかしが(俺が病院にいるっていう事は、お袋にも姉貴にも言うなよ。)

っという事を思い出して「う~~~~ん。」と言いごまかした。

「何よそれ、もうバレバレよ、あんた本当はしっているんでしょう。」

直そう言われたが、死神と呼ばれている子は、完全に口を閉じるだけだった。

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