01 自殺ってやっぱ怖い
俺はいつの間にか歩道橋の手すりの部分に中腰で立っていた真下には電車が走っている。怖いよ、
怖いよ怖いよ。震える体が手すりに伝わるように俺は心から湧き出る小さい声で念仏を唱えるように繰り返し言い続けた。
そうして痛いだろうな。怖いよ。と声が混ざるようにして、その言葉を唱え続けた。
その時誰かの声が聞こえてきた。
「痛いよ、命が途切れるのは。」
俺は横を振り向いた・・・・死に・・・が・・・み・・・。
俺は驚いて足が滑って歩道橋から落ちて気を失った・・・・軽く目を開いた・・・ぼんやりとした空気が次々と目の中に入り閉じそうな半開きの目を無理矢理、開き周りの様子を見た。どうやら
歩道橋の内側に落ちたらしい・・・すると突然
横から黒い物体が伸びてきた。
「死神!?」
さっき見た死神が俺の左側でしゃがみこんで、こっちをマジマジっと見ていた。その死神は、6,7歳位の体をした子供の姿をしていた。
「俺!!死んだのか!?」
「しんでないよ。」
「だって俺、死んだんだろう。」
「しんでないってば!!」
俺は死神に自分が死んだのか問いかけ続けていた。
「何で!?俺死なないんだよ!!俺死にたいよ!!楽になりたいよ!!怖いよ!!お願いだよ!!死にたいよ!!」
俺は自然と涙が出てきて震える体で死神に自分は、死にたいとお願いしていた。だけど死神はこう言った
「たかし帰ろう。」
日が落ち辺りは暗くなっていた。街の灯が映えると同時に、たかし達は住宅街を歩いていた。
そこらじゅうから食欲をそそる美味しそうな匂いがして来るそして、その一角の2階建てのアパートの1階の奥から右に2番目のドアの前に立ってたかしは、その家のベルを押した。
「あれ?たかしじゃない珍しい2回連続で来るなんて、昨日も来たでしょう。」おう
とたかしが返事をしたが、それをかき消すかの様に
「おかあさん!!」
と死神と呼ばれる子が返事をして、たかしの母親にしがみついてきた。
「あらまぁ~この子どこの子?たかし。」
「死にが・・・いや~何か知らないけどついてきた。」
「ぼく~~どこの家の子なの?」
たかしの母親がその死神と呼ばれている子をなだめるようにして言った、そうすると死神と呼ばれる子がたかしの母親の目をハッキリと見て
「おかあさんの子、ぼくお母さんの事好き。」
と言ってしっかりと、たかしの母親の体を抱きしめた。
「何か不思議なんだよコイツ俺の名前も教えてないのに分かってたんだぜ、もしかして近所の子じゃね?」
と、たかしは言った。そして、更に目を丸々として、こう述べた
「それに変なんだぜ!!俺の事を弟だって言うんだぜ。」