表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

死にたいがこわい

作者: きょうり

死にたい。


そう思うと怖くなる。息が苦しくなり、体がこわばる。不快と感じる。


不安になるのは、臨戦体制がとけないから。怖いものを素早く察知し、いつでも戦ったり逃げたりできる状態にする。この臨戦体制で気のせいだと確認できたら、恐怖をとくことができる。確認ができないととくことがむずかしい。いわゆる不安の状態に。


じゃあ、死にたいと思うのが怖いってどういうことだろう?


死にたいと思うべきではない。そういう価値基準があるならば、死にたいと思うことすら、いけないこと。生きたくても生きることが難しい人がいるのに、なんて贅沢でわがままなことか。それとも、人生はもっと楽しいことがあるのにそんな悲しいこと、言わないで。他の人と比べてあるいは将来と比べてはかる価値。勝手に比べて、批難された気になるのがこわいのかな。


不思議だよね。死にたいの前提は絶対に将来生きていることだから。


ん?死が怖いんじゃなくて、生きるのが怖いのかな。いや、ちょっと違うな。ある精神状態だと、死を望むと楽になる。でも、それはずっとではない。死を望むと辛くなることもある。自分は将来生きていると根拠のない思い込みのもと、解けない悩みもどきを抱え込んているのか。死にたいと思うのは悲観的というより、生きているとすごく自分を信頼してる状態なんだね。


ふと死にたいと感じる。それ単品ならば、不快だけど怖いとまではいかない。じゃあ、もし、死にたいと感じてしまうことを許容できなかったら?


すでに感じたことをなしにする。できない。そっか、死にたいと思ったか…ま、いっか。それが理想になるのかな。できるわけないといううちからの反発が強いけど。死にたいと思っても怖くなければ、そんな自分でも笑えるのかな。そうだねえ、死にたいへ反発しまくった。コントロールできないことをしようとして、もっときつくなったけど。


五分間だけ死にたいと思っても、こねくり回さないと制限かけてみようかな。そうして実感すれば、得体のしれない怖さなら減るかもしれないし。…幸せでも怖いことってあるのかな。幸せでも死にたいって思うのかな。そうなら、少しはそんな自分を許せるのに。


死にたいの怖さは、その感情があることを見て止めて、付き合い方がわかんない、対処法のわからなさ。かもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ