第3話
今回はちょっとHな感じが入ってきます!
隼人とラズの繰り広げるドタバタコメディー第3話お楽しみ下さい!
…
授業が終わり、帰宅時の事だった…。
「皆!プール行かない?」
友哉の突然の提案だった。
「…季節無視?」
…鋭いツッコミだな…菜穂。
「違うって!室内の温水だよ…。このメンバーで行こうぜ!」
「友哉は下心ありそうでこわ~い(笑)」
ラズが菜穂の後ろに隠れながら笑った…。
「んなことねぇって!」
「まぁいいんじゃない?ねぇラズちゃん!」
「楽しそうだからあたしはいいよ!…隼人は?」
「僕もいいよ。いつにする?」
「明日は土曜だから、明日でいい?」
友哉が確認をとると、菜穂は
「オッケー!可愛いの用意するね!」
「僕達も大丈夫。」
「何勝手に決めてんのよ!…まぁ予定はないけど…」
…ラズも納得してくれた。
「よし!明日このY字に集合な!」
僕とラズは今、水着を買いに、近所の大型スーパーに来ていた…。
「どれにしよっかな~」
ラズは楽しそうに水着を見て回っていた…。
僕としては、一刻も早くこの場を抜け出したい…。
一応水着コーナーだったから男性用もあるわけだが、ここは女性用コーナーで…。
周りの視線が突き刺さる様に痛かった…。
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、ラズは笑顔で聞いてきた…。
「ねぇ!どっちがいい?」
片手には紫色のパレオ、もう一方は黒色に白色のラインが斜めに入った水着だった。
「ぼくは白黒の方かな?」
「…ふ~ん」
ラズは駆け足で走っていったかと思うと、すぐに戻ってきた…。手には白黒を持っていた。
「はい!これで!…別にあんたの好みに合わせたんじゃないから…」
…顔が赤くなってる…。
「早くレジに並んでよ!」
僕はレジを抜けて、ラズに水着を渡した…。
ラズはレジ袋を覗き込むと嬉しそうに笑った。
「それじゃあ帰るか!」
「うん!」
時刻はすでに、20時を回っていて、暗くなっていた。
僕はふと空を見上げた。
「今日は新月か…」
辺りを見ると、ラズはいなくなっていた…。
「…あれ?ラズ?どこだ!?」
僕は声を上げて探した。すると、
「うるさい!!!」
ラズがいた…。スーパーの出口に、しかも僕を睨んで…。
「そんなに大声で名前呼んだら恥ずかしいじゃない!あんたバカ!?」
…必死になって探したのに…。
「…ごめん」
僕は謝っていた。
「まぁいいわ…。早く帰ろ!」
翌日、僕達はY字に集まって近所の温水プールに向かった。
「わぁ~~!」
ラズが一番に声を上げた。
ここはウォータースライダーや流れるプールなど、アトラクションも多彩だった。
「じゃあ皆着替えてからもう一度集合で!」
友哉は張り切っていた。
「ラズちゃんどんな水着だろ…?」
友哉はやはり下心があった。
「暗い目のデザインだぞ?」
僕は冷静に言った。しかし、友哉は逆に熱くなった…。
「何っ!?…もしかして隼人が…選んだ?」
「…ああ」
「何で呼んでくれなかったんだよ~~…」
友哉は膝をついて泣き出した…。
…端から見れば引くよな…これは…。
「あんたたち何バカやってんのよ!」
…うわっ…。
菜穂は、赤色の水着にTシャツを着ていた。透けてエロさが際立っていた…。
「ラズちゃんからも何か言ってやって!」
後ろから隠れるようにラズが顔を出した…。
「…バカ…」
ラズは呟くように言った。
「それじゃよく聞こえないよ!ほ~らっ!」
菜穂に押されて、前に出てきたラズは顔を赤くしていた。
「あんまりジロジロ見ないでよねっ!!!」
「かわい~~~!!!…うわっ!」
…ドボンッ!!!
友哉が暴走しかけたから、プールへ突き落とした…。
『ご友人をプールへ突き落とさないでくださ~い』
と言う注意を受けた…。
「そ~れっ!!!」
菜穂が後ろから飛びついてきた…。僕の背中にはラズよりも大きいアレが当たっていた。
「…ちょっ!当たってるって!!!」
「ん~?何が?」
僕は落ちるまいと必死に堪える。しかし、バランスを崩してプールへと落ちる…。
…ドボンッ!!!
「…プハッ!いきなり何すんだ!!」
僕は溺れそうになっていた。
「そう言わないでよ!気持ちよかったでしょ?」
「…まぁ。否定はしないけど」
「隼人!何デレデレしてんのよ!!!」
ラズの飛び蹴りが飛んできた。避ける術は今の僕にはなく、まともに食らった…。と思ったがいつまで経っても痛みはない。恐る恐る目を開けると、友哉がラズに抱きついていた…。
「かわい~~~!」
…こいつ…頬を擦りつけてやがる…。
「や~め~て~~!」
ラズは不意打ちを食らったせいか力を発揮出来ていなかった…。
僕は友哉をラズから引き剥がし、…沈めた…。
「やめっ…溺れ…るっ…」
頭を沈めたり上げたりを繰り返す…。
僕は久しぶりに優位に立って楽しんでいた…。
「もうしない?」
「しな…いから…やめてっ…」
…許してやるか。…一応助けてくれたし…。
「この後はどうするの?」
菜穂がラズの頭を撫でながら聞いた…。
ラズは涙目になっていた。
「…あれに乗るか?」
僕が指を指したのはウォータースライダーだ。そこそこ高い位置から一気に滑り落ちていた。
「楽しそうね!行きましょ!」
「それで誰がペアになる?」
僕達はペア分けに悩んでいた…。
ここのスライダーは2人乗りになっていた。
「…ジャンケン?」
友哉の提案…。
「…雑過ぎない?」
菜穂のツッコミ。
唐突にラズが切り出した。
「あたし、隼人と組んでもいいよ!」
「…えっ?」
僕達2人は呆気にとられた。
どういう事かいち早く理解したらしい菜穂は、
「じゃあ友哉と組むわ!」
笑顔で友哉と腕を組む。
「え~っ!ラズちゃんが…」
友哉はまだ心残りがある様だった…。
「…何か言った?」
菜穂が冷たく言い放つと友哉は黙ってしまった。
「さあ、早く行こ!」
ラズは僕の腕を引っ張って行った…。
「…結構高い…」
横を見ると、足がすくんでいるラズがいた…。
「…止めとく?」
「やるわよ!やればいいんでしょ!?」
「無理してやらなくても…」
「大丈夫って言ってるでしょ!?」
「あの~…。どうなさいますか?」
係員が困り果てて、声をかけてきた…。
「…じゃあ、この子もお願いします…」
「わかりました!それではいってらっしゃい!」
店員が後ろから勢いよく押す…。
…思ったより速いな…。
そう思っていると、後ろからラズがしがみついてきた。
「…好きで…掴まってるんじゃ…ないからねっ…」
声を震わせながら言ってきた…。
…バシャーン!!!
その直後に僕らは水の中に落ちていた。
「…結構速かったな…」
僕は驚きながら言うと、
「あんた何てものに乗せるのよ!」
ラズは泣きそうになりながら言ってきた。
僕はその姿に少しだけドキッとしてしまった…。
「キャーーー!!!」
「わぁ~~!」
いきなり男女の悲鳴が後ろから聞こえてきた。振り返ると、浮き輪に乗った菜穂と友哉だった…。
「…凄かった!もう一回乗ろうよ!!!…あれ?…友哉?」
「…もう…無理…」
テンションの上がっている菜穂と一方でテンションの下がり気味の友哉だった…。
「次はどこ行こっか?」
もうハイテンションと言っていいほど、上機嫌な菜穂が言った。
「…もう休憩したい…」
…珍しく友哉とラズの意見が一致したな…。
「じゃあ昼時だし、飯にでもするか!」
…僕らは昼過ぎもはしゃいで、結果、家に帰ったのは夜遅くになっていた…。
〈更新について〉
この物語は定期更新でやっていきたいと思っております。
更新のペースは、
[新しく更新して3日後の午前4時]で考えております。
[夜月]をお読み下さっている読者の皆様よろしくお願い致します!
※更新が遅れる場合もございますが、ご理解とご了承の程お願い致します。