第1話
読者の皆様こんにちは!
今回の作品は作者にとって初めてのツンデレ要素とロリコン要素を取り入れてみました!
上手く描写出来ているか分かりませんがお楽しみ頂けると幸いです。なお、感想・意見の方も頂けると嬉しいです!
それでは[夜月]をお楽しみ下さい!
僕は夜道を自転車で走っていた。
ふと、夜空を見上げる…。
「今日は満月か…」
するといきなり後部座席が重くなった。
後ろを振り返ると青色の長い髪をした少女が座っていた。
「遅い!もっと早く走って!」
少女は僕に言った。
―これが少女との出会いだった
部屋に朝日が差し込み、僕は目が覚める…。
ベッドから体を起こそうと体に力を入れる。しかし、体は起きない。
不意に頬にフワリと温かい風が当たった…。
横を見てみると、可愛い寝顔をして少女が寝ていた…。
「…んっ」
少女は体を起こし、周りを見た…。すると、みるみるうちに顔が赤くなっていくのがわかった。
恐らくこの状況を理解したんだろう…。
少女は空気を思い切り吸い込むと、
「キャーーー!!!」
そう叫びながら、少女は腰まである長い髪を揺らしながら僕の部屋を出ていった…
朝から女性の金切り声を聞いた僕は頭がキンキンしていた…
僕は[海灘隼人]。珍しい名前と名前とよく言われる…。年は14歳の中学生。
そしてさっき部屋を飛び出していった少女は[ラズ]というらしい。年は恐らく10代前半。
僕は着替えると、1階へ降りた。 キッチンへ向かうと、箸を手にして待っているラズがいた…。
そしてラズは僕を睨んでいる。早く飯を作れとでも言いたげに…。
僕は簡単に料理を作ると、ラズが待つ食卓へと持っていった。
「遅い!」
…開口一番にそれかよ!
「まぁいいわ。いただきます!」
ラズは笑顔で食べ始めたので僕はコーヒーを啜った。
「ラズって何歳?」
「11だけど…」
「飯の後はどうする気?俺は学校だけど…」
「…学校?」
「そう。色んな人が集まる所で、勉強だったり遊んだり…」
「…あたしも行く…」
「…えっ?」
「あたしも行くって言ったの!」
僕達は並んで中学校へと向かっていた…。
「本当に行く気かよ…」
「当たり前でしょ。あたしが行くって言ったんだから!」
僕は学生で当然制服だけど、ラズは桃色のタンクトップに黒色のショートパンツという格好だったから目立つのも無理はない…。
「何であたし周りからあんなにじろじろ見られてるの?」
「当たり前だろ?制服と違うんだから…」
「あたしもそれを着る!」
「生徒じゃないから無理だよ…」
「何でよ!!!」
僕らは色々な視線を浴びながら学校に着いた。
ラズは学校の正門で警備員に連れて行かれた…。
「ちょっとあんた何すんのよ!離しなさいよ!」
「お嬢ちゃんちょっとこっちに来てねぇ~」
…警備員のおっさん怖いよ…。
端から見ると、小さい子を誘拐しようとしている危ない人に見えた…。
「隼人!!後で覚えときなさいよ~~…」
二人は校舎へと入っていった。
僕も教室へと向かった…。
教室に入ると、やはりざわついていた…。
話題は恐らくラズの事だろう…。
となると、大抵このパターンでいくと…
「今朝の女の子って妹?紹介してよ!」
やはりいた…。
クラスに1人はいる変態のキャラ…。
予想はしていたけれど、言ってくるやつが親友とはね…。
こいつは僕の親友で[磐石友哉]。見た目はチャラい奴で、超変態でロリコン。根は真面目だ。
「またそんな話してる…。そんなんじゃいつまで経っても彼女は無理ね…(笑)」
この女子は[浦安菜穂]。元気活発でクラスで1番を争う美少女だ。まぁ僕ら2人にはあまり関係ないけれど…。しかし、男子の行き過ぎ話を止める重要な役割だ。
「うるせぇよ!」
友哉と僕がハモった…。
キーンコーン…
チャイムが鳴った…。
ガラガラッ…
金澤先生(通称ゴリラ)が教室へ入ってきた…。
「早く席に着けっ!HR始めるぞ!」
―1日の長い授業が始まった
「やっと終わった~!」
友哉が誰よりも早く声を上げた。
「…ラズはどうしてるんだろ…?」
僕は授業中もラズの事を気にしていた…。
「ラズってあの女の子?」
…菜穂にも見られていたんだ。
「…うん。校門で警備員のおっさんに連れて行かれてから会ってなくて…」
「やっぱり隼人も気になるんだ!やっぱり俺達同族じゃん!」
「そんなわけないでしょ!妹さんなんだから…ねぇ?」
「…まぁ…」
僕は曖昧な返事しか出来なかった…。
そこへ、ゴリラが来て
「おい!海灘はいるか!」
「ここです!」
何故か友哉が答えた…。
「今朝一緒に来ていた女の子は校長室にいるから引き取りに行ってきなさい。今日はそのまま帰ってもいいぞ!」
「私も一緒に行っていいですか?」
菜穂が言った。
「いいぞ!」
「先生!俺も!!!」
友哉が満面の笑みで言った…。
「…なっ!…あの子に変な事をするなよ!」
先生がそう言うと、クラス全体に笑いの渦が起こった。
「…それじゃ行ってきます。」
僕達はラズの所へ向かった。
ラズは校長室で校長と向かい合わせに座り、おやつを食べていた…。
ラズは僕達に気付くと、
「隼人!今朝はよくも!!!」
そう言って僕に飛び蹴りをしてきた…。蹴られた僕は廊下の壁に背中を打ちつけた…。
「今回はこれで許してあげる…」
またおやつに戻っていく…。
僕は背中を擦りながら、校長に挨拶をした…。
「今日はラズを保護して頂き、ありがとうございます。」
「別に構わんよ…」
校長はそう言ってくれた。
「ラズ!帰るぞ!」
「しょうがないわね。早く帰りましょ!」
僕達は校長に挨拶すると、学校を後にした…。
…
「ラズちゃんって何歳?」
早速、友哉がラズに話しかけた…。
「11歳…」
「小学生なんだ!」
菜穂が驚いた…。そして、
「この男には気をつけてね…(笑)」
そう言って友哉を指差す。
「なんでだよっ!何もしねぇよ!!」
友哉は否定した…。
「いや…。友哉は怪しいな…」
僕も追撃した。
「隼人まで何言ってんだよ~!」
「あたし怖いよ~!」
ラズもノッてきた。
「ラズちゃんまで言う!?」
僕達は分かれ道のY字まで来ると、
「じゃあまた明日!」
と言って別れた…。
帰宅後、僕はラズの部屋で怒鳴られていた…。
「あのおっさんは何者!?」
ラズは仁王立ちで僕を見据えている。一方の僕は正座していた…。
「…警備員だけど?」
「あのおっさん、人さらいに絶対慣れてるよ!!反抗出来なかったもん!!!」
「…警備員だからねぇ…」
僕の頭に手刀が落ちてくる。あまりの痛みに僕は頭を押さえた…。
「あともうひとつ!なんであんたと一緒にいれなかったの!?」
「…えっ?」
意外な言葉に思わず戸惑った…。
僕は頭を押さえながら上を向く…。ラズは顔が真っ赤だった。
「あたしはあんたと一緒にいれるって思ったから行ったのに、何で人さらいに逢わなきゃいけないのって言ってるの!!!」
「えっと…それは…」
僕は後で後悔した…。言わなきゃ良かったと…。
「学校の生徒じゃないからだろ?」
…ラズは大噴火した…。
如何でしたでしょうか?
隼人とラズの出会いから、菜穂・友哉の登場!当分はこの4人でやっていく予定なのでよろしくお願い致します。
それではまた次話でお会いしましょう!