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五月九日・4

 遼平は、いつものようにテニスサークルのメンバーとフットサルを楽しみ、その後の夕食という名目の飲み会を終えた所だった。

 時刻は二十三時丁度。今から帰れば余裕で日付が変わる前には帰宅出来るだろう。

 サークルの面々はその場から帰路へ着く数人を除いて、だらだらと余韻を楽しみつつ墨咲橋駅へと向かっていた。

「遼平くぅーん、私酔っちゃったぁ。家まで送っていってくれなーいぃ?」

「何言ってるんですか、佐野先輩ザルでしょ」

「ちっ。人がせっかく演技をしてまで誘ってるのに無碍も無く一刀両断するとは酷い奴だね、キミは」

「いやいや、演技だって分かりきってるからでしょ。それでのこのこ付いていったらそっちの方が怖いですって」

「キミはぱっとみチャラそうなのに、意外と真面目だよねぇ。一年なのにずいぶんと単位取る予定みたいだし」

「意外とって……って、おい、一輝?」

「ぅ……ぇ……?」

「おや、御堂君。大丈夫?」

「あーもう、弱いのに飲みすぎなんだよお前は。どっかで休むか?」

「ぃ……ぃゃ……へいき……」

「そんな顔で言われても説得力ないよねぇ……」

「そんなんじゃ無事帰れねーだろ……しゃーねぇなぁ。お前んち夕闇町の方だっけ?」

「あれ、そうなんだ。んじゃ私が送ってこうか、同じ方向だし」

「え、いや、俺が送って行きますよ。時間も時間ですし」

「えー、だって宇多君逆でしょ? ここは一つ先輩に任せときなさいって。これでも多分キミよりは強いし」

「それは知ってますけど……って、一輝、吐くならせめて道の脇にしろ!」

 やはりやり取りもいつものように、遼平達は駅前にたどり着く。

 ここから下り電車を利用する者、上り電車を利用する者、原チャリやバイクで帰る者、それに便乗するもの。ぱらぱらと分かれ始める。

 一輝は結局佐野先輩に送られることになり、遼平は何人かの仲間と共に上りの電車へ乗り込む予定だった。

「あれ……」

「おーい、宇多。どうした? もうすぐ電車来るぞー」

「えっと……すみません。ちょっと俺何本か後のに乗ろうと思うんで、今日はここで失礼します」

「お? あぁ、わかった。じゃぁまたな。気をつけて帰れよー」

 先輩と別れを交わし、遼平は視線を先ほどの方向へと戻す。

 その視線の先には、信号待ちをしている玖珠葉の姿があった。

「箕柳さん」

 遼平は交差点で立ち止まっている玖珠葉に声を掛ける。

 玖珠葉は振り向くと、少し驚いた表情を浮かべた。

「あれ……宇多君?」

「大学休んでたみたいだから、偶然見かけてちょっと気になって。体調でも崩してたの?」

「……うん。ちょっとね。でももう大丈夫かな」

 そう言って玖珠葉は穏やかに微笑んだ。

「それにしても、宇多君こんな時間にどうしたの?」

「ん、あぁ。俺はサークル活動の帰り。って言うか、箕柳さんこそこんな時間にどうしたの?」

「私は散歩。病み上がりの気分転換に」

 散歩と聞いて、遼平は以前耀から聞いたことを思い出した。とは言え――

「散歩って……何もこんな時間に出なくても。危なくない?」

 顔に似合わず大胆な行動をすると、思わず苦笑してしまう。

「……あはは、言われてみればそうかもね」

 玖珠葉はつられたように笑い、

「……じゃぁ、うちまで送ってもらってもいいかな?」

 人を魅了するような声で遼平へと語りかけた。

「え? それは……構わないけど」

 予想外の玖珠葉の提言に、遼平は一瞬呆けてしまう。

 話の流れからして別に妙な流れではない。が、まさか玖珠葉に限ってそんなことを自ら言い出すとは全く予想していなかった。もっとも、だからと言って断る要素が無い以上、引き受けることに違いはない。

「ありがと、じゃぁお願いします」

 わざとらしくぺこりとお辞儀をする素振りを見せてから、玖珠葉は微笑んだ。

 信号が青になり、二人は通りを渡る。

「箕柳さん、この時間に散歩に出ることって結構あるの?」

 渡りながら話す遼平に、玖珠葉は少し考えながら答える。

「んー、たまに、出るかな」

「意外と大胆というか無用心というか……」

「まぁ、言われてみればそうなんだけど……月明かりの下でふらふら歩くのって結構気持ちいいんだよ」

「あー、でもそれはちょっと分かるかも。飲み会の帰りとか、夜中に歩いてると何かすがすがしい気分になる」

「それって、ただ単に酔いが冷めていくからじゃないの?」

「かもしれない」

 二人は談笑しつつ、闇夜の中を歩いて行く。駅から離れるに従って、徐々に人気がなくなり、喧騒も遠くなっていった。

「そういえば」

 遼平は、こっちに来る前にあったことを思い出しながら話題を切り出した。

「ん?」

「今日こっちに来る前に――四コマ目が終わった後くらいなんだけど。何か箕柳さんを探してる人がいてさ」

「……私を?」

「高校生くらいの女の子で、箕柳さんの写真を持ってて、知りませんか?って訊かれて。心当たりある?」

 玖珠葉は小首を傾げると、少しして首を横に振った。

「誰だろ……思い当たることもないかなぁ」

「そっか。今日は大学休みみたいだってことだけ言っちゃったんだけど、平気だったかな」

「うん、別に問題ないよ。ところで、訊いてみたいことがあるんだけど」

「……何?」

 遼平は何故か直感的に、玖珠葉が自分を誘った理由はそれを訊くためだったのではないかと感じた。

「宇多君て、羽柴君と仲良いの?」

「仲……悪くはないと思うけど……」

 改めて訊かれると返答に困る。自分ではどちらかと言えば仲が良いつもりではいた。しかし、そもそもあの男は対人関係全般に対して淡白を通り越しているような有様だ。果たして自分で思っているほど相手との距離が近いのかどうかが疑わしい。

「……俺が一方的に距離を詰めようとしてるだけかもね」

 言ってみて少し虚しくなってしまう。思わず漏れた苦笑だったが、玖珠葉は珍しく笑みを見せずにいた。

「何で宇多君は、羽柴君を気にしてるの? 正直、接点がないような気がして、二人が一緒にいるのって不思議なんだけど」

「何でって……」

 玖珠葉の質問が意図するところは良く分からなかったが、自分が耀との接点を作ろうとしていることに関しては、はっきりとした理由があった。

「んー……あいつを格好良いと思ったから……かねぇ」

「格好良い?」

 ――別に隠すようなことでもない。

 遼平は何かを思い出すように苦笑する。

「んー、なんつーのかな。……俺は一人になるのが怖くてさ。周りに誰か居てくれないと不安でしょうがないんだよ。だから必死で交友関係を広げようとしてるし、自分が知らないことに対してもなるべく踏み込んで人と出会うことを期待してて――」

 遼平が初めて耀を見たのは、学科別オリエンテーションの時だった。

 人の中に居ても、その青年はどこか孤独に見えた。

 孤立しているわけではない。会話に参加していないわけではないし、実際話してみれば普通に会話は続く、冗談だって口にする。あまり積極的でないことを除けば、何処にでも居る控えめなただの青年に見えないこともなかった。

 しかし、その後数回話す機会を経て、遼平は耀の第一印象が正しかったことを知る。

 彼は周りに関心を抱いていなかった。それも極度に。

 接触すれば反応を見せる。だが、積極的に周りとの繋がりを作ろうとはせず、他者との繋がりに進んで目を向けることも無く、人との接点が無くなったとしても平然としているような人間だった。

「だけどあいつは、自分を取り囲む環境がどうなっても、何一つ変わらずにそこに居るような奴で」

 一人になることに対して不安を覚える遼平には、そのことがこれ以上ない程に興味を惹かれることだった。

「箕柳さんが言うように、耀と俺は多分対極的な性格なんだろうけど……」

 ――あいつはやっぱり、俺が居なくなっても気にしないのかね……

「逆に、だからあいつが気になるのかな」

「……ふぅん」

「って、いざ言葉にしてみるとすげー恥ずかしいな! あー、うん。まぁそんな感じなんだけど。……そんなこと言われても何言ってるの?って感じだよね! あっはっは……」

 遼平は珍しく顔が熱くなるのを感じていた。そして意外なことに、玖珠葉は小さく微笑むと、

「うぅん、少し、分かるよ」

 静かにそう呟いた。

「え、箕柳さんってやっぱり――って、そっち?」

 バス通りを道なりに行っていた所で公園が見えると、玖珠葉は公園の中へと進路を変えた。

「うん。ここを通り抜けたほうが近いから」

 いつもの笑顔でそう答え、玖珠葉は先へと歩いて行ってしまう。

 ざっと覗いたところ、外灯はあっても疎らで薄暗い、元々夜間に利用されることはあまり想定されていないのだろうか。わざわざそんな所を通る必要があるのかどうか。遼平は少し疑問に思ったが、玖珠葉に着いて行くしかなかった。

「うっわー、暗いな……箕柳さん、いつもここ通ってるの?」

「……一人のときは通らないよ。今日は宇多君が居るから」

 バス通りと違い、木々のざわめきが大きく聴こえる。

 耳に入る音と言う意味では車の行き交う音や生活音と、木々のざわめきでは同じはずはずなのに、遼平には妙に不気味に感じられた。

 暗闇の中にあって、同じ音でも印象が異なるのは、音源が人工的なものと自然のものとの違いなのだろうか。

「つーか、すげー不気味ですね」

「そうかな? ……普段見慣れてないだけじゃない?」

 玖珠葉は全く臆する様子も見せない。

 そして林の中を突っ切る形で敷かれている道へと入り込んで行く。

「暗! ここ大丈夫なの!? 少し遠回りでもせめて明かりがちゃんとある場所通った方が良くない?」

「大丈夫だよ。すぐに拓けるから。私の後に着いて来てくれれば」

 頼りない月明かりに照らされて、遼平は足元に注意しながら玖珠葉に着いていく。

「ねぇ、宇多君て好きな人いる?」

「はい!?」

 唐突な質問に、遼平は声を上げた。

 暗がりの中、二人きりで、意味深な質問。本来なら喜んでも良さそうな状況であるのに、遼平の心は微塵も弾むことは無く、ゆっくりと不安だけが広がり始めていた。

「いる?」

「え、いやー……今のところそこまで気になる人はいないけど……」

「そっか。それじゃ、もし好きな人が居たとしたら、その人が、好きになった時と変わってしまったら、どう思う?」

「どうって……変わりようにもよる、かな……」

「それもそうか。じゃぁ、自分が望まない方向に変わっちゃったとしたら、嫌じゃない?」

「……まぁ、それは……多分……」

 話す玖珠葉の声は、いつもと変わりないように思えた。それなのに何故こんなにも肌の粟立つ感覚に襲われるのだろう。

 そして、不意に玖珠葉が立ち止まる。

「……箕柳さん?」

 どこか異様な雰囲気を感じ取り、遼平はつばを飲み込みながら声を掛けた。

 しかし、返事は無い。

 代わりに玖珠葉はゆっくりと振り返る。

「だよね」

 玖珠葉の声は変わらない。いつもの笑顔も変わらない。

 だが、この暗闇の中、それが逆に非常に違和感を感じさせる。

 遼平は会話を繋げることも忘れて、目の前の可憐な相手から視線を外すことが出来ずにいた。

「人ってさ、結構周りの影響を受けると思うんだよね」

 玖珠葉はもう、こちらの返答には期待していない様子で言葉を継いでいく。

「私、宇多君が言ってたこと、何となく分かるよ」

 遼平の反応を見ることも無く、

「私も羽柴君の、そういう所が好きだから」

 された唐突な告白は、しかし微塵も甘い空気をまとっていない。

「だから――」

 すっと、玖珠葉の瞳から笑みが消える。

「あなたみたいなのが、羽柴君の側に居いると、不安でしょうがないんだ」

 玖珠葉の声が闇を切り裂いて遼平の耳へと届いた。

 次の瞬間、玖珠葉は無造作に右腕を引き上げる。

 そしてそこに現れた光景に、遼平は自分の目を疑った。

 玖珠葉の引き上げた右腕の下に、漆黒の狼が姿を現していた。その現象だけですでに現実的ではなかったが、現れた狼の姿だけとってみても十分過ぎるほどに非現実的なものだった。

 体高は玖珠葉の胸の辺りまであり、輪郭の闇は揺らめく炎のように揺蕩っている。

 玖珠葉は事態の飲み込めない遼平を見て、邪な笑みを口元に浮かべた。

「もし、羽柴君が宇多君に感化されるようなことがあったら、残念でしょ? そうならないように――」

 楽しそうに、無邪気な声が闇夜に紛れて行く。

「死んで?」

 その声と共に狼が音も無く遼平へと襲い掛かる。

「っ!」

 咄嗟に避けるが爪が掠り、衣服と共に左腕が切り裂かれた。

「あれ。意外と運動神経良いんだね。それなら頑張って逃げてみる?」

 軽い口調でそう言って、玖珠葉は笑っていた。

 呆気に取られていた遼平は、左腕に走る痛みで我に返る。

「ちょ……マジ?」

「そのまま死ぬつもりなら、別に止めないよ?」

 乾いた笑いを漏らす遼平に、玖珠葉は愉しそうに答える。

 その反応を見た遼平は、ぞっとする感覚に突き動かされ、反射的に走り出した。

「まぁ、無駄だと思うけど」

 背中に投げられた玖珠葉の声が、妙に重たく圧し掛かる。

 遼平は走りながらすぐにおかしいと感じ始めていた。

 この林に入ってからそう歩いていなかったはずだ。それこそ走れば十秒足らずで抜け出せる程に。しかし、現実は抜け出すどころか何処までも木々が鬱蒼と生い茂っている。

 遼平が息を切らせて走っていると、目の前に人影が見え息を呑んでしまう。

「おかえり」

 そこには狼と共に佇んでいる、愉快そうな玖珠葉の姿があった。

 遼平の背筋にぞっとしたものが走る。

 真っ直ぐに走っていたはずだった。どう考えても同じ場所に戻ってくるわけがない。

 さっきとは違う方向へと走り出してみるが、どこまでも木々が視界に残り、一向に拓ける気配がない。

 そして再び玖珠葉が現れる。

 ――これはあれか、漫画とかでよく見る……冗談じゃないぜ……

 実際に体験してしまった今も、到底信じられない。しかし実際にここから逃げ出すことが出来ないだろうことを、心のどこかで遼平は考え始めていた。

「もう諦めちゃうの? もっと見っとも無く逃げ回ってくれても良いんだけど」

「はは……」

 乾ききった笑いで答えながら、遼平は再び走り出す。左腕から流れて行く血が、自分の命そのものに思えて不快だった。

 恐らくこのまま走り回っても、また玖珠葉の目の前に出てしまうのだろう。少なくともこの状況を異常だとしか思えない自分では、どう足掻いても抜け出せるとは思えなかった。

 ――自分一人でどうにもならない時は誰かの力を借りるしかねーよな。

 遼平は玖珠葉の姿が見えなくなったのを確認してから、すがる思いで携帯を取り出し開く。

 アンテナは立っている。果たして電波が届くのか。いや、届いたとして――

 遼平はそこで携帯を片手に頭を悩ませた。

 こんな異質な状況を打開する機会を作ってくれる連絡先など、思いつくわけが無い。

「くそ……」

 かと言って、このまま泣き寝入りする気にはなれなかった。

 遼平は半ば自棄気味に、『羽柴耀』へと電話を掛けた。 

 コール音が響く、祈る気持ちで繋がるのを待つ時間が、無性に長く感じられた。

「……い……りょ……い……」

 繋がりはしたようだがノイズが激しい。遼平は思わず舌打ちをする。

 しかしそんなことに構っている余裕は無い。

「今公園で箕柳さんに殺されそうなんだけど、ちょっとお前どうにかならねーの!?」

 こちらの声が届いているのかどうかすら分からない。仮に届いていたとしても言っている内容があまりにも唐突で意味不明だ。だが、この通話に賭けるしかもはや思いつく手段がなかった。

「……に……んだ……」

「例の公園! お前と二人で行ってた! 公園の何処だかはわか――っ!」

 突然腹部に衝撃を覚え、遼平は吹き飛ばされる。視界の端には例の狼が見えた。

 木に叩きつけられて一瞬呼吸を忘れる。次いで腹部に熱さと痛烈な痛みを覚えた。どうやら爪で切り裂かれたらしい。

「助けを求めるのはいいけど――」

 狼の後ろから、玖珠葉が緩慢な仕草で姿を現す。

「羽柴君を巻き込むのはやめてくれないかな」

 遼平の手を離れて転がっている携帯を、玖珠葉が冷めた瞳で眺めると、狼がその前足で粉々に踏み潰した。

「う……へ……はは……今度、携帯……弁償してくれよ……」

「あはは、そんなこと心配する必要なんて、ないでしょ」

 冷酷に笑ってみせる玖珠葉に、遼平はもう力なく笑い返すしかなかった。

 もしかしたら説得して貰えるかとも思ったが、完全に裏目に出たようだ。

「って言うかさ……俺が側に居ても……あいつがそうそう……変わるとは……思わないんだけど……」

 自分が襲われた理不尽な理由に納得いく訳もなく、もうどうにでもなれ、と遼平は途切れ途切れに抗議の声を上げる。

「まぁ私もそうだとは思うよ? でもほら、何がどうなるかなんてわからないし」

 玖珠葉がゆっくりと遼平の方へと近づいて来る。

「別にもっと様子を見てても良かったんだけど、タイミングが悪かったね。機嫌が悪かったのに、わざわざそっちから近づいて来るんだもん」

 遼平は、目の前まで来た玖珠葉を見上げた。そこには敵意を込めた眼差しを向ける彼女の姿あった。

「それに私、あなたみたいな、いかにも人生楽しんでますって人、殺したいほど嫌いなの」

「なんすか……そりゃ……」

 遼平の擦れた声に、玖珠葉が薄く笑い返す。

「……ちなみに……耀にもう近づかないって……言ったら……見逃して……くれたりするわけ?」

「良い感じに卑屈だね。約束出来るの?」

「…………約束は、破るためにある……らしいけどね」

「じゃぁしょうがないね。まぁもし約束出来るって言ったところで、見逃してなんてあげないけど」

 玖珠葉は言いながら、遼平に冷たく微笑み掛けた。

「さよなら。宇多君」

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