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伝説の魔物~にご飯を作ってみる

「ぬぅ、では!これをお代に飯を作ってくれ!」


咄嗟の思いつきだが我ながらにいい考え!遂に来た!また人間の料理が食える機会が!


────────────

「ご、ご飯ですか?」


「そうだ。我が街を作ろうとしている理由、何かわかるか?」


「暇だったから?」


「二割正解と言ったところだな。残りの七割が美味い飯が食いたい、一割が人間に興味を持ったからだ。」


人間に興味を持った理由はもちろん料理が理由だ。魔物の中にも料理が得意な種族もいると聞くが人間に勝るとは思えない。エンシェントドラゴンは最強の生物。人間ごときにビビる必要などない。少しでも興味を持ってしまえば満足のいくまで突き進むのみだ。


〝人間の都合など知ったことか。我はドラゴンなのだから〟


だそうだ。


「だから飯を作れ。我の満足のいく料理をな。」


セイヘムはかなり戸惑っている様子だったがここはやはりメイヘム、堂々たる態度を一切崩さないのは常に王妃としての自覚があるのだろう。この小娘は見習った方が良さそうだ。あれだな、外ズラだけ良くて仲良くなるとクソガキになるやつだ。友達の親に好かれるタイプ。なんやかんや友達にいて欲しいんだよな、こういうやつ。


メイヘムは戸惑っているセイヘムを置いといてテトと話し始めた。


「ではわたくしが作りましょう」


王妃が飯を作るという本来だったらありえないことを言っているが、テトには関係ない。


「ふん、満足のいく働きをしたあかつきにはこの剣と宝石を支払おう。」


「こう見えてわたくし料理が趣味でしたの。 きっと満足のいく品物をお出しにできますわ」


かなり自信満々のようだ。顔からは既にドヤ顔が浮かんでいる。あれだ、セイヘムは滅茶苦茶メイヘム似だ。二人の歳を交換しても気づかれないんじゃないかと思うほどにやんちゃ娘の片鱗が見え隠れしていた。


「ここでは料理はできないわ、城に戻りましょう。」


「ほう?面白いではないか」


置いてけぼりの現やんちゃ娘を後目に

〝多分元やん(メイヘム)ちゃ娘〟VS〝食いしん坊(テト)ドラゴン〟が始まってしまった。


「乗れ!すぐさま城に帰るぞ!」


「受けてたちますわ」


「え?え?」


理解の遅い娘はテトが優しく摘み上げて背中の上に乗せやる気満々のメイヘムを早急に送り届けることにした。綺麗な夕焼けはまた今度だ。


「この争いがなければ雲の上からの夕焼けを見せたのだがな......飯が優先だ!!!」


「え?!見たかったんですけど?!」


「そうね、勝負が優先だわ」


やはり元祖やんちゃ娘だ。かなり不憫なセイヘムであった。


────────


「か、帰ってきたのかメイヘムよ.....!」


ボードゲームをしていたのだろう。もう帰ってきてしまったのかという心の声が顔に出ているが、そんなことはどうでもいい。


「あなたに構っている時間はないわ」


滅茶苦茶冷たかった。そんな冷たい一言を放ちスタスタと奥へと進んでいき扉を勢いよく開け部屋を出ていった。


「·········」


「············父様こんな日もあります」


ユンタルはすっかり王族モードに移行したセイヘムに励まされていた。


「···········我は、なにかしてしまったのじゃろうか、」


「やつは今から飯を作るのだ。我との真剣勝負、誰にも邪魔されたくないのだろう。」


消沈しているユンタルに真実を教えてあげた。


「勝負?それはどういった、」


「メイヘムとの取引だ。我が褒美をやる代わりに人間の料理を振る舞えと申したのだ。メイヘムは快く引き受けてくれたぞ?」


「メ、メイヒムがそんなことを······昔のヤンチャの再来なのか····?」


ぼそりと独り言を吐いたユンタル。やはりやんちゃ娘だったようだ。その後ユンタルが色々話し始めてわかったことがある。


メイヘムは敗戦国である〝聖都ベルク〟という場所の王女様だったそうだ。父と母を失ってから戦災孤児達を連れて逃げていたところを当時の西の王国(リードルド)の第一王子、つまりユンタルがその子達ごと引き取ったそうだ。身元の整合性が取れるまで離れで過ごしてもらっていた時期があるそうだ。その間子供達の料理とか家事はメイヘムが行っておりいつの間にか趣味にまで発展していたそうだ。城に雇われてからも毎日のように料理をしていたらしい。正式に王妃になってからは暇な時間がすっかりと無くなって次第に料理に割く時間も無くなって行ったそうだ。最近ではセイヘムが請け負ってくれるから暇な時間が増えたそうだ。


「だからメイヘムは今は楽しくて仕方ないのじゃろう。」


〝どけ〟と言われたことは少し悲しかったが久しぶりに妻の手料理が食えるとなると嬉しいものだ。


────────────


「久しぶり料理、腕が鳴るわね〜。何を作ろうかしら」


周囲の人払いは既に済ませてある。久しぶりの料理、しかもこの時間となると城に住んでいる人たち全員分、料理好きにとっては燃える展開であった。メイヘムは厨房にあった大きな両開きの扉を押し開いた。そこは氷魔法で温度が調整された氷室だった。


「ここに来るのも久々ね〜テト様曰く」


『我は精神生命体と同義であるからな、魔力があれば腹は空かん。ただそれは飯を食わないということでもない。飯とは良いものだ!気持ちが安らぐのだ!だから美味い飯をよこせ。量に関しては気にする事はない、体はほんの少しだけだが小さくできる。腹を満たすためではなく味わいたいだけなのだ。』


「ってことだから、量は城の一食分くらいにしましょうか」


つまりテトが増えるだけで食費が2倍だ。なんて迷惑な客なんだ、高級料理に変えるから食費が倍になる、ではなく量が倍になるから倍になるという迷惑をかけすぎなドラゴンである。だがそんなことテトにとってはどうでも良い。


「じゃあ早速作っていきましょう!」


メイヘムが選んだ材料はこれだ。


オーク肉

魔人参

魔土芋

砦玉ねぎ

きのこ

赤ワイン

獣骨だし

胡椒・岩塩

バター

小麦粉

香草


量は適当だ、多すぎて測ってすらない。


まずオーク肉を切りそこに塩・胡椒を加え下味を付けておくわ。オーク肉は見た目とは裏腹に柔らかい肉質だから少し大きめのゴロッとしたサイズにするのがベストね。

次に大きめの特大鍋に油を熱し、肉の表面を少し焼いておく。そしてここに小麦粉を振って全体に馴染ませるのがわたくしのお気に入り、煮込んだ時に自然なとろみがつくのよ。

続いて次のフェーズ、魔人参・砦玉ねぎ・キノコを加え炒める、香りが立ったら赤ワインを注ぎアルコールを少し飛ばす。獣骨だし(コンソメ)を加えてそのに香草を投入、香りが付いてさらにいい感じになるのよね。そこから弱火で2〜3時間肉が解れるまでじっくり······そんな時間は無いわね。鍋と火に加速系の魔法を付与し過程を高速化、魔力の消耗がかなり激しいから一つの物を2時間分進める程度しかできないけどこの状況において最適解だわ。そこから念の為20分ほど待ってから、下処理は済ませてある魔土芋を加えてさらに30分コトコトと煮る、そして仕上げにこの巨大バターを落とし塩で味を纏め、黒胡椒を強めに振ると·····


「完成したわ!オーク肉の戦シチュ〜」


テトの初めての街作り ─ ロードマップ編


:達成度


建設予定地の整地:40%


人材を確保する(人間で無くとも良い):0%


作物を育てる:0%


家畜を飼う:0%


料理が出来るやつを見つけるor作れるようになる:0%→3%


旧友に声を掛けに行く:0%


人間と仲良くする:15%→16%


いい街を作る:2.1%


内装を作る:12%


電気を作る:6%

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