伝説の魔物~内装作りに取り掛かる
寝床は完成した。いつも通りの巨大な空洞に金銀財宝。寝るには十分なスペースと寝心地の悪い石の床、快適な生活に欠かせない物。それはなんだと思う??.......そう。寝具である!
「ヌゥ、寝ずらい........こんなにも寝ずらかったか?これでは快適な生活とは言えぬな。」
テトは硬い床と周りを囲む金銀財宝に目をやった。どれだけ金があろうとも快適な睡眠にはなんの影響も持たない.....それどころかキラキラとしていて視界的に目障りにすら思えていた。それを踏まえて今日の目標は。
「今日の目標は倉庫を作ることだ」
ミッション ── 倉庫を自作せよ!!
キラキラと輝く金銀財宝。今まで気にしたこともなかったが、とても煩い。それに邪魔だ。体を動かすと宝石やら金貨がコツコツと当たってくる。何故今まで煩わしく思わなかったのか、自分でも理解ができないほどだ。
「倉庫は奥の部屋に作るとしよう。」
新居の奥に早速穴を開け始めたテト。硬い岩盤だろうとテトの魔法と力の前では無力。もりもりと掘り進めていくがここである問題が生じた。
「なぬ?!」
貫通してしまったのだ。ただ単純に光の通り道を作ったに過ぎなくなってしまった。かなり大きめの山と言ってもテトの寝床を作って更に大きめの倉庫も作るとなると話は変わってくる。掘りすぎてしまった穴を魔法で時を戻し無かったことにする。
「も、戻るのだ!【リボイド!】」
例外魔法の一つであるリボイドは指定した空間内の時を少しだけ戻す効果があった。これは結界魔法の応用でもある。
「どうしたものか.......」
考え込んでいるとある1つの案が思い浮かんだ。
「そうか!空間魔法で転移良いでは無いか!!」
例外魔法の一種【転移魔法】人類が研究に研究を重ねても辿り着かない魔法体系の一つである。膨大な魔力と完璧な魔力操作ができるテトにとってはちょちょいのちょいであった。
「そうか!実家を倉庫にすれば良いではないか!」
ここで言う実家とは元々住んでいた活動の終了した火山....死火山の中のことである。テトはあの場所と新居のどこかしらを転移魔法陣で繋げようと閃いたのだ。
魔法陣
── 魔法を簡易的に使用するための補助装置。予め魔法を刻んでおくことによって簡単に魔法を行使することが出来る、が。使用する為に少し時間がかかってしまう。
──攻撃魔法に転用する場合もあるが、こちらは逆にかなりの魔力を消費する代わりに高威力の魔法を瞬時に行使することが出来る。これを術印式と呼ぶ。
「何時でも行き来できる倉庫とは便利ではないか。いつなんどき、何処でも倉庫に来れるようになるのは便利だ!そうと決まれば早速刻みに行くとしよう。」
テトは楽しそうに巣を飛び出し死火山に向かうことにした。ゆったりと飛んでいた為十数分かかってしまったが、見慣れた場所に帰ってきた。と言ってもまだ引越しして数時間しか経っていないのだが。テトは火山の中に入り早速魔法陣を作ることにした。と、言ってもたかが数十秒で刻めるものなのであまり大層な代物でもない。(テトからしたら)だが。既に新居と転移魔法陣は繋がった為移動もこれで便利になったであろう。
「さて、では試してみるか!」
テトが作ったのはかなり厳重なロックのかかった魔法陣のようだ。大きさは人一人分と言ったところ。それを壁に刻み込んでいた。あまり大きな魔法陣を作っても邪魔になると考えたのだろう。爪先でボタンを押すように触れ魔力を少量流すと新居に転移していた。
「これはまた良い物を作ってしまったな。」
テトは新居の金銀財宝を空間魔法で死火山に移した。空間魔法はテトでも完全に理解している訳では無いため安全策として転移魔法陣を起用したのだ。
ミッション ── 倉庫を自作せよ!!達成
「ハッハッハッハ!これで快適に!........」
殺風景。装飾品としての価値もあったようだ。金銀財宝がなくなってしまってはただ駄々広い空間になっていた。夕日が入口から見えるが窓も無いため部屋の中はただ薄暗いだけ。何も快適じゃない。
「ただの空洞ではないか。そうか。窓とやらを作れば良いでは無いか。」
ミッション ── 窓を作れ!
無理である。理由は単純。
「なっ、これでは窓など作れないではないか.......」
山とは奥行きよりも高さが売りの自然である山の中をくり抜いたテトの家に窓を作るのはかなり厳しいことであった。
「ど、どうしたものか。」
一旦保留である。
ミッション ── 窓を作れ!: 保留
「これではあまりに寂しいではないか。」
テトが考えに考えている時ふといつも読んでいた本のことを思い出した。今では倉庫に大量に積まれていてスペースをとっていた。
「そうか。本棚を作れば良いでは無いか。家具としては定番であろう。内容は覚えてしまったとはいえ魔導書などはいくら読んでも飽きぬからな、手元に置いて起きたいと思っておったのだ。」
ミッション── 本棚を作れ!
そうと決まれば話は早い。テトはしまっておいた原木の数々を取り出し大きめの本棚を作ることにした。大きさについては何となくだ。寸法を測ったりするのは面倒臭いと感じているため勘ならぬ加護のゴリ押しに賭けることにした。テトは原木を風魔法で切断したり爪撃で整えたり切断したり、魔法というものは実に便利だ。完璧な魔力操作が出来れば木の断面をヤスることなど造作もない。建築技術など1ミリもないが、木材を加工し、それらに凹凸を施し組み合わせ始めた。
「ほう!かなり丈夫ではないか、このやり方であれば頑丈な本棚が出来るであろう。」
出来の良い接合部のお陰で自信がついたのか、作業のペースが数段跳ね上がった。他にも入り組んだ接合部を噛み合せるなどかなり自由に、そして楽しく本棚を作っていた。時には失敗することもあったが、当たりがすっかり夜になってしまった時、ついに完成したのだ。
「くぁああああ!ハッハッハッハ!実に良い出来栄えじゃないか!」
テトが作り上げたものは極普通の本棚、だが。それは伝説の魔物が初めて作り上げた本棚である。テトは自分の技術が誇らしくなり作り上げた本棚を数分眺めていた。ふと我に返り本棚を慎重に設置し始めた。設置した本棚にはある物が足りない。そう“本”だ。テトは転移魔法陣で倉庫に行き本を全て空間魔法で送り込んだ。本の忘れ物がないかと財宝を掻き分けたり便利魔法の中の1つ探索魔法を使用したりと入念に探し新居へと帰ってきた。本を1冊づつ、並び順も考えて収納していき、遂に本当の意味で完成したのだ。
「良い......実に良いぞォォォ!!!!」
結界が貼ってあるため誰にも聞こえない嬉しみの咆哮。テトにとっての初めての家具作り。大成功である。
ミッション── 本棚を作れ!:大成功!
テトの初めての街作り ─ ロードマップ編
:達成度
建設予定地の整地:40%
人材を確保する(人間で無くとも良い):0%
作物を育てる:0%
家畜を飼う:0%
料理が出来るやつを見つけるor作れるようになる:0%
旧友に声を掛けに行く:0%
人間と仲良くする:2%
いい街を作る:2%
NEW 内装を作る:10%




