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伝説の魔物~旅行の準備をする

「人間とは遠出する時に様々な状況に備え準備をすると聞く、われも真似しようではないか!」


テトはウキウキで何が必要で何が要らないか、この状況にはあれが必要これが必要とロードマップを脳内に刻み始めた。


例えば強敵に遭遇した時.......テトに勝てる生物など存在しなかった。


例えば海に溺れてしまった時......そんな事はありえないし仮になったとしても無呼吸無酸素でも大丈夫な魔法を使うから魔力切れ(永遠に無い)が起こらない限りは大丈夫。


例えば!寝床に困った時とか!...........地面で寝てるやつに寝床とか無いか、と言うか


「空間魔法でどうとでもなるではないか......」


欲しいものがあれば空間を移動すればなんの問題も無いことに気がついてしまった。エンシェントドラゴンが遠出の準備をして荷物背負って飛んでる姿も見てみたい感はあるが、空間魔法が便利すぎる為そんな事は有り得なかった。


「人間の真似をしようにしても我にはそもそも必要ないではないか、強いて言えば一人旅は共に飯を食う者が居ない......ぬ?ということは遠分料理にあり付けないということか?!一大事ではないか!!!!」


とてつもないことに気がついてしまった、それは料理を口にできない日々が数日から数週間空いてしまうという一大事にだ。せっかくシチューのお陰で数日の満足感で満たされているのに、会いに行くとなるとその数日間の満足では足りなくなってしまう。


「やはりこんな時は........」


────────


「おいユンタル。」


いつも通り国王に頼る事にする。困った時は国王に頼るのに限る、ユンタルであれば我に着いて来てくれる人材を連れて来れそうだろう。


「な、なんじゃ昨日の今日で、メイヘムのシチューでは足りんかったのか?」


昨日訪問してきたのに今日も訪問してきてかなり驚いているユンタル。というかエンシェントドラゴンが訪問して来るのに慣れる人類など存在するのだろうか、


「メイヘムのシチューは実に美味てあった、我の人生で最も美味い食事であった、満足と言い表すのが敬意であろう。」


「で、ではなぜ今日も?」


「実は料理ができる人間に一人貸して欲しい、そういった話だ。」


「人間を貸して欲しいじゃと?理由を尋ねても?」


「大したことでは無い、我は今日から遠出をし旧友を町に連れてくるつもりなのだが、道中料理が食べれないとなると我は料理が恋しくなって周囲の森や村が灰燼と化してしまう可能性があってだな?未然に防ぐためにも人間を連れて行きたいと考えているのだ。だからとっとと出せ」


会話は理解した、理解した上で了承できる案件ではない。身内は論外なため城の執事やメイドから選ぶ、または選民するしかないのだが、エンシェントドラゴンなんて怪物怖くて引き受けてくれる人などいないだろう。ユンタルはどう断ろうかと頭をフルスロットルに回転させていた。


『ど、どうすれば諦めてくれるんじゃ、何を言ってもとっとと出せ、しか言われない気もするんじゃが.......』


「テト様!今日もいらっしゃったのですね!」


前言撤回、慣れている存在が一人いた。


「セイヘムか、貴様には我の今後の目標を作って貰った恩があるからな、貴様とは仲良くしてやる。光栄に思うがいい。」


「じゃーまた遊び行きます!」


いつの間にかエンシェントドラゴンと仲良くなっていた娘に驚きながら内心ヒヤヒヤしているユンタル、だってそうであろう?この子()()()()()()しテトとの相性もいいのだから。


「セ、セイヘムよ、我らは大事な話を......」


「今日はどのような御用向きでしょうか?」


あぁ遅かった......そう心の中でつぶやくユンタル、そんな父を気にも止めず会話を続けるセイヘム。


「実は料理できる人間を数日から数週間貸してほしいのだが、我について行きたい人間など居ない、どう断ればいいのだ?という顔をこやつにされていた所だ。」


「ぬっ、」


図星である。


「良ければ理由を尋ねても?」


父は居ないものとして扱われている、一応この国の王様で最高権力者なのだが........


「旧友のマンティコアに会いに行くためには我の翼でも数日間はかかる、メイヘムのシチューの余韻は数日で消えてしまうからな、その間料理が食えないのは我にとって死活問題なのだ、だから料理ができる人間を連れて行けばいいという結論に至ったのだ。」


「では、」


「ちょっt」


「私はいかがでしょうか」


空気が言葉を発することは無い、制止?聞こえていなければそれは制止とは言わない。


「ほお?確かに貴様は頭が切れるが、料理もできるのか?」


「お母様に教わっていますのでそれなりになら、それに!私見てみたいです!マンティコア!」


「セ、セイヘムよ、それは危険でh」


「どうでしょうか」


「フン、では貴様を連れていくとするか、ユンタルこやつを借りていくぞ?」


「テト殿、王族としてそれh」


「王族が長期外出となると護衛なども付けなければならないのですが、テト様がいればなんの問題も無いですからね!安全が保証されているのなら何の問題も無いはずです!今支度をして来ます!」


セイヘムは急ぎ足で身支度を整えに行った。


「·········ユンタル」


「なんじゃ..........」


「貴様、完全に空気扱いではないか」


「···········我はこの国の王である。」


生気の無い声色と力が抜けた体、今のユンタルに王としての威厳はまるで無かった。テトを目の前にしているにも関わらず、だ。やはり父親と言うものは娘に無視されるのが一番効く、それはエンシェントドラゴンが居ても変わらないらしい。


「我.......儂は何を糧に生きればいいのだ。」


「········すまなかった、ユンタルよ、」


エンシェントドラゴンが謝った世にも珍しい瞬間だった。






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