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流通○済柏 vs 八○代高校 ・・2


 ――――――――






 「 ちょっとしつこいですよ、先輩。 」

 「 わざわざ、お前がそれをいうかよ? 」



 試合開始早々。わざわざ自分からマッチアップするような位置でプレーしにきてからというもの――


 DFラインに吸収されながら5バックの1角としてプレーしたり、(わたる)がわざと逆サイドに逃げようものなら。


 敵のエースの龍とポジションが被るように追い込めたとして、こちらのほうへは簡単に来させないよう常に気を配り続けながらプレーをする。



 約20分経過・・・。



PK戦で上等の戦い方を上手く実践し_。

スコアレスドローで試合(ゲーム)を進めていくなか。試合はお互いが攻撃の成立を予感させるようなプレーみせ。

 それなりではあるものの、

 


 「 ピーーーーーッッッッ!!!!! 」



 審判の笛が鳴り響いて、味方のCBがショルダーチャージでファールをとられるが、

 いまの判定は当然といえるだろう・・・。


 足裏で綺麗にトラップしたあとの次の(するど)い切り返しについていけず。咄嗟に反応したんだろうが、露骨に肩で身体を押すような動きになってしまい、流○経済柏に直接FKの判定。



「 必ず決めますよっ。。。 」

 


 俺にむかってそう発言して、ボールを受け取りに駆け寄っていく渡に対して。キッカーは龍じゃないのかと思いながら、壁になりにへとむかう、俺__ 。


 距離は30mより短い28mあたりでのミスに、チームの雰囲気が味方し。

 ただちに壁をつくる位置に移動し、味方が多く集まる中。FW(ワントップ)のやつにボールの背後_。


 キッカーを挟むことになるため、自然と距離はできてしまうが、ここで隙間をあけてしまえば。ほんとにそこのゾーンに決まってしまいかねないので、


 ( ボールが入る隙間がないように頼む!)



 右のウイングのほうに同じボランチで相方役の木元(きもと)を移動させ、むこうの味方とポジションを入れ替えて壁に入ってもらう。


 FWのやつが俺達に指示をして、俺達は注文通りにならんで壁を作り。


 静寂が心臓のドキドキを支配するなか、ワントップの味方が中央に移動して、カウンターの準備が(ととの)|う。

 渡のやつがむこうに移動してくれたおかげで、壁のなかに入れることになったが、

 ―― このフリーキック、果たして俺なら外すだろうか?

 1人離して立たせて、そいつ含めて6人の壁が出来上がるなか。


 笛が 、ピッッと鳴り響いてから。すこしの助走のあと龍のキックがボールに伝わると…。

 

 

 日本代表のプレースキッカーが2人揃うなか、、、学生にプロのフリーキックをとめろというのも難しい話なのか・・。


 


 「 ドゴォォッッ!!!! 」


 

 緊張で胸がはじけそうなくらいの俺たちとは別の方向へと飛んだ、そのボールは。


 ゴールのかなり右上のほうに蹴られたそのボールは、事前に予想を立ててはいたものの。

 あきらかにプロでも狙うのが難しい位置に入ったそのボールは、キーパーの手の届かないコースを貫き俺たちのネットを揺らす。


「「 オオオオオオオォー!!!!」



  まさにあたりは、大歓声!! むこうは、チームの応援にも熱を入れていたんだろう。会場があっという間に塗り替えられると・・。


 まさに負けが決まったかのような会場のむこうサポの盛りあがりように、こちらも茫然自失(ぼうぜんじしつ)の状態で散らばるしかなく。

 

 なにか一声かけなければというふうに思考が進むなか、


 「 ダッセーぞ、お前ら!!まだ時間あるだろ。」


 ほとんど防戦体制で試合を進めているがゆえに互角(ごかく)(えん)じられていたなか、木元の一声で全員が復調。

  実際うちのチームが点をとれる可能性がほとんどないが、FKさえ手に入れば俺が決めてやれるかもしれない。


 「 ファール獲れよお前等(まえら)。笑」


 

 実際、確率にしてみれば、 俺たちがここから追いつけるかは20/1の確率くらいで、

 そこから先の試合。勝ち越すのであれば、ますますその可能性は消えるはずだが。



 高校生活、最後の公式試合で試合にでれている以上、必ず最高のパフォーマンスを発揮すべきだし、たかが1点の差で済んでいるうちから諦めるにはあきらかに早すぎる。


 一緒に壁になっていたチームの奴らと前線の奴らには、勝算があることを明示し。

 再びキックオフでリスタートするにあたって、全員がバラけるなか、ポジションが戻ってお互いが近づくなか、木元のほうにも一言お礼をいっておく。


「 いつもの気合いありがとな!」

「 作戦2でいくぞ!!! 」



手の甲で音のならない軽い攻撃で活を入れてくるなか、こちらがチーム全員に対してファールを獲りにいくよう伝えながら、


 


 " 審判が試合を面白くしようとしてこないか?,・" 俺のフリーキックの実力を知っている、むこうの元チームメイトたちへの牽制にはならないか。, を発言を聞かせることで突破口を模索(もさく)するなか、

 木元(きもと)は木元で、残り時間でどうにか追いつき。俺がなんとか試合からクビにならないようにしてくれる気があるらしい――。

 すこし前までは、軽く衝突することもあった仲なのに、ここで勝負にでてくれるのは地味に嬉しい。



 作戦2は前線の味方がピッチの中央のほうまではパスを繋がせ、誘いこみ。

 前線は退路を防ぎながらここぞというタイミングで挟み込む作戦で、

 


 本来俺が、渡のプレーするべきエリア。

物事がうまくいきそうであれば、誘おうと思ってた。

敵のRWGの若林を相手する味方の左LSBの後方のスペース。

 その両方のカバーをしてなければならなかったのを、1時的にせよ。

 攻められるリスクを背負ってボールを奪取にむかう許可をくれているわけだ。



 ( 勝利(しょうり)の可能性はまだある!! )



 再び、軽く笛が鳴り響き、、相手陣営を崩すため

にまたもう1度ボールをまわしてもらい。

 今度は左SB(サイドバック)から再びビルドアップを開始してもらうための横パスをだして、ラインをひとつあげる。


 むこうが目の前の敵を引きつけて、再び俺にボールを戻してくれたが、渡はプレスをかけにいくのを

わざとじっくりいくことで裏のスペースを空けさせようとしているのだろう。




 FWの龍はこちらにはこないみたいだし、セオリー通り。ドリブルでボールをもちあがりながら辺りを見回してみたりする。



 さて、どうしようか?…


 

―――――――

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