100日後に完全に寝取られる幼馴染
【閲覧注意】
直接的な描写は一切ありませんが、完全な寝取られモノです。
純愛好きは即ブラバ推奨。
運営に怒られたら消します。
「……ねえ、優斗。私たち付き合ってみない?」
「え?」
「ほら、やってることもうカップルみたいなものでしょ? それにこの年にもなって彼氏出来たことないってハズカシーし……どう?」
「俺はいいけど、真奈はいいのか?」
「私は……優斗だったら、ううん。優斗がいいの」
「俺も……付き合うなら真奈がいい」
「へへっ……なんだか照れくさいね」
高校最後の文化祭の打ち上げ、その帰り道。
幼馴染が彼女に変わった瞬間だった。
真奈のことを異性として意識し始めたのはいつからだったか。
ズボンばかり履いてたこいつが初めてスカートを履いてきた時?
部屋に上がるのが恥ずかしくなった時?
友達にお前ら付き合ってんじゃねーの、とからかわれて何も言い返せなかった時?
分からない。
恋に落ちる瞬間──そんなものは多分なかった。
気付いた時には、もう後ろ姿を目で追っていた。
それが恋だと、とっくに気づいてはいた。
でも言えなかった。フラれて気まずくなって疎遠になるのが怖くて。
俺はヘタレだ。付き合う前も、付き合ってからも。
──好きだ。
たったの三文字。一呼吸で伝えられる気持ち。
その言葉を口にすることができなかった。
初めてキスをした何回目かのデートの帰り道も。
初めて二人きりで熱い夜を過ごした卒業旅行のあの時も。
一度だって。
今になって後悔する。
大切なものは失ってから気付く。
──好きだ。
その三文字をちゃんと伝えることができていたら。
話の結末は変わっていたのかもしれない。
Day1
「ねえ、優斗! どう!?」
「あがっ……」
顎が外れそうになった。
それほどの驚き。
「大学デビューってやつ。結構イケてるでしょ?」
「いや、すげーよ。本当にびっくりした」
今日はエイプリルフール。
だから何もかもが嘘じゃないかと思った。
でも違った。
それは蛹が蝶に羽化するように。
それは蕾が満を持して華開くように。
待ち合わせ場所に現れた真奈は驚くほど綺麗になっていた。
いや、元からふとした時の表情がやけに絵になるな……とは思ってはいたが。
女は化ける。
使い古された言葉だが、ここまで化けるなんて。
「ねえ優斗? どう?」
「すげーよ、すげー似合ってる」
「えへへ……優斗のためにお年玉使って頑張ったんだよ?」
ばっちり整えられたロングヘアは黒く艶めいて。
フレアスカートを清楚に揺らす様は例えるなら妖精。
大人の色香と少女の無邪気さを奇跡的なバランスで両立させていた。
「大学は別々になったから会える機会……減っちゃうでしょ?」
「そうだな、でも毎日連絡するよ」
「それじゃ足りない。私は毎日会いたいよ」
「それは俺も同じだよ」
「だから今日は……いっぱい……シテほしいな」
「お……おう」
頬を赤らめて上目遣い。
破壊力は抜群。
この顔をされて堕ちない男子はいないだろう。
そう思わされるような魔性を秘めていた。
もちろんその日はお互い胸やけするくらい甘い情熱的な夜を過ごした。
Day10
「やぁっほ~」
「……!?」
「あれぇ、優斗、どうしたの~」
「……酔ってるのか?」
日付も変わる頃。突然の電話。
昨日も既読がついたのが深夜だったから心配していた俺は、いつ連絡が来てもいい様にスマホのメッセージ音を最大にしていたのだ。
着信をオンにすると明らかに呂律の回っていない上機嫌な真奈。
──酔っている。
すぐに察した。
そしてそれと同時に襲ってくる不安。
「酔ってないよ~」
「いや、酔ってるだろ」
「今日も友達たくさんできました!」
「分かったから……今一人か?」
「ううん、これから新歓の二次会~」
「……!?」
あ、これ絶対ダメなやつだ。
確信めいた予感。
ここで行動しなかったら絶対後悔する。
「今どこだ?」
「〇〇駅のあたりれす!」
「〇〇駅……車で30分ってとこか……」
「どしたの優斗、そんな怖い声出して」
「いいか、絶対に二次会には行くな。今から俺が車で迎えに行くから」
「えー……」
「頼むから!」
「むぅ~、分かったぁ……」
不満げな声。
絶対に電話を切るなよ、と言いつつ俺は車のエンジンをかけた。
背後からは男女の楽しそうな声がずっと聞こえていた──
Day20
あの夜は何とか事なきを得た。
「褒められて舞い上がってたの……ごめんなさい」
「何もなくてよかったよ」
真奈は反省しているようだったし、それ以上何も言わなかった。
ただ、男女での飲み会をする時は必ず俺に連絡をする──という約束を取り決めた。
本当は男女での飲み会に参加すること自体嫌だったのだが……束縛のきつい彼氏だと思われたくなくてつい妥協してしまった。
「お詫びに今日は……優斗のしたいこと、何でもしてあげる」
「……!?」
ごくり、生唾を飲み込む。
いつの間にこんなセリフを言えるようになったのか。
俺だけ子供のまま置いて行かれるような不安感。
「ねえ、どうしたの今日? めっちゃ力入ってて可愛かったよ?」
「何でそんな余裕そうなんだよ」
「私、大学デビューを成功させた大人だから」
「……舞い上がってたくせに」
「それはもう反省しました~」
どこまでも余裕そうな真奈。
その余裕の源は一体どこにあるのか。
俺も負けじと充実した大学生活を送ろうと心に誓った。
Day30
真奈が風邪を引いたらしい。
「ごめんね、今日デートの日だったのに」
「分かったよ、お大事に……看病に行こうか?」
「いや、それは大丈夫……その、うつしたら悪いし」
「……そっか」
お互いに一人暮らしを始めて一ヶ月が経った。
久しぶりの何の予定もない日。
「久しぶりにゲームでもやるかな……」
今日は積みゲーを消化しよう、と気持ちを切り替えた。
Day40
真奈と連絡が取れない。
風邪はとっくに治ったと聞いているのだが……。
最終送信履歴は二日前。
やることもないので、じっとラインの履歴とにらめっこ。
一時間ほど経った頃に既読がついた。
「ごめん、サークルとバイトが忙しくて!」
「そっか……ちゃんと眠れてるか?」
「正直やばい、今日も徹夜かなー」
「あんまり無理すんなよ」
「大丈夫、私今楽しいから」
「ならいいんだけど……」
「心配ならボッチの優斗に幸せのおすそ分けをしてあげよう」
「楽しみにしてる」
「それじゃ、今度のデートの日にまたね」
それ以来、デートの前日まで真奈と連絡がつかなかった。
Day50
「どうしたんだよ……その格好」
「えへへ……似合う?」
真奈のファッションは大きく変わっていた。
バイト代が入ったので新しく服を買ったのだと言う。
「俺は前の方が好きだけどな……」
「……私は今の私の方が好き」
思いのほか強い語気にゾッとする。
選択肢を間違えたらしい。
「ねえ、今日さ」
「うん」
「私がリードしてみてもいい?」
「それって……」
「えーと、優斗が気持ちよくなれるようにちょっと勉強したんだよ? だから、試させてほしいな」
ドキリ、と嫌な予感。
胸に広がる焦燥感は空気のように。
そこにあるのは分かってはいるけど見えない……もやのかかったモノ。
Day70
くそ、何もかもが上手くいかない。
憧れの大学生活は面白くもなんともない。
一部の陽キャにとっては天国、俺たち陰キャは地獄。
授業もサボりがちになって無為に過ごす日々。
「そうだ、真奈に会いに行こう」
今日の真奈のスケジュールは把握している。
授業もなければバイトも入れていない安息日だったはず。
ピンポーン。
車を飛ばして真奈の住むマンションへ。
バタバタと、部屋の奥から音がする。
サプライズだ、喜んでくれるといいんだけど。
「はぁ……はぁ……どうしたの? 突然」
出てきたのは額にうっすら汗を浮かべた真奈。
「それ……」
「ああこれ? えーと、今流行りのホットヨガ。スタイルアップにいいんだよ?」
「へー……そうなんだ」
「ねえ、どうしたの突然」
「いや、急に真奈に会いたくなって」
「甘えん坊なんだから」
「上がってもいい?」
一瞬だが目が泳いだ気がした。
漠然とした不安が形を持った物に変わる。
──浮気してるんじゃないか?
疑いたくはない。
だが、俺の直感がそう告げている。
ここで断るようなら……。
「上がるだけでいいの?」
「……え?」
「あ~、私今汗べっとりで気持ち悪いなぁ~」
「……!?」
シャツの襟もとを引っ張る真奈。
豊かな谷間がチラリと見える。
瞬間。
立ち昇る異性の香り。理性が奪われていく。
「ねえ、部屋に上がるだけでいいの?」
「……」
「一緒にお風呂……入らない?」
やっぱり俺の杞憂だった。
浮気をしているならこんな大胆に俺のことを誘ってくるはずがない。
安心した……。
安心したら元気になるところが元気になっていく。
「ほら、早く」
「うん……」
その日、真奈はいつも以上に大きな声を出していた気がする。
Day90
テストが近づいてきて真奈と会える時間が作れない。
連絡はむしろ前よりこまめにくれるようになったのだが、どうも素っ気ないのが気になる。
まあ、返事がない時に比べたらよっぽど安心だけど。
「夏休み、どうする?」
気が早いけど聞いてみた。
バイト代も入ったし……二人で旅行なんか。
「ごめん、夏休み。忙しくて会えないかも」
「え……」
「本当にごめんね」
急いで電話をかけた。
……繋がらない。
「今バイトの休憩中だから、ごめんね」
──いや、今日のこの時間は。
今日のこの時間は空きコマのはずだろ?
Day100
あれ以来、真奈から連絡がない。電話もつながらない。
スマホをチェックし続ける日々。テスト勉強にも身が入らない。
便りがないのは元気の知らせ。
そうは言うが限度と言うものがある。
──もう一度、真奈の家に行くか?
さすがに連絡なしでは来ないで、とは言われたけど。
その時、スマホの通知が鳴った。
目の色を変えてスマホに飛びつく。
「なんだよ……迷惑メールかよ」
がっくりと首を落として、スマホを置こうとして──目を疑った。
そこに書かれていたのは……。
優斗へ
別れましょう。
メールには一本の動画ファイルが添付されていた。
救いはない。
男女問わずNTRはいいですよね。私は大好物です。
このように直接的な描写一切なしでも、成立させられるんですから。
ただし、NTRは本来純愛の日陰にいるべき存在。
簡単に副菜のように添えるだけのNTRってどうなの?ってモヤったので書きました。
NTRは……主菜なんだぁああああああ!
R18にはなりますが、真奈視点も需要があるなら書いてみようか検討中です。
さて、ここまで読んでくれたあなたは私と同好の士なのでしょう。
下の★★★★★から応援してくれると嬉しいです。