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悪の組織は正義の味方  作者: 天乃 銀河
第一章 ジャスティス誕生
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第2話 魔族が支配する世界

 DA DA DA DA DAN !


 俺の胸元を弾丸が貫くまで一瞬だった。


 銃殺刑・・・


 街中(まちなか)で魔族様に、からかい半分で娘が因縁をつけられた。


 この街ではよくある光景だ。


「申し訳ありません、赦して下さい」


 娘を庇った時に俺の肩が軽く当たってしまい、魔族の男は転倒してしまった。


 不味いと思ったが、時すでに遅し。


 俺はすぐに魔族の警官に連行された。


 魔族は人間族に対して特権がある。


 魔族が人間族を殺しても罪にならない。


 生かすも殺すも悪族の気分次第なのだ。


 その場ですぐに殺されなかっただけでもマシかもしれない。


 否、どっちもどっちか?


 魔族が治める、とある王国で俺は暮らしていた。


 数百年前までは我々人間族がこの世界の頂点に君臨していたらしい。


 その頃の魔族は大人しく、人間族に逆らう者は殆ど居なかったそうだ。


 人間族は魔族に対し好き放題していた。


 そう、今、魔族が俺達人間族にしている事と同じ様な事を・・・


 数百年前のある日、突如、魔王がこの世界に降臨した。


 そこから人間族と魔族の立場はあっと言う間に逆転したのだ。


 我々人間族のご先祖は、土地を奪われ虐殺された。


 否、土地を奪い返され、散々虐殺した魔族に仇討ちをされた。


 正に人間族にとってみれば自業自得である。


 しかしながら、その当時に俺が魔族に対し悪い事をしたわけでも何でもない。


 どうして数百年後に生まれた俺が、人間族だと云う事だけでこんな酷い目に遭わなくてはいけないんだ。


 俺は魔族よりも、むしろ、当時悪事を働いていたご先祖を恨んだ。


(まああの状況では魔族に因縁つけられた娘だけでも助ける事は出来て良しとするしかないか。

 悲しいけどこれ現実なのよね)


 最後にそう思い、俺は目を閉じた。


 深い穴にどんどん落ちて行く感覚。


(やがて意識が無くなってしまうんだろうな。

 これが死ぬ時の感覚か・・・

 段々意識が無くなって・・・

 あれ?

 寧ろ意識がハッキリしてきたんだけど?)


 気が付くと俺は白い空間に居た。


 体の感覚は無いのだが、俺が今この得体の知れない空間に存在している事だけはハッキリ分かる。


(ここはどこだ?)


「またこうなってしまったのですね」


 誰かの声がするや否や精神に直接、雷が落ちて来た様な感覚を覚えた。


 DOKKAAAANG !


 俺は意識を失った。

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