表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪の組織は正義の味方  作者: 天乃 銀河
第一章 ジャスティス誕生
1/44

第1話 最後の黒い卵

「グハーッ!

 我がジャスティスに栄光あれー!」


 DOKKAAAN!


「ああーっ!

 ハリネズミくーん!」


 ライトは叫んだ。


「お前達の悪巧みは許さない!

 いつでも相手になってやる!

 大首領、次回はお前の番だ!

 首を洗って待っておけ!」


 そう言葉を残してヒーロー達はバイクに(また)がり、颯爽(さっそう)とその場を去って行った。


「ああ、ハリネズミ(くん)まで殺られてしまった。

 戦闘員も皆殺しじゃん」


 俺はアジトに逃げ帰るしかなかった。


 カスガの村。


 ここが俺の生まれ育った村だ。


 この村には小さな湖が在り、(ほとり)の洞窟奥に俺はアジトを構えている。


「遂に俺一人になっちゃったな。

 残されたのは大事に取っておいたこの黒い卵一つだけ。

 いったい今まで何人の怪人と戦闘員があいつらに殺られて散っていった事か・・・


 俺は天井を見上げて涙を(こら)えた。


「父さん亡き後、引き継いだこの組織を絶対にこのまま終わらすわけにはいかない!」


 俺は、ぐっと唇を噛んだ。


「覚悟を決めないとな。

 最終決戦だ」


 俺は最後の卵を大事に手の平に載せて奥の部屋に移動した。


 その部屋の中央には人が入れるだけの大きさの強化ガラスで出来たカプセルが一つ立っている。


 カプセルには金属製の管が繋がれており、その長い管を辿って行くと、俺が今立っている場所に在る小さな金のお皿が目に入る。


 怪人製造ガチャポン。


 科学者であり考古学者でもあった父から受け継いだ大切な機械だ。


 俺は虎の子の黒い卵を金の皿に載せ、赤いレバーを引いた。


 ガシャン


 黒い卵は管を通ってカプセルの方へ進んで行く。


 金の皿とカプセルの丁度真ん中辺りにはブラックボックスがあり、卵はそこで殻を割られて気化する。


 気化した卵の中身は更に管の中を進み、やがてカプセルの中は黒い煙で満たされた。


 果たして・・・


 強化ガラスの扉はゆっくりと開いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ