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前開きの上着からは盛り上がった大胸筋~割れた腹筋がチラ見え、大腿四頭筋がズボン…おっとボトムスを押し上げている…!
何てかっこいい体なんだ!所々羽がついてる服のセンスは共感できないけど…
待って、この距離に何でこの体が?え?お酒は最近飲んでな、未成年だから飲んだ事ないよ?先輩方の卒業祝いのお相伴も春休み半ば予定とかだったし?
頭を抱えてた手で顔を触ろうと思ったら、これまたむっきむきな腕を持ったゴリゴリの厳つい手が向かってきてビビる。
「うおっ」
飛び退いたつもりがかっこいい体も一緒に動く。まじでか。
もしかして…これは俺なの?はっ!まさか転生とか言うやつ!
いやいや事故にも火事にも遭ってないし餓えてもないし生活は多分楽じゃないけど…とかぶつぶつ言いながらじっと手を見る。
ぺとっ
「何してるんですかさっきから。仕事溜まってるんですよ。勇者たちの後ろだての国に請求をしなくては」
吸い付くようなぷにっとした触感があった肘より下の左腕に、見たことがあるような色形のものがくっついていた。
さっき食べたやつ?細長いそれを追っていくと5メートル先くらいの角にある重厚なアンティークっぽい机にスライムが居た。
「うわあああああ!」ダンッバリメリバリバリッ
思わず後ろへ跳び退こうとしたら壁に当たったみたい…でそのまま壁が破れた。嘘でしょ?
ガラガラッ ガラッ 足元が無い…だと?!
あ、転生終わった…
シュルシュルシュルルル
ガッ ガッ シュルン ドスッ 「いでっ!」
割れた壁(外壁は岩煉瓦)の穴から4つ触手っぽいのが出てきて両足首を掴んでお腹に巻き付いて。最後は上から頭に攻撃が成されたのだった。
主人公)パンツって言いにくいお年頃でズボンを常用(親のが移ったともいう)。最近はファッション雑誌を読んでボトムスって言うようにしてる。