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うおおおおお おんもいいいいい 圧し潰されるううう!
飛び出ちゃいけない何かが出ようとしてるから、胃液が口のなかに満ち満ちてきてるからああ
序でに下も限界、お年頃だから、お布団に地図描いたりしたくないんだからああ
毛皮の目は完全に閉じ、さっきまでふかふかだったものは急に重くなって俺の体を圧迫してくる。
クラスメイトの寝相の悪さのせいでちょっと逝きかけた中2の修学旅行の朝を思い出した。
意識のない人の体って重いんだよ…
目玉を起こせばいいのか?でも食われるかも知れないし…
まだ死にたくないし…
もう死にそうだけど…
えーい、一か八か!
こちょこちょこちょこちょ
だめだ、ピクリともしやしない…
その後も足でつついてみたり、毛を引っ張ってみたけど目玉は動かない。もうだめだ…だって胃液が出ちゃう、人間だもん☆
「ごふぉ ごっふぉ ごほ」べちゃっ
喉に胃酸の刺激が強かったのか、遂に咳が出て目玉に液体がつき。目玉がひんむかれて視界は白に染められてファサッと重圧がなくなった。
と、ともに。
体が見えたのだが、そこにあったのは俺の知ってる中学指定のジャージを纏ったひょろいDKの体ではなく。
F◯に出てくる装飾過多の ―――でも装飾は全部黒―――
何かいい感じに筋肉のついた ―――憧れのシュ◯ちゃんのような―――
かっこいい体だった。