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ん、ふかふかな布団の感触。母さんいつもありがとう…面とむかって言えないけど感謝してる…だけど掃除でお部屋のクローゼット開けないで、マジで。アレは先輩から受け継いだ秘宝なんだ、俺の趣味はもっとこう清楚で黒髪がちょっと長めのお姉さん気質の娘なんですよ。でも、ぼんきゅっぼんもいいよね。
何か頭が痛いんだけど寝過ぎかな?もうすぐ夕御飯だろうし起きようかなー んふふ
「秘宝?キシツノコ?ぼんきゅっぼん?おいしーやつ?」
何かちっちゃい女の子の声がするぞ?はて?
ぱちり
「あ、まおーさま起きたよー イェデン!」
熊の手のようなものが視界の真ん中で揺れている。黒々とした爪がでかい。ひー殺られる!
「やっとですか。私は仕事が一段落したら相手しますから、先にシェンチ辺りに使いを出しなさい。」
「わかったー」
何か会話が聞こえて熊の手が消え、体育館の舞台にある幕みたいな布が上にぶら下がってるのが見える。ふかふかの感触はあるからベッドか?
どっすん どすどす…
「静かに!書類が崩れる!」「わかったー」ドスドスドス…
うわ、世界が揺れた。震度6とかってこんな感じかな?4までの体験で十分怖かったけど。視界が定まらないし、ふっかふかのお布団でも揺れるんだな…天井が落ちてこなくて良かった。
おもむろに布団を掴もうとして手元を見ると布団と目が合う。
!布団と!?
白いもふもふの毛皮のなかに大きめの目玉がぎょろりと俺を見ている。よくよく見ると耳みたいなのもある。口は見つけられないけどたぶん毛がふさふさ過ぎて埋もれてるんだろう。
ん?するとこれは生き物なのこれ?そういえば暖かいような…
目を逸らすとヤバイ気がしてつい見つめてしまったが巨大すぎて勝てる気がしない。
食われるの?これ食われんの?
次第にあっちの目がとろーんとしてきた。よっしそのまま眠るんだ。眠ってる間に抜けてやる!
とか思ってた時期が俺にもありました。
何なん?感触リアルなんだけどリアリティーがないよ!夢なら覚めて!
主人公)クローゼットは魔窟化してますがなぜか察知されるのです。不思議。本命はパソコンの中だけどね!