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開いた視界いっぱいに、たくさんの色・形・大きさの目。
何か見られてる、俺を見まくってる!
有象無象、魑魅魍魎、玉石混合、種々雑多ー!
「ぎ、(ぎやあああああゃぁーーーーー!!!!!)」
怖えええええええええええ
怖いと声にならないってほんとだね、やばいね。
何ちゅー夢なん?枕さん今すぐ変えて!ハーレムでうふふな夢に変えて!見たことないけど!
ぎゅっと目をつぶり直して毛布と枕の感触を探す。あれ?手がっていうか体が動かない!
「まおーさま?赤ちゃんみt「お前は黙っていなさい。」
ガキッベクォブッシャアア シャー
何か生暖かい雨が降ってきてる。何々さっきの何の擬音なの?
「魔王よ、どうなさったのですか?魔術師に術をかけられたぐらいで。目が開かないのですか?魔眼もあるでしょう。」
すごく平坦な声が聞こえる、ついでに何か腕をぐりぐりされているような…ちょっと痛いんだけど、何で夢なのに覚めないの?
「やったか!?」「つ、ついに倒したのか!?」
「こんなさぱっと倒せるもの?」「倒した?帰っていい?」
遠くから幽かにこんな声も聞こえる…どーゆーこと?
腕のぐりぐりが次第に骨に響く重みと力が加わってきている。痛い痛いいたーい!だから何で目が覚めないの?俺の潜在意識はドMだったの?
「寝たふりなんて貴方がすることもあるんですねぇ。貴重は貴重ですが、眉間に皺がよってるんですよ、爆発でもするんですか?するなら早くしてアレ追っ払って下さい。仕事が滞る。」
ミシミシ…ミシ 右腕がある一点を境に2つにわかれようとしてるうう!
「ギャー止めてください!宰相閣下、魔王様が本気で暴れたら魔界半壊します、第三呼び出したんで!勇者相手させるんですぐ魔王様どっかに避難させてください!ごふぉ、
第さ!!せいれっ!」
ガチャガチャ、バサバサ、ドスドスという音と焦りすぎて掠れた声が近寄ってくる。たぶん最後聞こえてなくない?
ふと腕の圧力が減って、生暖かい雨も止んだ。でも何か生臭いしベタベタするし目開けにくいな…
「んー、これ魔法効いたのかな?えい」
ゴッ
緊張感のない声と共に頭に衝撃が。