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【STG】狙撃手のβプレイ

作者: 結城明日嘩

「こちらキーマ・ブラック。敵影を確認、データリンク共有」

「確認しました。隊長、流石っすね。どうやって発見してるんスか?」

「長年の勘……だな」

「またまた〜俺たち同期じゃないっスか」


 ここで言う長年は、このゲームに限った事じゃない。長らくネットワークゲームのファーストパーソンシューティングを続けてきて積み重ねた勘だ。

 ネットワークゲームで遠方に新たなオブジェクトが配置される時に生じる僅かなラグ。それは小惑星かも知れないし、廃棄物かも知れない。

 それを感じた瞬間に視野を極力フラットに、広範囲を眺めるように、どこも注視しないように意識を広げる。

 すると何らかの違和感を感じるのだ。

 絵の一部が時間と共に変化していくクイズの間違い探しをやるように、わずかな変化を感じれるかどうか。それが索敵のミソだ。


 違和感を感じたポイントを遠距離狙撃用レールガンのスコープで覗けば、撃つべき敵を発見できる。

 ただそれだけの事だ。


「いくぞ、野郎ども!」

「あいあいっ」


 レールガンにより加速、発射された弾丸を追うように、俺達キーマ・ブラック小隊は加速を開始した。





「ふぅん、VRの宇宙モノねぇ」


 俺はFPSをメインに遊んでいたが、ややマンネリ化してしまって新たなゲームを探していた。

 そんな時に目に入ってきたのが、宇宙を舞台に宇宙船を駆るVRゲームのβテスター募集の広告。VRが発表された当初から、コックピットに乗り込む疑似体験タイプのVRゲームは脚光を浴びた。

 レースゲームやフライトシミュレーター、宇宙船に乗るものも販売されている。しかし、それはやや下火になっていく。その最たる理由は『酔うから』だ。

 特にエアコンバットを行うような戦闘機を題材にしたVRゲームは、天地がひっくり返ったりして、視界がぐるぐると目まぐるしく動いて平衡感覚が狂う。そうなるとどうしても酔ってしまうのだ。


「それを解消するには、もっとフレームレートを上げる必要があるが、要求されるマシンスペックも跳ね上がるはずなんだが……」


 どうやらそのゲーム専用の機器を開発する事で、最適化を行うことで作業効率を上げて対応しているらしい。

 汎用的なOSはどうしても色々なCPUで動かすために処理を取られ、100%の性能を発揮することはできない。一社提供のハードに同社のOSを組み込んだスマホがスペック以上の安定性を発揮するのはそのためだ。


「しかし、そんな専用機を販売したとして、売れるのかね?」


 現状で1つのゲームしか遊べない機械ハードでは、今のユーザーは満足しないと思われるが……もしかしたら、アミューズメント施設での稼働を見据えているのか。


「外国の会社ね。まあ、この手のゲームは洋ゲーの方がクオリティ高いか。ただ日本でもテスター募集してるってのは、結構本気度は高いな」


 VR自体はFPSで体験済みだが、戦闘機モノはやったことがない。ダメで元々だし応募してみるか。

 そう思ってフォームからメールアドレスを送信すると、すぐに返信がきた。自動返信メールだろうと思っていながらも、一応確認すると、当選メールだった。

 無審査で当選を決めるというのは、十分な数のテスターを確保できていないという事か。


「おいおい、どんだけ閑古鳥が鳴いてるんだよ」


 そう思いながらもメールを確認。住所を求められて一瞬躊躇するが、バレて困るような場所でもない。あっさりと送って配送当日を待った。





「ほぅ、これは……」


 届いた機器をセットアップして早速起動すると、俺は星の海の中にいた。今まで体験してきたVRは、地上を舞台にした人が銃を持って駆け巡るようなゲームばかりだ。

 こうして全方位が星の海というのはプラネタリウム以上の浮遊感というか、無重力を感じられる。

 実際は椅子に座っているはずだよなと手を動かすと、ちゃんと椅子に触れる感触がある。が、それは俺の座る椅子じゃないな。肘掛けもない椅子のはずが、身体を包み込むようなバケットシートになっている。

 売り場で試したゲーミングチェアに近い感覚だ。


「これがリストバンド型コントローラーって訳か」


 触覚を再現するというコントローラーは、このゲームの目玉の1つだ。指の動きを検知して操作できるというだけでも進歩したなと思うが、感触も再現できるとなると、没入感は更に増す。


「これで銃を撃ってみたかったな」


 銃の携帯が許されない日本では、実銃に触れる機会なんてない。ハワイとかで実射を体験できるそうだが、そこまで出費するほどでもない。

 ただ家にいながら手で触って、色々な制限もなく撃てるなら試してみたかった。


「ま、今はコレか」


 椅子から飛び出ているスティックを握ると、その感触が伝わってくる。


「マニュアルは……?」

「マニュアルを表示します」

「うぉう」

「すいません、認識できませんでした。もう一度、発言してください」

「いや、何でもない」


 どうやら音声認識機能があるようだ。つくづく進歩したなぁと思いながら、マニュアルを確認。右が方向を操作するスティックで、左がスロットルね。車の運転とはかなり違うので戸惑いそうだが……やってみるしかないな。

 そう思って操作を行う。右のスティックは、動きに合わせて星々が動くので分かりやすいが、左のスロットルは押しても引いてもよく分からない。スティック越しに振動は伝わってくるが、星の位置は変わらなかった。


「これ、進んでいるのか?」

「はい。加速エフェクトを表示しますか?」

「ああ、頼む」


 そう言った途端、前方から後方へと光の粒子が流れるように表示された。スロットルを戻すと動きが止まり、逆に入れると今度は後方から前へと光の粒子が動いていく。


「なるほどね。これなら進んでるのが分かりやすいな。で、次は何をすればいい?」

「では、チュートリアルプログラムを始めますか?」

「ああ頼む」




 チュートリアルでは、小惑星の間を飛行したり、円盤状の標的を破壊したりして一定の操作を教えられた。まあ、基本的にはFPSと変わらない。正面に捉えて、引き金を引く。

 まあ、視界が前方だけじゃなく全方位、上も下もあるというのは新しい感覚だ。

 危惧していたような酔いも今のところは感じない。


「よし、次は?」

「チュートリアルを終了されましたら、受付にて名前の登録と、チュートリアル結果から判断された適性機の配布が行われます」

「ん……適性機?」

「はい。初期配布の宇宙船にも幾つか種類がございます。多くは戦闘機に分類されますが、ドッグファイトに適した機動性重視のものや、機雷散布型、ミサイル重視型など武装に特化したものなどです」

「ふぅん。さっきのプレイでね」


 チュートリアルを言われるままにこなしただけだが、それで判断できるものかね。

 そう思いながら俺はコックピットを出た。


 サポートシステムの球体アバターに導かれるように受付に行くと、美人な受付嬢がにこやかに迎えてくれる。


「こちらにお名前をお願いします」


 そう促されてタブレット型の入力端末に名前を打ち込む。


「キーマ・ブラック……と」


 今日の昼飯で、久々の逸品と感じたものだ。スパイスが効いていて、辛いだけじゃない複雑な風味。見た目が真っ黒だったが、煮詰められたその感じがまたよかった。

 まあ、βテストだし安直に決めても問題ないだろう。


「キーマ様ですね。了解しました。先程の初期訓練チュートリアルで適性の合った機体が用意されています。パーソナルルームから格納庫にアクセスできますので、確認してください」

「この場じゃわからないのか……まあ、いいや。パーソナルルームへはどうやって行けばいいんだ?」

「左手のコントローラーを使用します」


 サポートシステムの球体に単眼カメラの付いたアバターが飛んできて、案内を引き継いだ。いつの間にか左手に握っていたコントローラーを操作すると、パーソナルルームへと転送される。

 四畳半ほどの飾り気のないワンルーム。ベッドと机があるだけだ。コントローラーを操作して机に近づくと、途中からは自動で座ってくれる。


「さて、俺の愛機はどんなのだ?」


 チュートリアルで測られた適性とやらが気になった。

 メニューから格納庫を呼び出し、そこに表示された機体を確認する。


「ベア型狙撃支援機……か、悪くないねぇ」


 映し出された機体は、ややずんぐりした丸みを帯びた形の戦闘機に、大型の銃器を担いでいる。


「初期兵装はレールガンね」


 銃弾を電磁加速させて撃ち出す実弾兵装。弾速は光線レーザー粒子砲ビームに劣るものの、エネルギーシールドでは威力を減衰しにくく、攻撃力に勝る。

 サブウェポンとしてレーザー兵器も積まれているが、威力数値は雲泥の差があった。

 その分、速射性は低く一発必中が求められる玄人向けの武器だ。


 FPSでは狙撃手スナイパーの経験も多かったのだが、それを短いチュートリアルで見抜かれたって訳か。チュートリアルをやっていた時の酔わない感じといい、リストバンド型コントローラーといい、なかなか高度な技術が詰め込まれたゲームらしい。


「で、次はどうすりゃいいんだ?」

「任務リストから任務を選択して、出撃する事ができます。また、自由出撃としてエリアを選択して出撃する事もできます。任務から出撃すると、決められた敵を撃破したり、決められた区画を哨戒する事で報酬がもらえます。また、敵を倒した場合は、それに応じた報酬と撃破した機体などから素材を得ることができます」


 発見された敵を倒すミッションやパトロールミッションがあるって事だな。

 とにかく敵を倒せばボーナスがあると。

 任務を受ければ、敵が出てくるけど、自由出撃するとランダムで出るかどうか、何が出るかもわからない……と。


「まあ、最初は基本的な撃破任務からだな」

「了解しました。現在のところ、こうした任務があります」

「初期から結構あるんだな」


 出てくる敵の種類は、海賊船か他次元生物。海賊船は犯罪者の船って事で、他次元生物は、宇宙に住む化物って事になっている。

 敵国などは今のところなくて、大型の戦争はなさそうだな。

 それでも脅威度に応じたランク付けがされていて、種類は豊富だ。


「海賊船の低ランクから始めてみるかね」




 格納庫からリニアカタパルトに乗って一気に加速。途中で転移ゲート、いわゆるワープ装置を経由してから当該宙域に到達する。

 三次元マップに輸送船が襲われたポイントが記されていて、そこから一定範囲が捜索エリアとなっている。

 襲撃からの時間で捜索エリアが徐々に広がっていき、一定距離まで広がると探査範囲が広くなりすぎて達成不能となるため、任務失敗となるらしい。


「真っ直ぐ逃げるとは思えないものの、現場近くに留まる事もないと。後は惑星などの地形を考慮しつつ逃走ルートを予測して動いていかないとな」


 同心円に広がる探索エリア、方向を間違えるとかなりのロスになる。襲われた地点は見晴らしのよい宙空エリアだが、その周辺には機体を隠せそうな小惑星帯があった。

 普通に考えればここらに潜伏して獲物が通るのを待ち、一気に襲ってから再び身を隠す……といったところだ。


「初期任務で凝った事をする必要もないし、シンプルに小惑星帯を探索か」


 問題はどうやって探索するかだ。実際に近くに行って探せば、相手が飛び出てくる可能性はあるが、奇襲を受けるとこっちがやられる可能性も出てくる。

 真正面からの撃ち合いなど、スナイパーにとっては愚の骨頂。相手に気づかれずに仕留めるのが、エージェントってもんだな。

 かといって光学センサーで小惑星を1つずつ探すというのも、制限時間がある以上、現実的ではない。

 理想的にはこちらを警戒していない敵が、自発的に小惑星帯を出てくる事だが……。


 こちらの武器はレールガン。銃弾を加速して発射する武器だ。

 その1つのメリットとして、銃弾の種類を変えれば、その性質を変える事もできるということだ。


「粘着弾……そんなのもあるのか」


 的に当たるとトリモチ状の粘着素材がちらばり、相手の動きを拘束する事ができる。ただし、十分な推力を持っていると振り切る事ができる。


「どちらかというと足止め用の弾で、無力化するための手段ではないと」


 しかし、おかげで1つのアイデアが浮かんだ。




 襲われた輸送船は、コンテナを引っ張って移動するブラックイール型という小型艇。先頭のコックピットを撃ち抜かれ、引っ張っていたコンテナをごっそりと奪われていた。

 ただコンテナを引くには、それなりの推進力が必要なので、ひとまずは小惑星帯に引っ張るとしても、本格的に逃げるには必要最低限を取り出して積み替える必要があるだろう。


 そう考えると襲撃地点から最も近い小惑星ポイントからさほど離れていない距離にいるはず。

 それでも漂う小惑星は二桁を数える。その陰に隠れている宇宙船を、一つ一つを探査するには時間がかかる。

 できれば小惑星帯から出てきて欲しい。


 そこで小惑星の1つに、粘着弾を撃ち込む事にした。重心から少しズレたポイントを狙撃すると、小惑星は回転を始めながら動き出す。地上での狙撃と違って、重力も風も影響しないので、ほぼ狙ったポイントを外すことはなかった。

 そして回転した小惑星は、近くの小惑星へとぶつかって、跳ね返る。ぶつかられた小惑星も動き出し、また次の小惑星へとぶつかっていく。摩擦も空気抵抗もない宇宙空間で動き出した小惑星は、その運動エネルギーを分け合いながらも、動きを止める事はない。

 更に最初に弾を受けた小惑星は、粘着面で他の小惑星にぶつかると、相手とくっつきながら動くようになり、重心がブレながら他を巻き込み、成長しながら暴れまわる。

 それらの動きを予測するのは困難を極めた。そんな衝突を繰り返す小惑星帯の中に隠れていたら、いつ潰されるかわかったもんじゃない。

 もちろん、通常の宇宙船なら回避可能な速度でしかないが、コンテナから荷物を回収しようと停泊してたらペシャンコだ。

 ただ銃弾一発ではそれほど小惑星も暴れない。更に幾つかの小惑星へと弾を撃ち込み、混乱を加速させていった。



 やがて辛抱しきれなくなった海賊船が小惑星帯から飛び出してくる。攻撃されていることは分かっているので、回避行動はとっていた。

 ただどこから撃たれているのかまでは分かっておらず、その動きはデタラメに過ぎない。


「見えない狙撃に対する逃げ方って、どっかパターンがあるのよね」


 FPSスナイパーとして、色々な敵を撃ってきた経験広がりながら追い立て、追いつく。

 レールガンの威力は質量×速度の自乗。多少、質量は落ちても速度が十分に残っていればそれなりのダメージは出る。

 それに分散弾だけで仕留める必要はない。足さえ止めれば、通常弾が当たる。


「ビンゴっ」


 分裂弾の後に発射した通常弾は、羽根を失い、エンジンも壊れた海賊船を綺麗に貫いていった。


「任務終了です、マスター」

「おうよっ」

「結果は、サブモニターに表示されます」


 足の間からせり上がるようにして正面に来ているモニターに、任務結果が表示された。


「んん?」


 その評価はC、ギリギリ合格、一応、報酬は出すけどボーナスはなしといった点だった。


「なんでこんなに低いんだ。相手に見つからず一方的に沈めたし、時間も全然かかってないはずだぞ」

「評価詳細を表示します」

「……」


 その評価結果を見て落胆する。今回の任務評定には、コンテナの回収が大きなウェイトを占めていた。そして肝心のコンテナは未だ衝突を繰り返している小惑星の中。回収不能として、海賊船を撃破した評価だけのクリアになっていた。


「今度からサブミッションの内容も確認しないとな……」


 人は失敗から成長するものだと己を慰めつつ帰投した。




 失敗もありつつ、幾つも任務をこなして、自機を強化していく。俺のカスタマイズは、結局はチュートリアルの示した適性に従って狙撃艦としてのチューニングになっていた。

 機動性はそこそこで、出力もそれほど高くはない。メインウェポンはレールガンのままで、多少口径は大きくしたもののそこまでの強化はしていない。

 俺が最もコストを掛けたのは、索敵性能だった。大型の円盤レーダーを機体上部に設置、更には射出型の広域探査機などを複数配備。通信機能なども拡充し、後方支援能力を向上させている。

 また光学望遠の高解像度スコープなど、レーダーで敵を探すのがメインで宇宙では趣味の範疇みたいな装備も付けてしまった。

 ただスナイパーとしての矜持というか、肉眼での捕捉というのが、最終的な命中率に影響すると思っている。


 そんな俺がメインでこなす任務は、他次元生物の撃破になっていた。他次元を渡り、神出鬼没の生物。それを狩るには、ある種の勘がモノを言う。

 任務を受ければ必ず敵は出現する。問題はそれをいち早く発見できるかという点だ。

 通常なら宙域を探索しながら索敵するのだが、俺の場合は宙域の真ん中に居座り、射出型広域探査機を派遣して網を張る。後は他次元生物が現出する時に発するノイズを感じて、そこへレールガンを撃ち込む簡単なお仕事だ。


 そうやってポイントを稼ぐうちに、撃破数ランキングではかなりいい位置を保っている。


「ただ、もう少し狩りの幅を広げないと上位は狙えんなぁ」


 探査能力に多くのコストを割いているだけに武装はそれほどでもない。スナイパーとして、一撃必殺を狙いたい性分でもあるので、どうしても相手の強さは一定以下になってくる。

 ダメージを与えても、接近されると機動性に劣る機体では不利になるからだ。

 大型の他次元生物を倒すには、火力を上げないといけないが、その為にはコア出力を上げなければならず、そうなると機体に対するコアの占有率が高くなって、空きスペースが減って、レーダーを減らさなくてはならなくなる。それを避けるには、船体を大きくしなければならず、そうなると最低限の機動力が削がれて動けなくなるのでブースターを積んで……と、どんどんバランスが崩れてしまう。


 現状において今のバランスが俺には合っている。下手に機体をいじるよりは、外に改善点を求めるべきだろう。


「アップデートで、連合ユニオン機能の解放ね」


 ゲームによってギルドとか、チームとか様々に呼ばれるコミュニティ機能が追加されるらしい。これにより、協力プレイがやりやすくなる。

 今も任務によっては多人数プレイも可能だが、その都度集まる人が変わる野良プレイしかできない。

 連合ができることで、仲間内でそうした多人数参加の任務にあたることができるようになり、きっちりと役割を分けたパーティプレイも可能となるのだ。


 俺の機体は『後方支援型』に分類される。つまりは主攻ではなく、助攻の役割だ。仲間を助けるのが、正式な立ち位置であり、仲間がいた方が性能を発揮できる。


 問題となるのは狙撃型って所だろう。

 FPSでは概ねスナイパーは敵味方から嫌われる傾向にある。敵としてみれば見えない所から一方的に殺されるのだから溜まったもんじゃない。

 そして味方としてみても、安全な所からキル数だけ稼いでいく寄生虫パラサイトの様に扱われる事が多い。

 実際は敵の偵察兵スカウトに見つからないようにポイントを移動しつつ、極力戦場に介入しながら、味方の援護をするのがスナイパーの仕事なんだが。

 まあ、ネトゲだと見つからない所に隠れて、目の前を通り過ぎる敵だけ撃つような芋スナと呼ばれるようなプレイヤーもいるので、仕方ないといえば仕方ない。


「何にせよ、支援機として雇ってくれる所を探すか」

「自分で連合を作ることもできますが」


 連合を作るのはある程度のコストを支払えば誰でも作れる。ただいたずらに作って見たところで、人が来てくれないと意味はない。

 といって、メンバーを増やすために勧誘して歩くというのも性に合わなかった。

 適当な所に入れてもらってその中で恩恵も受けつつ、貢献できればそれでいい。


「連合リストを出して」

「はい、マスター」


 アップデート直後に作られる連合は、人が集まりやすい。やはり自分で作るリスクを考えると、自分で作るよりは入れてもらって連合がどういうものかを体験するのが楽だ。

 その上で、肌に合わなかったら抜けるだけ。

 連合内で仲良くなった仲間で独立して新しい連合を作るというのも良くある話だ。

 また連合のリーダーもその辺を見越しつつ、規模を確保してメリットをしっかりと享受するのを目指しているはずだ。


 連合のメリットは任務に向かうチームを作りやすくする他にも、敵を撃破した時の素材を共有して、自機の強化をしやすくするとか、海賊プレイヤーに狙われにくくなるなどがある。

 海賊プレイヤーは、いわゆるPKプレイヤーキラーで、プレイヤーを倒すことで素材を集める犯罪プレイをするプレイヤーの事だ。ぶっちゃけ、ペナルティーが多すぎて実際にやると損ばかりなのだが、プレイヤーを狩る事自体が楽しいというプレイヤーもいるらしい。

 そうしたプレイヤーに攻撃された場合に、連携がとれる仲間がいるというのは大きい。自分を攻撃したら、連合が黙ってないぞ。という睨みが効く。

 逆に連合に入っていない事で狙われやすくなる可能性もあった。


「まあ、βテスト中にそこまでの海賊は出ないだろうけどな」


 そう思いつつ連合のシステムを理解するにもどこかに入っておきたい。リストを眺めていくうちに、1つ目に止まった。


「Foods連合ね」


 連合リーダーはヤキソバで、続く名前はイクラ丼、ナポリタン、黒毛和牛などなど。

 入隊条件は無くて、出入りも自由と。

 適当に付けた名前だが、何かの縁だしここにしてみるか。

 入隊申請を送ってみると、無審査で入隊が認められる。


「で、何ができるようになるんだ」

「はい。連合に所属すると、連合のロビーに入れるようになります。その他、任務を受ける際に連合メンバーに共闘勧誘を掛けたりできます」

「ふぅん、とりあえずロビーに行ってみようか」

「手元のコントローラーから転移できるようになっています」


 早速、連合ロビーへと転移した。



 連合ロビーはパーティ会場くらいの広さで、丸テーブルが幾つか据えられていた。そこに5人のプレイヤーが腰掛け、談笑している。

 が、そのアバターは遮光フィルターの貼られたフルフェイスヘルメットで、顔が見えない。そういえば、自分の姿を確認したことはなかったし、キャラクターメイクする事もなかった。

 デフォルトがこの姿なのかとやや引き気味に認識する。

 そんな俺に近づいてくる人がいた。


「やあ、はじめましてだね。えーと、キーマ・ブラックくん」

「は、はじめまして……」


 そう答えながら、何やら手元を確認している相手を観察する。どうやらコントローラーから引き出した仮想ウィンドウを見ているらしい。


「俺は連合リーダーのヤキソバだ。ひとまず、よろしく。まだ見学レベルだというのは理解してるから、色々試してみてくれ。まずはコントローラーの使い方とかかな」

「は、はい」


 それだけ言うと、ヤキソバは俺の前から移動していった。


「コントローラーの使い方は?」

「はい、マスター。転送画面を呼び出すように、コントローラーから仮想ウィンドウを引き出してください」

「ああ」


 左手に握っているコントローラーの柄の部分から、仮想ウィンドウを引き出す。巻物を広げるように、ステーション内のマップが描かれた画面が表示される。

 現在はこの部屋が表示されていて、そこにプレイヤーキャラがデフォルメされた姿で見えていた。そこに名前も表示されている。

 ヤキソバの他に、いちご大福、トンコツ、ロールケーキ、ぽてちがいた。

 そのキャラをタップすると簡単なプロフィールが出てくる。確認できるのは、任務ランクと自機タイプ、後は紹介文か。紹介文は、デフォルトらしい『よろしくお願いします。』が入っていた。


 そして自分のキャラをタップすると、画面が切り替わり、こなした任務の数やクリア率、撃破した敵の数やら稼いだコストなどが表示され、その横に公開/非公開のチェックが付いていて、基本的には非公開になっていた。

 紹介文の所をタップすると、入力画面に切り替わって編集できるようになっている。


「なるほどね。これで公開内容を変えれるのか」

「その他、フレンド申請なども可能です」


 個別にプレイヤーを登録して、ログイン状況やプライベートメッセージを送れるようになっていた。



「そろそろ合同任務を受けようと思う。参加したい人は、遠慮なく一緒に来てくれ」


 ロビー内の操作を一通り確認した辺りで、ヤキソバの声が聞こえた。仮想ウィンドウの方にも、『連合任務が発行されました。』の文字が出て、詳細を確認すると海賊討伐任務になっている。

 ただ個人で受けるモノに比べると、想定敵数が多く、15機となっていて、参加人数は8人まで。リーダーのヤキソバの他、いちご大福、ナポリタンがエントリーしている。ナポリタンはこの場にいないが、エントリーできるらしい。

 折角なので俺も参加することにした。




 連合8機のチーム戦、相手は少なくとも15機。数は倍近いが、基本的にプレイヤー機の方が性能がいいので問題はないだろう。

 問題は海賊が襲撃した地点ではなく、基地にしている拠点の攻略という部分か。個人では受けられない任務なわけだ。

 その分、報酬はいいので気合をいれて掛かろう。


F型ファイターは、2機一組のバディを組んで周辺の哨戒、S型シールドは敵発見まで待機。B型バックワードは何ができるのかな?」

「遠距離狙撃と探査機による広域探査です」


 後方支援型である俺の機体はそれなりにレアらしい。


「なるほど、便利そうだね。とりあえず、探査してデータを共有してくれ」

「了解」


 海賊の基地があるのは、衛星のどこからしい。月サイズの衛星なので、探査範囲はそこまで広くないが、敵も周辺を警戒している可能性が高い。

 不意を撃たれないように、まずは周辺宙域を飛んでる機体がないかを探査だな。


 俺はいつも通り射出型広域探査機を派遣して、この宙域の情報を集める。早速引っかかったのは、宙域を移動する海賊船3機。それぞれ宙域に広がって、一定速度で飛んでいる。

 その情報をチームリンクで共有し、3Dマップへとマーキングした。


「仕事が早いね、こりゃありがたい。取り敢えず、F型でこれらを撃破しにいくから、衛星の探査を頼む」

「了解、ご武運を」


 宙域に散らばる海賊船に向けて、3つの2機編成でそれぞれに撃破を狙っていく。

 その間に俺は衛星の探査を行うが、あまり近くに行くと敵のセンサーに引っかかる可能性がある。

 広域探査機は索敵範囲は広いものの、その探査は大雑把。基本的には対象の出しているレーダー波を受動的パッシブで探査している。

 息を潜めているような敵に対しては、能動的アクティブセンサーでこちらからレーダー波を出さなければならない。そうなると、相手にもこちらの存在が知られるので最終手段だ。

 味方が哨戒機を撃破してから使う事にする。


「光学望遠が役に立つとはね」


 俺は狙撃スコープとして装備していた光学望遠を使って衛星の表面を精査していく。月面と同じく幾つかのクレーターが並んでいて、幾つか陰になる亀裂が走っている。

 そんな亀裂の1つに、人工的な灯りを見つけた。入り口を示す誘導灯みたいだ。赤い点が、周期的に点滅している。


「それぞれ持ち場に着いたな。これより戦闘を開始する」

「「「了解」」」


 ヤキソバの号令で3箇所同時に戦闘が開始された。こちらからは見ることができないが、性能の劣る海賊船1機に対して、2機掛かりで襲いかかれば、程なく撃破報告が入ってきた。

 それに応じて、基地側にも動きが見られる。誘導灯のある亀裂から、3機の海賊船が飛び出してきた。


「海賊船の出撃を確認。いちご大福さんの方に向かう様子」

「了解、返り討ちにしてやるぜ」

「おうよ」


 いちご大福とロールケーキが飛び出してきた3機に向かって移動を開始する。


「俺達は基地を叩くぞ。ナポリタンと合流後、一気に攻める」

「了解」


 ターゲットにされていない4機が戻ってくる前にこちらは探査機のアクティブレーダーを起動する。発せられた電磁波の反射によって基地周辺の宙域を探査すると、幾つもの影が映った。


「敵基地周辺に機雷確認。ちょっと掃除するから突撃は待ってください」

「うへっ、了解」


 俺はレールガンを起動して、レーダーでマーキングした機雷を撃ち抜いていく。相手が動く標的なら、進路先を予測して偏差を入れながら狙撃する必要があるが、機雷はほとんど動いていないので、ほぼ自動照準だけで事足りる。

 分裂弾が降り注いだ一画で連鎖的に爆発が起こり、周辺一帯がクリアされた。


「OK、あらかた掃除できたけど、注意はしながら進んでください」

「助かった、いくぞ」

「おお!」


 シールド艦のナポリタンを中心に、4機のファイター機が続く。

 シールド艦はその名の通り、分厚いエネルギーシールドに、厚めの装甲と可動式の物理シールド、更に対ミサイル用の迎撃ミサイル、対空機銃を装備した防御用の艦だ。機動性や攻撃力は見劣りするものの、チーム戦になるとその真価を発揮する。

 こちらの攻撃部隊が元機雷原にさしかかると、残りの海賊船も基地から飛び出してきた。

 小型の戦闘艇は、ちょこまかと動いてヤキソバ達の攻撃を躱そうとするが、接近するにつれて被弾率が上がっていき、2機、3機と撃破されていく。

 ヤキソバ達の乗るファイター型は、近距離でドッグファイトを繰り広げる高機動な戦闘機。2機ペアとなることで死角をフォローしあいながら、着実に戦果を上げていく。


 一方の俺は敵味方入り乱れての攻防に、下手な狙撃では友軍機に当たる可能性があるので攻撃を自重。ひとまずナポリタンのシールド艦が基地との射線に入らない位置に移動しつつ、乱戦から飛び出してくる海賊船を狙い撃っていった。


「ん!?」


 と、唐突にアラームが鳴り響く。広域探査機が高エネルギーを検知していた。どうやら基地内部で何やらエネルギーをチャージしている所があるらしい。

 それをすぐにチーム内に共有する。


「敵基地内部に高エネルギー反応。高出力兵器の可能性があります」

「全機、ナポリタンの陰に入れっ」


 戦闘中のファイター達は、ナポリタンの後ろへと回り、位置を整える。

 すると基地から周囲を薙ぎ払うように高出力の粒子砲が発射され、辺り一帯を薙ぎ払っていく。そんな中、シールド艦ナポリタンはしっかりと踏みとどまり、粒子砲のエネルギーを遮断した。

 どうやら一発だけの奥の手だったらしく、基地はそれ以降沈黙。周辺の海賊船も、徐々にその数を減らしていき、最後の1機もトンコツに仕留められて任務完了の結果画面リザルトが表示された。




「お疲れ〜」

「乙」

「お疲れ様です」


 連合ロビーに戻った俺達は挨拶を交わす。共闘しながら任務をこなせば、何となく親近感が増して砕けた雰囲気になっていた。

 元々ゲーム好きの集まり、きっかけがあれば仲良くできるはずだ。


「いいね、チーム戦。楽だわ」

「役割がきっちりしてれば、やりやすいね」

「シールド艦硬いな、ナポリタンがいなかったら結構ヤバかったかも」

「それを言うならキーマっしょ、警告なかったら移動できてなかった」

「いやぁ、安全な所で見させてもらえたからね」

「後方支援型は結構大事かも知れんな。索敵時間も大幅に短縮できたし」

「俺ももうちょっと探索系の装備付けるわ」


 任務の結果を受けて、それぞれに感じたことを伝え合う。何だかんだでテスターに応募するような連中は、ゲームのシステムにも理解が深い。スナイパーを軽んじる雰囲気はなかった。


「よし、続けていくか。今度は他次元生物系に挑むよ」

「おっけー」

「わかった」


 こうして連合でのプレイは思っていた以上にすんなりと受け入れられて、一気にスコアを稼げるようになっていった。




 連合に参加してから加速度的にコストを稼ぐことができるようになった。連合の人数も順調に増えて、40人規模に。

 それでも後方支援型の宇宙船は珍しいらしく、狙撃型は俺の他にいなかった。

 そのおかげでログインすればひっきりなしに戦場に連れて行かれ、気づけばかなりのコスト長者になっていた。



 そんなβテストも最終日を迎え、連合ロビーでは製品版での再会を誓いながら貯めたコストの消費大会が繰り広げられていた。

 製品版には自機やコストといった性能に差が出るものは引き継げず、アバターなどの見た目に関わる物だけが引き継げる。

 そこで連合ロビーで色々と品評会のようなアバター作成大会になっていた。


「まあ、皆フルフェイスヘルメットだと印象がぼやけるかも知れないしね」

「いや、名前にインパクトあるでしょ」


 Foods連合のメンバーは、結果として食べ物系の名前の人しか入って来ずに、それぞれに特徴もあるので覚えやすかった。


「製品版で似た名前が出てくる可能性もあるしね」

「イタリアンとか豆大福とか?」

「焼きうどんとかパンケーキとか」


 食べ物系の名前は付けやすいのもあって、ネトゲだと見かける機会も多い。そうなると連合外の食べ物系の人も増える可能性は高かった。

 まあ、連合に所属していたらそれは表示されるんで間違うことはないんだろうけど。


 そんな雑談をしながらもコントローラーの仮想ウィンドウでモンタージュを作成している。顔のパーツを目や鼻、口など組み合わせていってキャラの顔を作っていく。

 その日の昼飯という事で付けたキーマ・ブラックという名前。それでも一ヶ月も使えば愛着がわいていた。それなりに考えて作ってみたいが、なかなかイメージが整わない。


「キーマさんはやっぱりインド系っしょ」

「と言われても、インド系ってどんなだ?」

「インド……ターバン巻いたり?」

「それ顔のイメージじゃないから」

「褐色で彫りが深い感じかねぇ」


 そんな周りのアドバイスを聞きながらモンタージュを作り上げていった。




 何とか出来上がったなんちゃってインド人。アクセサリーパーツからターバンも設定できたので、巻いてみる。インパクトはあるな、うん。


「サポートシステムのアバターも選べるのか」

「そうみたいだね。俺はこのフェアリー型を選ぶぜ」

「う〜ん、俺はどうするかな」


 自分のキャラクターの外見変更だけだとそこまでのコストは使わなかったので、それなりにポイントが余っている。

 パーソナルルームのレイアウト変更などもできるが、基本的に連合ロビーにしか来ないのであまり興味がわかなかった。

 連合ロビーは連合自体が一度解散になるので、家具を買っても置いておけないらしい。

 となるとやっぱりサポートシステムのアバターを変えるくらいしかないか。


 そう思いながらリストを見ていくと、基本的にサポートシステムのアバターは、ホログラムなのだが、コストを掛けると実体を持ったアバターも選べるらしい。

 小型の動物を模したアバターは、モフる事ができるようだ。リストバンド型コントローラーでは、触感を再現できるのでまるでペットを撫でるようにサポートシステムをモフれるはずだ。これはいいな。


 犬、猫、鳥、トカゲから実在しない小悪魔インプ子竜ドラゴン、羽根の生えた子虎とかもあるな。合成獣キメラの一種かね。

 更にスクロールさせると、等身大アンドロイドとかまであるが、これはもう桁が違う。製品版のお楽しみって事かな。


「ま、小動物が無難かな」

「モフモフしたのがいいね」

「毛が付かないのが最高」

「ホント、実物飼うと毛が至る所に散るからねぇ」


 インド人というと、象とかコブラとかイメージされるが、モフりたいと思うと候補から外れる。

 どちらかというと猫派だが、折角なのでなかなか実生活では触れないのがいいかなと思う。


「カピバラ……アライグマ……狸……フェレット……」

「ライオンとか虎もいいっすね」


 そんな中で、目を惹くものを見つけた。


「ああ、これだ。白熊の小熊」

「おお、確かにそれは滅多に触れないですね」

「一応、愛機がベア型だしね」


 外部パーツが色々付いて、コアやらブースターを強化したので、最初のシルエットからは少し変わっているが、船体としては初期のベア型から変わっていない。

 そんな感じで、サポートシステムのアバターとして、白い小熊を召喚した。5歳児くらいの大きさの熊は、それなりに重量感もありつつしっかりとモフれる。


「おおお、すごい。本当に触れる」

「思ったより、ふかふかッスね」

「あああ、いいなぁ……キーマさんくらい稼いどけばよかった」

「製品版はもっと稼ぎやすいだろ」

「でも稼いだ分はまず機体のカスタマイズに使っちゃうだろうからなぁ」

「確かに……」


 コストの使い道がアバターしかないので購入したが、愛機を持ち越せるならそっちのカスタマイズにコストを使っただろう。

 ただ一度この感触を味わうと、このアバター購入も悪くなかったと思う。


「身近にモフれるペットがいたら、自分も欲しくなるかもね」

「いやぁ、運営の企みにハマってますよ、多分」

「製品でも連合のマスコットとして連れて来といてくださいよ」

「マスター、そろそろ時間ですよ」

「うぉう、小熊が喋った」

「まあ、アバターだから当たり前なんだけど、違和感はあるな」

「そのうち慣れるっしょ。それより、いよいよお別れですね」

「ああ、また製品版で会おう」

「それじゃ」


 短く言葉を交わしながら、一人、また一人とサーバーから切断されて落ちていき、俺もまた小熊をモフるうちにログアウトを迎えていた。


 目の前が暗闇に包まれて、手にあった柔らかな感触が無くなり、早くも喪失感に苛まれる。とにかくVR機器を手に入れる算段をしないとなぁ……。

製品版を書く前に世界観を固めていく予定……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いですね。製品版楽しみにしています。
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