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幕間

アルセラーン目線です!

「……ようやくここまでまできたか」


笑い合うマルクスとサーマリアの姿。

それを精霊界から見ながら、我は口元に小さな笑みを浮かべた。

マルクスとサーマリア、その二人は本当ならば全く身分が釣り合わないはずだった。

何せ契約者であるマルクスは婚姻関係を結ぶことが出来れば王族と良好な関係を築くことができる。

そしてだからこそ、本来ならばマルクスと平民上がりであるサーマリアが出会うことはあるはずがなかった。


……そう、サーマリアの母が強力な巫女であると言うことが無ければ。


サーマリアは母が巫女であったことで契約者である可能性を疑われ、それを調べるために少しの間マルクスと共に過ごしたのだ。

それはちょうどサーマリアの母が死んでから2年後、アストレッド家での生活にサーマリアが限界を感じ始めていた時。


そしてその時自身を蔑まないマルクスの存在にサーマリアは救われることになった。


アストレッド家で契約者であることを隠すと決めたサーマリアの心にあったもの、それは恐らく恐怖だったのだろう。

自分の全てを壊し、全てを奪い尽くした貴族や王族の存在に対する恐怖。

だから契約者であることを隠すと告げたサーマリアの心にあったのはその存在から自分を隠そうとする思いだけだった。

……そしてその恐怖の対象に虐められるアストレッド家での生活はサーマリアの心に大きな負担となっていた。

家族もいない中、ただ一人の味方である我とも満足に話すことも出来ない生活。


ーーー そんな中、サーマリアの唯一の救いとなったのか契約者であるマルクスだった。


そしてその唯一の救いを得てサーマリアが私に望んだことは、マルクスの側にいることだった……


大精霊の力は決して小さなものではない。

この国の中ならば、その力を強引に利用して周囲を脅し贅沢づくしを望むことだって簡単だっただろう。


けれども、そんな力を有しながらサーマリアはただ一人の人間の側にいることを望んだ。


サーマリアは長年の迫害のせいか、歪な所が存在する。


「もう、特に問題はないだろう」


けれども、目の前で笑い合うマルクスとサーマリアの姿を見て、我はそう笑った……

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