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第13話

「っ!」


王座に辿りついた瞬間、流石に好き勝手にすることが出来ないことを理解したのか、王子は忌々しげに私を睨みつけたがそれ以上何かを言うことはなかった。

しかし、その王子の態度に気付きながら私は彼の存在を無視する。

何せ彼は王族であるというだけで、その他にはとくに特徴もない人間なのだ。

気にするだけ無駄でしかない。

……だが、その私の反応に苛立たしさを覚えたのか、王子の顔はさらに歪む。


「はっはっは。今度の契約者殿はお前にさえ、何の反応も返さんか」


けれども、その瞬間酷く場違いな笑声がこの場に響いた。


「ち、父上!?」


そして現れたのはこの国の国王である、マーストレスだった。

その瞬間、周囲にいた人間が跪き王子が驚愕の声を上げる。


……けれども、国王の出現でさえも私は何の反応を返すこともなかった。


「い、いくら契約者といえども無礼ですぞ!」


その私の態度に私を案内してくれた文官が、顔を青くして私に膝ずくよう告げる。


「よい。契約者とは本来身分に縛られん存在よ」


「陛下……」


だが、当の本人である国王は笑いながら私の態度を許した。

そしてその国王の態度に文官は青ざめた顔から一転、安堵の息を漏らす。

どうやら私の態度が悪く国王の不況を買えば、自分の身にも危機が起きるのではないかと心配していたようだ。

……しかし、文官の安堵は早計だった。


「……だが、一ついくら契約者であろうがお前は許せぬことをした」


一瞬おおらかに私を許したように見えた国王。

だが次の瞬間、国王は今までとは違う雰囲気を宿し私を睨みつけた。


「ひぃっ!」


その国王の態度に反応するように王座の間にいた衛兵達と魔導師が、それぞれの武器を構え、文官の顔が面白しろいように青くなる。

そして緊張感が漂い出した部屋の中、さらに国王は口を開いた。


「サーマリア。貴様はなぜ契約者であることを隠していた。貴様の母は優れた巫女であり、一度王宮で契約者であるかを調べた時、何故我らに教えなかった?確かにお前が契約者だと知ればカールマンは我ら王族を出しぬき、囲おうとしたかも知れぬ。だが、カールマン如きから契約者を守れぬほど王家が脆弱とでも思っていたのか?」


そう告げる国王の目に浮かんでいたのは怒りといより、私を王宮に案内できたことに対する安堵だった。

そしてそれを見て、私は笑った。


心の底からの微笑みで。




「大精霊の結界に守られていないともう滅亡している一族がよく吠えますね。で、私が今から王族に仕えるとでもいうと思いましたか?何で今まで私が力を隠していたかも理解できないんですか?」



「っ!?」



ーーー そして今までずっと言いたいと思っていた暴言を国王へと投げつけた。


私のまさかの発言にこの場にいる人間が騒ぎ始める。

そしてその中、私は最後に国王を睨みつけながら口を開いた。


「私の家族を壊した貴方を私は許さない」

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